不倫した夫から離婚を請求された!有責配偶者からの離婚請求が認められるケースと別れたくない時の対処方法

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弁護士 鈴木 翔太
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不倫した夫から離婚を請求された!有責配偶者からの離婚請求が認められるケースと別れたくない時の対処方法

夫に不倫されて深く傷ついても、実は「離婚したくない」方が少なくありません。

たとえば小さい子どもがいる、経済的な事情などさまざまな理由があります。

不倫した夫から離婚を請求されたとき、断り続けていたらどうなるのでしょうか?

法律的には「不倫した本人(有責配偶者)からの離婚請求」は認められないルールになっていますが、場合によっては離婚が認められてしまうケースもあります。

今回は不倫した夫と離婚したくない場合の対処方法や「有責配偶者からの離婚請求」が認められるパターンを弁護士が解説します。

夫や妻に不倫されたけれど離婚したくない方はぜひ参考にしてみてください。

 

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1.不倫した本人が離婚を希望するとき、よくある原因

妻を裏切って不倫・浮気しておきながら、自ら妻へ離婚を求める男性は少なくありません。

その場合、よくあるのは以下のような背景事情です。

  • 不倫相手にのめり込んでいて、今の妻に嫌気がさしてしまった
  • 不倫相手と「再婚したい」と考えている
  • 不倫相手の女性から強く「妻(夫)との離婚」を迫られている
  • 不倫相手の女性に子どもができたので早く再婚したい

特に不倫相手が妊娠すると「子どもが生まれるまでにきちんとしておきたい」と考えますし、不倫相手からも強く離婚を迫られるでしょう。焦って今の配偶者に離婚を求めてくる傾向があります。

しかし不倫した配偶者からの離婚請求を安易に受け入れると、悔しい思いをされる方が多いので注意が必要です。十分な慰謝料を受け取れないケースもありますし、離婚直後に相手方らが再婚してしまうケースもよくあります。

また不倫が確実でなくても、夫や妻の態度が突然豹変して離婚を要求されときには不倫を疑ってみるべきです。

特に離婚しなければならないような事情もないのに、突然強い勢いで離婚を迫られるようになったら、安易に離婚に応じない方がよいでしょう。

2.不倫した相手からの離婚請求は認められない?

不倫した相手から離婚を要求されたとき、受け入れる必要があるのでしょうか?

そもそも浮気しておきながら離婚を請求できるのか、法律上のルールについてご説明します。

2-1.協議離婚、調停離婚なら離婚が認められる

離婚には大きく分けて「協議離婚」「調停離婚」「裁判離婚」の3種類があります。

これらのうち、協議離婚と調停離婚は夫婦が話し合いによって離婚する方法です。離婚原因は問題にならず、一方が不倫していても夫婦が「離婚すること」に納得すれば離婚が成立します。

「調停離婚は家庭裁判所で行われる手続きなので、不倫した人からの離婚請求は裁判所が許可しないのでは?」と考える方もおられるかもしれません。

ただ調停も協議と同様、あくまで「話し合い」の手続きです。当事者が納得していれば裁判所が口出しすることはなく、不倫が行われているケースであっても離婚が成立します。

協議や調停の場合、離婚を拒否していれば強制されることはない

協議離婚や調停離婚が成立するには「夫婦双方による合意」が必要です。

相手が離婚を求めてきても、こちらが応じなければ離婚は成立しません。

裁判所で行われる調停であっても「意思に反して無理に離婚させられる可能性」はないので、安心しましょう。

2-2.裁判では離婚が認められない可能性が高い

協議や調停で離婚できない場合には、相手は家庭裁判所で「離婚訴訟」を提起しなければなりません。訴訟によって離婚する方法が「裁判離婚」です。

訴訟では「法律上の離婚原因」のいずれかがあれば、当事者の意思に反しても裁判所が判決で離婚を認めます。

ただし訴訟では協議や調停と異なり、不倫した本人からの離婚請求は基本的に認められません。法律上「有責配偶者」からの離婚請求が認められないルールになっているためです。

