持ち家を残して借金減額!個人再生の住宅ローン特則の適用条件

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弁護士 鈴木 翔太
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持ち家を残して借金減額!個人再生の住宅ローン特則の適用条件

個人再生は、借金を大きく減額することが可能な法的整理手続きです。この個人再生の大きなメリットとして、「持ち家(住宅)を残しながら法的整理が可能」という点があります。

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個人再生申立をする際に住宅ローン特則(住宅資金特別条項)の適用申請をしておけば、持ち家を残しながら負債を大きく減らすことが可能となるのですが、住宅資金特別条項の適用を受けるためにはいくつかの要件を満たしておく必要があります。

今回は、住宅ローン特則の適用を受けるための要件について説明いたします。

住宅ローン特則(住宅資金特別条項)とは、民事再生法第196条以下に規定される「住宅資金貸付債権に関する特則」のことです。

住宅資金特別条項の適用を受けるためには、下記1~9の要件を満たす必要があります。

1. 個人再生の申立要件を満たしている

住宅ローン特則は個人再生手続きに適用される制度です。したがって個人再生の申立要件を満たしていることが大前提となります。

個人再生の申立要件としては、以下のものが挙げられます。

  1. 再生手続開始原因があること
  2. 再生手続開始申立棄却事由がないこと
  3. 申立が適法であること
  4. 債務者が個人であること
  5. 収入要件を満たすこと(将来において継続的に又は反復して収入を得る見込みがあること)
  6. 再生債権額が5000万円を超えていないこと

個人再生手続きは、負債を所定の割合に圧縮し、3年~5年の期間で返済をしていく手続きです。従って、将来的に返済していくことが可能かどうかが重視されます。

毎月の家計において余剰がほとんど出ず将来的に返済を継続できないと判断される場合は、②の申立棄却事由に該当するため個人再生の申立はできません。収入が安定していない場合(⑤を満たさない場合)も継続した返済が困難と判断されるため申立てができません。

また、負債総額が5000万円を越えてしまった場合(⑥)は、個人再生ではなく通常の民事再生手続きとなるため住宅ローン特則の利用はできません。

2. 住宅ローンが住宅資金貸付債権である

住宅ローン特則は、「住宅資金貸付債権」に対して利用できます。住宅資金貸付債権とは、次の要件を満たす借金のことです。

  • 住宅の建設や購入、改良に必要な資金の貸付であること
  • 分割払いの定めのあること
  • 住宅に抵当権が設定されていること

新築マンションや建売住宅を購入する際に利用するローン(住宅ローン)は、ほぼ確実に住宅資金貸付債権の条件を満たしているため、あまり気にする必要はありません。

ただし、リフォーム費用をはじめとする一部のローンには抵当権が設定されていないこともあります。自宅に抵当権が設定されているかは確認するようにしましょう。

3. 本人名義の居住目的の建物である

住宅ローン特則が利用できるのは、本人名義の居住目的の建物のみです。名義が他人になっている住宅や、本人の居住目的ではない住宅には利用できません。

例えば賃貸運用を目的に購入した物件や、別荘やオフィスなどの目的で購入した物件は、住宅ローン特則の対象外です。

また、単身赴任等を理由に本人は現在居住しておらず配偶者や子が住んでいるケースが多々あります。このようなケースでは、将来的(単身赴任終了後)には本人も住むことを前提としているのであれば住宅ローン特例は利用することができます。

4. 床面積の半分以上が本人の住居である

床面積の半分以上が本人の住居でない場合は、住宅ローン特則を利用できません。

具体的には、自宅の延べ床面積の半分以上をオフィスや店舗としてとして利用している場合や、二世帯住宅で別世帯家族が建物の床面積の2分の1を超える部分を利用している場合には住宅ローン特則を利用することはできません。

5. 住宅ローン以外の抵当権がついていない

自宅に住宅ローン以外の抵当権が設定されていないことが必要です。

例えば住宅ローン以外の目的(事業資金等)で銀行から金銭の借入に行ない、本件金銭借入について抵当権が設定されている場合は、原則として住宅ローン特則を利用できません。住宅ローン以外の借金が返せなくなった場合、その借金の抵当権により自宅を処分せざるを得なくなることがあるからです。

6. 保証会社による代位弁済後6ヶ月を経過していない

所定期間の住宅ローンの滞納があると、住宅ローン債権者は保証会社に請求を行ない、保証会社が住宅ローンの残債を弁済します(代位弁済)。

代位弁済により債権は保証会社に移転しますが、このときの債権の性質は住宅ローンではありませんので住宅ローン特例は適用できなくなります。

ただし、代位弁済がなされたとしても、代位弁済日から起算して6ヶ月以内に住宅ローン特則付個人再生の申立てを行なうことができればいわゆる「巻き戻し」で性質を住宅ローンに戻すことができますので住宅ローン特則を利用することが可能です。

すでに代位弁済がなされているのであれば、速やかに弁護士に相談し早めに手続きを始めましょう。

逆に代位弁済の日から起算し6ヶ月を経過してしまっている場合は、住宅ローン特則を利用することはできません。

7. 税金の滞納がない

税金の滞納があると、自宅が差し押さえられる可能性があります。

税金の滞納による差し押さえは個人再生の申立をしても止めることはできません。差し押さえにより自宅が自分のものでなくなれば住宅ローン特則の条件を満たせなくなるうえ、強制的に売却されてしまう可能性もあります。

税金の滞納がある場合は、役所の窓口に相談してください。誠実な対応さえ取れば、役所側も親身になって滞納解消に協力してくれるでしょう。役所からの電話や督促状を無視するようなことだけはあってはなりません。

8. 管理費の滞納がない

マンションを購入した場合、マンション管理費をマンション管理組合から請求されることがほとんどです。管理費には「先取特権」と呼ばれる、住宅ローンよりも強力な請求権が設定されています。管理費の滞納により先取特権が実行されると、マンションに住宅ローン以外の抵当権が設定されることとなり、住宅ローン特則が利用できなくなります。

管理費の滞納がある場合は、管理組合と交渉し適切な対応を取る必要があります。一般的には、管理費の滞納を先に解消したり、滞納した管理費の分割払いを約束し、先取特権を実行しないということを約束してもらったりします。

9. その他補足事項

居住用の建物を複数所有している場合、そのうちの主として利用している建物1棟のみが住宅資金特別条項利用の対象となります。複数の建物に適用することはできません。

10. 最後に

以上が住宅ローン特則を利用するための要件です。

なお、処々のケースに応じて細かい部分が変わってきます。住宅ローン特則を利用しての個人再生の申立てを検討されるのであれば、自身のおかれている状況を把握し弁護士にしっかりと相談しましょう。

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