破産手続で手元に残すことのできる財産(自由財産)について

監修者
弁護士 鈴木 翔太
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弁護士法人鈴木総合法律事務所、代表弁護士の鈴木翔太です。
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1. 破産手続とは?

皆様は、破産手続きをどのようなものとお考えでしょうか?

大多数の方は、借金やローンに苦しんでいる人が取りうる手段であり、自身の負っている借金や負債を無くす(チャラにする)手続きと想像されているかもしれません。

ですが、これはこと個人破産において破産者個人に付与される「免責」という効果(借金を支払う責任を免除される効果)に着目したものであり、破産手続きの内容としては適切ではありません。

では、破産手続きとは何なのでしょうか?

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2. 破産手続とは有する財産を換価処分する手続き

破産手続をかみ砕いて説明をすると、「破産者(破産しようとしている人)が有する財産を換価・処分して、債権者に平等に配当する一連の手続き」です。

ここでいう『破産者が有する財産』が何を指すかというと、その人に属する金銭や財物(所持品)、他者に貸し付けている金員等の債権の一切です。これには預金残高のみならずお財布に入っているお札や小銭、自宅にある家具家電はおろか、着用している洋服や肌着等も含まれます。

持っているすべての財産を換価処分の対象としてしまうと自身の身体以外は何も手元に残らないこととなります。そのような状況でその後の生活をまともに送ることは不可能であることは容易に想像できるかと思います。

これでは誰しもが破産手続きを行おうとは考えなくなります。

3. 自由財産とは

この不合理を解消するために自由財産という考え方が出てきます。

自由財産とは「破産者の財産のうち破産財団に属さない財産」と定義されておりますが、これまたなじみのない言葉で説明がなされているため、理解できないかと思われます。

これをかみ砕いて説明すると「破産手続きにおいて換価処分の対象とはしない財産。換価処分せずに持っていても問題がない財産」となります。

先ほど破産手続を「破産者が有する一切の財産を換価・処分して債権者に平等に配当する手続き」と説明しましたが、自由財産と認められた財産については換価処分せずに所有を継続することができるということです。

それではどのような財産が自由財産として認められるのでしょうか?

4. 自由財産として認められる財産

法律上認められているものは下記のとおりです。

  1. 新得財産
  2. 差押禁止財産
  3. 99万円以下の現金
  4. 裁判所によって自由財産の拡張が認められた財産
  5. 破産管財人によって財団債権から放棄された財産

①は、破産手続きの申立を行い、開始決定が出たあとに新たに取得した財産のことです。開始決定の時点で破産者が有する財産を確定するので、開始決定以後に新たに生じた財産は自由財産となります。

②は、法律上差押えが禁止されている財産のことです。生活に必須な衣類や家具家電、備蓄食料などの動産や、年金の受給権等の債権が挙げられます。

③は、イメージしやすいかと思います。なお、ここでいう現金には預貯金は含まれません。

④は、①~③で規定される本来的自由財産では破産者の保護が不十分と認める場合に、裁判所が特別に自由財産の枠を拡張するものです。

各々の破産者の事情を勘案したうえで特別に認められるものであり、無制限に認められるものではありません。

例えば高齢の方の保険解約返戻金等がこれにあたります。

⑤は、財産の換価処分権限を有する破産管財人が換価困難として「この財産は換価処分の対象から外します(放棄します)」と決定した財産です。

例えば、知人に5万円を貸し付けたまま破産申立をした場合、知人に対し5万円の債権を有することとなります。本来であれば本件貸付債権も回収して配当財源に回すこととなるのですが、現在音信不通、弁護士権限で調査しても連絡先も住所もわからないとなった場合、そもそも回収することが困難です。そのような場合、破産管財人は当該債権を換価処分の対象から外すと決定することがあります。

①~③までが本来的な意味での自由財産で、④及び⑤は自由財産の枠を拡張して特別に認められるものとなります。

5. 自由財産の拡張が認められる財産(東京地裁運用)

こと東京地方裁判所においては、原則として、下記の財産に関し自由財産の拡張(④)が認められております。自由財産として扱われるわけですから、換価処分の対象とはならないということです。

  • 残高が20万円以下の預貯金
  • 見込み額が20万円以下の生命保険解約返戻金
  • 処分見込価額が20万円以下の自動車
  • 居住用家屋の敷金債権
  • 電話加入権
  • 支給見込額の8分の1相当額が20万円以下である退職金債権
  • 支給見込額の8分の1相当額が20万円を越える退職金債権の8分の7相当
  • 家財道具

逆を言えば、前章の①~⑤及びこれらに該当しない財産については、自由財産とはならないため、破産手続きにおいて換価処分の対象となることになります。

なお、東京地方裁判所以外の地方裁判所の運用はどうなっているかというと、地裁によってまちまちです。

東京地裁の運用に準ずるという地裁もあれば、現金を含めて総枠(総額)99万円までは自由財産としてみなすとする地裁もあったりと、運用は地方裁判所によって異なります。

このあたりは弁護士にしっかりと相談することをお勧めいたします。

6. さいごに

破産手続において換価処分の対象とすることなく手元に残すことのできる財産(自由財産)について大まかに説明いたしました。

この記事をお読みになられている方の多くは、負債や返済について何かしらのトラブルや心配事を抱えていらっしゃるかと思います。

債務や負債に関するトラブルをお抱えになっている方はお早めにご相談ください。

 

 

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