有責配偶者とは、自ら離婚原因を作った配偶者をいいます。

  • 不貞行為をした
  • DVやモラハラ行為を行った
  • 家出した
  • 収入があるのに収入のない配偶者へ生活費を渡さなかった

上記のような配偶者が「有責配偶者」とされます。

離婚原因を作ったにもかかわらず、相手が拒否しているのに有責配偶者の都合だけで離婚を認めるのは社会正義に反し、不合理といえるでしょう。

そこで法律では、「有責配偶者による訴訟による離婚請求」は基本的に認めないとされています。

不倫した夫や妻が裁判で離婚を求めてきても、こちらが拒否している限りは判決で離婚が認められる可能性は極めて低いといえるでしょう。

3.有責配偶者からの離婚請求が認められるケースとは

有責配偶者からの離婚請求も、必ずしも認められないわけではありません。

以下のような場合には、有責配偶者からの離婚請求を認めても社会正義に反するといいにくいため、離婚が認められる可能性があります。

  • 長期間別居状態が継続している
  • 未成年の子どもがいない
  • 離婚によって配偶者が過酷な状態に陥らない

3-1.長期間別居状態が継続している

婚姻関係破綻の直接の原因が不貞行為であっても、別居して長期間が経過していれば不倫した有責配偶者からの離婚請求が認められる可能性があります。

「何年以上別居すればよい」という明確なルールはありませんが、だいたい10年程度別居期間が継続すれば離婚が認められやすい傾向があります。

ただし10年が経過していても事情によっては離婚が認められないケースもありますし、10年が経過していなくても離婚が認められるケースもあり、確実ではありません。

10年はあくまで「目安」と考えましょう。

3-2.未成年の子どもがいない

未成年の子どもがいる場合に両親が離婚すると、子どもにも大きな影響が及んでしまいます。そこで未成年の子どもがいると有責配偶者からの離婚請求は認められにくくなります。

ただし十分な養育費や財産分与などを行い子どもの生活に対する保障が行われるなど、「離婚を認めても社会正義に反しない」といえる状況であれば、未成年の子どもがいても離婚が認められる可能性があります。

3-3.離婚によって配偶者が過酷な状態に陥らない

不倫された配偶者に経済力がなければ、離婚後の生活に困窮する可能性があります。

たとえば婚姻時に長年専業主婦だった方が突然離婚によって経済的な自立を求められても、難しいケースが多いでしょう。不倫された配偶者が病気や障害を抱えているケースもあります。

離婚を認めると不倫された配偶者が経済的、精神的、社会的に過酷な状態におかれる可能性がある場合、裁判所は有責配偶者からの離婚請求を認めにくい傾向があります。

そういったケースで有責配偶者が離婚を認めてもらうには、相手配偶者へ十分な金銭的補償を行うなど「過酷な状態に追い込まない」ための対処が必要となるでしょう。

4.不倫した相手が離婚を請求!予想される流れと対処方法

不倫した配偶者が離婚を請求してきたとき、こちらが離婚を拒否し続けていたらどうなるのでしょうか?

以下で予想される流れをみていきましょう。

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4-1.離婚を迫られる

まずは相手から強く離婚を迫られるでしょう。不倫していても、開き直って「離婚届に署名押印しろ」と強要してくる人も多数存在します。

しかし相手から脅されても、離婚を望まないのであれば決して離婚届に署名押印してはなりません。

4-2.家を出ていかれる

不倫した配偶者からの離婚請求を拒否していると、相手が家出するケースも多々あります。

一人で賃貸住宅を借りて暮らし始める人もいますし、不倫相手と同棲を始める人も少なくありません。もしも不倫相手と同棲を始めたら、尾行して写真を撮影するなどして「同棲の証拠」を集めましょう。

4-3.生活費を払ってくれなくなる

不倫した夫による離婚請求を妻が拒否すると、夫が生活費を払わなくなるパターンも非常に多いので注意が必要です。給与振込口座を変えてしまったり、家出と同時に生活費を渡さなくなったりする人もいます。

妻が専業主婦の場合には、生活に困窮してしまうでしょう。

法律上、収入の高い側は低い側へ「婚姻費用(生活費)」を払わねばならないルールとなっています。相手が生活費を払わないなら家庭裁判所で「婚姻費用分担調停」を申し立てましょう。調停では、調停委員から相手に「生活費を払うように」と説得してもらえます。

