債務整理

債務整理の方針判断について解説!!

債務整理には①自己破産(借金をなくす手続き)、②個人再生(負債額を所定の割合に圧縮して返済する手続き)、③任意整理(3~5年で分割返済するという内容の和解を債権者と締結する手続き)の3種類があります。

どの方針で債務整理手続きに臨むのが良いのかは各人の負債総額、収入状況や財産の状況、個人を取り巻く環境(家族構成や職業)に応じて変わってきます。

今回は、債務整理を採用すべきかの判断基準のうちのいくつかを簡単にご紹介いたします。ふだん借金問題解決に積極的に取り組んでいる弁護士が解説しますので、悩んでいる方はぜひとも参考にしてみてください。

①負債総額と余剰額から判断

まず考えていただきたいのは「負債総額と余剰額」の判断基準です。

クレジットカードやカードローン等への返済がなくなったとして、ご自身の収入額から生活費等を差し引いた金額(余剰額)がいくらとなるかを計算してみてください。

余剰額に0.8掛けした金額を36~60倍しても負債総額に達しないのであれば、債権者と交渉をして最長60回払いでの分割返済の和解を取り交わす任意整理での解決は困難となりますので、破産か個人再生を検討すべきでしょう。

逆に余剰額と負債総額を検討して返済を継続していくことが困難とは言えない場合には、支払い不能が認められず破産での解決は困難となります。そのような場合は、任意整理か個人再生を検討することになります。

②介入先を絞るかどうかで判断

破産や個人再生手続きを利用する場合、債権者のすべてについて介入する必要があり、一部の債権者については介入しないということはできません。他方で、任意整理であれば介入する業者を選択することができますので、介入する債権者を選びたいのであれば任意整理で対応することになります。

なお、介入業者を選択するケースとしては下記のものが想定されます。

  • クレジット購入した自動車を失いたくない(引き揚げられたくない)
  • 両親が連帯保証人となっている奨学金債務があり、両親には手続きを知られたくない、秘密にしておきたい、迷惑をかけたくない

③住宅ローンのある住宅を残したいか否かで判断

居住用の住宅について住宅ローンを負担している方で住宅を今後も残したいということであれば、住宅ローンを払いつつ手続きを進めることができる個人再生か任意整理を検討することとなります。住宅を失ってもよいということであれば、破産も含めて検討することとなります。

④持っている財産から判断

破産を行なう場合、持っている財産のうち一定の基準以上のものについては、換価処分する必要がありますので、価処分の対象となる財産を残したいということであれば任意整理か個人再生を検討することになります。換価処分されてもよいとのことであれば破産も含めて検討することとなります。

なお、換価処分の対象となる財産だとしても、やり方によっては残すことは可能です(自由財産の拡張など)。このあたりは個々の事情により異なってくるので、専門的な知識を有する弁護士に相談してください。

⑤負債を負った理由から判断

負債が増えてしまった理由に、買い物や飲食等への浪費、パチンコや競馬等のギャンブル、株式投資やFXがある場合には、破産手続での免責不許可事由に該当します。免責不許可事由があると「免責」という借金の支払を免れる効果を得られないため、個人再生または任意整理を検討することとなります。

ただ、免責不許可事由に該当する行為を行なっていたとしても、過去の行為を反省していること、現在はその行為を止めていることをしっかりと説明できれば裁量免責を得ることも可能です。このあたりはしっかりと弁護士と話してください。

⑥必要書類の量から判断

破産や個人再生を行なう場合、収入証明や過去2年間の通帳(取引履歴)、退職金に関する資料や保険証券・解約返戻金計算書等、財産に関する書類を提出する必要があります。場合によっては同居する家族の収入証明等の提出も必要があります。他方で任意整理であれば書類の提出は原則不要です。書類の収集提出をしたくない、できないということであれば任意整理を検討すべきでしょう。

⑦資格制限から判断

破産手続きを行う場合のデメリットの一つに資格制限があります。保険外交員や大半の士業、警備員等の職業は、身分が破産者であると資格が制限され就くことができません。そのため、資格制限にあたる職業についている方は個人再生や任意整理を検討することとなります。

 

上記①~⑦の判断基準はあくまで一例であり、方針判断の基準となるものはほかにも多々あります。そのため、個々の事情・状況に応じた最適な債務整理方法を選択するには、専門的な知識と経験を有した弁護士に相談するのが一番です。債務整理についてお聞きになりたい方は、経験豊富な弁護士が在籍する恵比寿の鈴木総合法律事務所までご相談下さい。