- 貸したお金を返済してもらえない
- 売掛金が支払われない
- 家賃の入金を確認できない
- 督促しても無視される
- 別の債権者も請求している様子がある
- 取引相手が破産しそう
回収できていない債権をそのまま放置してしまうことにメリットは一切なく、デメリットしかありません。
- 他の債権者が、先に相手の保有資産から回収をしてしまう
- 破産等の債務整理手続きで処理されてしまう
- 時効により消滅する
といった理由で回収する手立てがなくなってしまうからです。
回収する手立てがなくなった場合は、経済的損失を受け入れることしかできません。
今回の記事では、債権回収の方法について解説します。
1.債権回収の重要性
「債権」とは、「特定の人に、特定の行為や給付を請求することを内容とする権利」です。
この記事では「他者から自分に対してお金を払ってもらう権利」が「債権」となります。
知人にお金を貸している場合は、「知人に対して貸したお金を返してもらう」という債権を有していることになります。
また、取引先から支払われていない売掛金があるのであれば「取引先に売掛金を支払ってもらう」という債権を有していることになります。
「知人が貸したお金をいつまでたっても返してくれない」「取引先が支払期日を過ぎても売掛金を支払ってくれない」「督促しても無視される」ということであれば、自ら債権の取立に動くべきです。
債権を支払わない相手方(「債務者」といいます)は、資金面で窮地に陥っている可能性があります。
このような状況において、積極的な債権者は、先に債務者の資産を換価して回収したり土地などに担保権を設定するなどして債務者の財産から優先して回収を図ろうとします。債権回収は基本的に早い者勝ちのシステムなので、いざ自分が請求しようとした段階では資産が残っていないということも多々あります。
また、時間が経つと、債務者の財務状況がどんどん悪化して、破産されてしまう可能性もあります。
破産手続きに入られてしまうと、配当率は5%以下になるのが通常であり(ほとんどは0%)、法的に以後一切の請求ができなくなることから、デメリットしかありません。
債務者が滞納した時点で、早めに債権回収に取り組んでおくべきです。

2.債権回収の方法

以下、具体的な債権回収の方法を紹介していきます。
2-1.口頭で確認する
相手が必要な入金をしない場合、まずは電話などの通信手段を用いて、入金が確認できていない旨を伝えましょう。
相手の手違いで入金されていないだけであれば、この時点で問題が解決します。
事情があって入金されていないのであれば、支払いをするように督促し、いつまでに支払いができるのかを確認します。
1~2週間以内などの近いうちに支払いをするというのであれば、それまで待ってあげるのも良いでしょう。
支払い時期が相当先になるケースや、いつ支払えるかが明らかにならない場合には、次のステップに進む必要があります。
2-2.内容証明郵便で督促する
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電話で督促しても相手が応じない場合やいつ支払えるのかを明らかにしない場合などには、内容証明郵便を使って未払金の請求書を送りましょう。
これにより、相手にプレッシャーがかかり、支払いに応じてくる可能性があります。
また、内容証明郵便を使うと証拠が残るので、後に裁判をするときなどにも「請求をした」事実を証明することができます。
督促状を送ったら、相手との間で話し合いをすすめ、支払いの約束をして「合意書」を作成しましょう。
このとき、弁護士名で内容証明郵便を送るとより強いプレッシャーを与えることができます。支払いが行われる可能性が高まるので効果的です。
2-3.少額訴訟を起こす
相手が支払いをしないとき、債権額が60万円以下であれば少額訴訟を利用すると効果的に債権回収できる可能性があります。
少額訴訟は、簡易裁判所に申立を行ないます。
少額訴訟は、判決までの手続きを1日で終えることができてスピーディに解決できますし、さほど難しい手続きではないので弁護士に代理を依頼しなくても進めることが可能です。

2-4.支払督促を申し立てる
金銭債権の回収方法としては、支払督促も有効です。
支払督促も、少額訴訟同様、簡易裁判所に申立を行ないます。
裁判所から送達された支払督促に対し、2週間以内に相手が異議を出さない場合、相手の資産に対して強制執行する権利が認められます。相手の預貯金や不動産などの資産内容を把握している場合には有効な対処方法となり得ます。

2-5-1.仮差押を申し立てる
債権額が大きい場合や支払督促をしても相手が異議を出してくる場合には、通常訴訟をしなければ解決できません。
ただし、訴訟には非常に長い時間がかかります。その間に相手が資産隠しする可能性も否めません。
従って、通常訴訟で解決を図ろうとする場合は、事前に仮差押の手続をとり相手が資産を処分できないようにしておきましょう。
仮差押は専門的な手続きです。また、相手に資産隠しの猶予を与えないようスピーディに行う必要があります。仮差押を検討されるのであれば専門家である弁護士に相談することを推奨いたします。

2-5-2.通常訴訟をする
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他の方法では債権回収が困難なケースでは、通常訴訟によって相手に支払いを求めるほかありません。
訴訟では主張する事実を証明しなければならないので、債権の存在と期限の到来を示す証拠が必要です。
きちんと法的な根拠を示して主張立証ができれば、裁判所が相手に対して支払い命令の判決を下します。相手が判決を無視して支払いをしない場合、相手の資産を差し押さえることも可能となります。
法的な根拠をしっかりと示して主張立証することが必要であること、仮差押えとワンセットであることを考えると、専門家である弁護士に対応してもらうのがベストです。
訴訟を検討しているということであれば弁護士に相談することを推奨いたします。
3.弁護士に依頼するメリット
以上が債権回収の手法となります。
効果的に回収するためには、専門家による早期の対応と的確な判断が必要です。不利益を避けるためにも、お困りの場合にはお早めに弁護士までご相談下さい。