それでも払われない場合には「審判」となり、裁判所から相手に生活費の支払命令を下してもらえるので、希望を持ちましょう。

4-4.離婚調停を申し立てられる

相手からの離婚請求を拒否し続けていると、家庭裁判所で「離婚調停」を申し立てられる可能性があります。

ただ調停は話し合いで解決する手続きなので、離婚を望まないなら合意する必要はありません。離婚を拒否し続けていれば離婚は成立しません。

4-5.離婚訴訟を申し立てられる

調停が不成立になったら、離婚訴訟を申し立てられる可能性もあります。

訴訟を起こされたときには「相手が不貞している事実」を証明しなければなりません。

証明できれば相手は「有責配偶者」と認定され、離婚請求は棄却される可能性が濃厚となります。

一方で、相手が有責配偶者である事実を証明できなければ、相手方の主張する「離婚原因」にもとづいて離婚が認められてしまう可能性があります。

5.不倫した相手と離婚したくない場合の対処方法

不倫した夫や妻とどうしても離婚したくない場合には、以下のように対応しましょう。

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5-1.離婚を拒否し続けて相手に離婚をあきらめさせる

相手からの離婚請求は明確に拒否し続けましょう。拒絶していれば、協議離婚や調停離婚は成立しません。

協議や調停の段階で強く離婚を拒絶する態度を見せれば、相手も離婚をあきらめざるを得なくなるものです。訴訟を起こされずに解決できる可能性が高くなるでしょう。

5-2.離婚届不受理申出を行う

不倫した配偶者からの離婚請求を拒否していると、相手が勝手に離婚届を偽造して役所へ提出してしまうケースがあるので注意しましょう。いったん離婚届が受理されると、戸籍が書き換わってしまいます。

離婚をなかったことにするには家庭裁判所で「離婚無効確認調停」や「離婚無効確認訴訟」を申し立てなければならず、多大な手間も時間がかかるでしょう。

こうしたトラブルに巻き込まれないためには、事前に「離婚届不受理申出」をしておくようお勧めします。そうすれば、申出人の意思確認を取れない限り離婚届が受理されなくなります。

心配な方は早めに役所へいって「離婚届不受理申出」をしておきましょう。

5-3.不倫の証拠を集める

相手が不倫していても、証拠がなければ「有責配偶者」である事実を証明できません。

裁判を起こされたとき、相手が有責配偶者であることを証明できなければ、相手の主張する「離婚原因」が認められて離婚判決が出てしまう可能性もあります。また不倫の証拠がなかったら慰謝料も請求できません。夫に不倫されたとき、交渉や訴訟を有利に進めるには証拠が必須です。

不倫の証拠を集めるときには、なるべく「肉体関係」を証明できるものを収集してください。

法律上離婚原因となっている「不貞」とは「配偶者以外の人と肉体関係をもつこと」だからです。

男女が交際していてもプラトニックな関係では「不貞」にならず、夫が有責配偶者と認められない可能性があります。

たとえば以下のようなものを収集しておきましょう。

  • LINEやメール、SNSのメッセージ
  • 動画や写真
  • クレジットカードの利用明細書
  • スケジュール帳や日記の記録
  • 交通ICカード

夫や不倫相手が不貞行為を認めている場合、「不貞しました」と認める「自認書」を作成させる方法や音声録音データの収集も有効な対処方法となります。

5-4.離婚するなら十分な慰謝料と財産分与を求める

相手が強く離婚を求める場合、十分な補償を受けられるなら離婚も一つの選択肢になりえます。

たとえば高額な慰謝料を払わせたり、全財産を財産分与してもらったりして子どもの養育費や学費もきちんと払ってもらえたら、離婚に応じてもよい、という判断もありうるでしょう。

財産分与の割合は法律上原則的に2分の1ずつとされますが、当事者が合意すればそれ以外の割合で分けてもかまいません。

慰謝料代わりにすべての財産の分与を受けることもできるので、離婚に応じる代わりの条件として、精一杯の補償を相手に求めるとよいでしょう。

6.不倫されたら弁護士へ相談を

不倫した夫から離婚請求されたとき、応じるかどうかは悩ましい問題です。特に小さなお子さまがいらっしゃる場合、自分一人の問題だけでは済まされません。将来について不安を抱える方も数多くいらっしゃいます。

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離婚トラブルは一人で悩んでいても解決できません。専門家のアドバイスを受ければ前向きな気持ちになって、よりよい解決方法を目指せるでしょう。夫の不倫にお悩みの方がおられましたら、恵比寿の鈴木総合法律事務所までお気軽にご相談ください。

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