持ち家を維持して借金減額!個人再生の住宅ローン特則とは!?

監修者
弁護士 鈴木 翔太
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持ち家を残して借金減額!個人再生の住宅ローン特則の適用条件

個人再生は、借金を大きく減額することが可能な債務整理手続きです。

個人再生手続きを利用するメリットの一つとして、持ち家(住宅)を残したまま法的整理が可能であることが挙げられます(破産手続きの場合、持ち家を残すことはできません)。

持ち家を残しての個人再生手続きに臨むためには、個人再生の申立時に住宅ローン特則(住宅資金特別条項)の適用申請を行なう必要があるのですが、そのためには所定の要件を満たす必要があります。

今回の記事では、個人再生申立において住宅ローン特則の適用を受けるための要件について解説します。

1.住宅ローン特則の適用を受けるためには

個人再生(小規模個人再生、給与所得者等個人再生)を申立てさえすれば自動で住宅ローン特則(住宅資金特別条項)が適用される、というわけではありません。

住宅ローン特則の適用を受けるためには、以下の要件を満たす必要があります。

1-1.個人再生の申立要件を満たすこと

住宅ローン特則は、個人再生手続きに適用される制度です。したがって個人再生の申立てが受理されること、すなわち個人再生申立に係る要件を満たしていることが大前提となります。

個人再生申立に際しての要件としては以下のものが挙げられます。

  1. 再生手続開始原因があること
  2. 再生手続開始申立棄却事由がないこと
  3. 申立が適法であること
  4. 債務者が個人であること
  5. 収入要件を満たすこと(将来において継続的に又は反復して収入を得る見込みがあること)
  6. 給与またはこれに類する定期的な収入を得る見込みがあること(給与所得者等再生)
  7. その定期的な収入の額の変動の幅が小さいこと(給与所得者再生)
  8. 再生債権額が5000万円を超えていないこと
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1-2.住宅資金貸付債権であること

住宅ローン特則は、住宅資金貸付債権に対して利用することができます。

住宅資金貸付債権とは、次の要件を満たす借金のことです。

  • 住宅の建設や購入、改良に必要な資金の貸付であること
  • 分割払いの定めのあること
  • 住宅に抵当権が設定されていること

新築マンションや建売住宅を購入する際に利用するローン、いわゆる住宅ローンは、ほぼ確実に住宅資金貸付債権の条件を満たしているため、要件についてあまり気にする必要はありません。

ただし、リフォーム費用をはじめとする一部のローンには抵当権が設定されていないこともあります。自宅に抵当権が設定されているかは確認するようにしましょう。

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1-3.申立人名義の建物であること

住宅ローン特則を利用するためには、対象となる住宅の名義が本人名義(個人再生の申立をする人の名義)であることが必要です。

他人名義の住宅については住宅ローン特則の対象外です。

1-4.申立人の居住目的の建物であること

住宅ローン特則を利用するためには、対象となる住宅が申立人の居住目的の住宅であることが必要です。

例えば、賃貸運用を目的に購入した物件、別荘やオフィスなどの目的で購入した物件は、居住する目的の住宅ではないため、住宅ローン特則を利用することはできません。

なお、単身赴任等を理由に個人再生を申立しようとしている方が現在居住しておらず、配偶者や子が住んでいることが多々あります。このようなケースにおいては、将来(単身赴任終了後)本人が住むことを前提としているのであれば、住宅ローン特例を利用することができます。

1-5.床面積の半分以上が本人の住居であること

住宅ローン特例を利用するためには、対象となる住宅の床面積の半分以上が本人の居住用であることが必要です。床面積の半分以上が本人の住居用ではない場合には、住宅ローン特則を利用することはできません。

例えば、自宅の延べ床面積の半分以上をオフィスや店舗としてとして利用している場合、二世帯住宅で別世帯家族が建物の床面積の2分の1を超える部分を利用している場合、にはこの要件を満たさないため、住宅ローン特則を利用することはできません。

1-6.住宅ローン以外の抵当権がついていないこと

住宅ローン特則を利用するためには、住宅に住宅ローン以外の抵当権が設定されていないことが必要です。

例えば、住宅ローン以外の目的(事業資金等)で銀行から金銭の借入に行ない、本件金銭借入について抵当権が設定されている場合、原則として住宅ローン特則を利用することはできません。

これは、その借金を返せなくなった場合、抵当権の実行により住宅を処分せざるを得なくなる可能性があるためです。

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1-7.保証会社による代位弁済後、6ヶ月を経過していないこと

住宅ローンを滞納してしまうと、住宅ローン債権者は保証会社に対し請求を行ない、保証会社が住宅ローンの残債を弁済します(法律用語で「代位弁済」といいます)。

代位弁済がなされることで債権は保証会社に移転することになりますが、このときの債権の性質は住宅ローン(住宅資金貸付債権)ではなく、求償債権となります。そのため、住宅資金住宅ローンを対象に適用される住宅ローン特例は適用できなくなります。

なお、保証会社による代位弁済がなされたとしても、代位弁済日から起算して6ヶ月以内に住宅ローン特則付個人再生の申立てを行なうことができれば、いわゆる「巻き戻し」によりその性質を住宅ローンに戻すことができますので住宅ローン特則を利用することが可能です。すでに代位弁済がなされているのであれば、速やかに弁護士に相談し早めに手続きを始めましょう。

代位弁済の日から起算し6ヶ月を経過してしまっている場合は、巻き戻しをすることはできないので住宅ローン特則を利用することはできません。

1-8.税金の滞納がないこと

税金の滞納があると、自宅が差し押さえられる可能性があります。

現時点で住宅に税金の滞納による差押えがなされている場合、個人再生の申立をしてもこれを消すことはできません。また、現時点では差押えがなされていないとしても、個人再生を申し立てれば将来の差押えを防ぐことができるというものでもありません。

差し押さえがなされると強制的に売却されてしまう可能性もありますので、税金の滞納がある場合は住宅ローン特則を適用することはできないとされています。

1-9.管理費の滞納がないこと

分譲マンションを購入した場合、管理組合からマンション管理費を請求されることがほとんどです。マンション管理費には「先取特権」と呼ばれる住宅ローンよりも強力な請求権が設定されています。

管理費の滞納により先取特権が実行されるとマンションに住宅ローン以外の抵当権が設定されることとなりますので、住宅ローン特則が利用できなくなります。

1-10.その他注意事項

居住用の建物を複数所有している場合、そのうちの主として利用している建物1棟のみが住宅資金特別条項利用の対象となります。複数の建物に適用することはできません。

2.困ったら専門家に相談しましょう

以上が住宅ローン特則を利用するための要件となります。

住宅ローン特則を利用しての個人再生の申立を希望するのであれば、自身のおかれている状況を把握し弁護士にしっかりと相談しましょう。

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