賃料滞納者への対応手順をステップごとに解説

監修者
弁護士 鈴木 翔太
弁護士 鈴木 翔太
弁護士法人鈴木総合法律事務所、代表弁護士の鈴木翔太です。
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賃料を滞納されたら、すぐに回収に取りかかるべきです。放っておくと滞納額が高額になり、賃借人としても「払うに払えない状態」になってしまいます。
最終的には裁判トラブルになり、財産調査や差し押さえをしなければならず、高額な明け渡し費用が発生する可能性もあります。

今回は賃料を滞納されたときになるべく早く、スムーズに回収するための手順を弁護士がお伝えします。

賃貸アパートやマンションなどの物件を運営しているオーナーさまは、ぜひ参考にしてみてください。

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賃料を滞納されたときの対応手順

入居者が賃料を滞納したら、以下の手順で回収を進めましょう。

① すぐに督促する
② 内容証明郵便で督促
③ 訪問する
④ 3ヶ月以上滞納されたら内容証明郵便で賃料請求と解除通知
⑤ 裁判を起こす
⑥ 差し押さえを行う

以下でそれぞれのステップについて解説します。

STEP1 すぐに督促する

賃料の入金期日を1日でもすぎたら、すぐに督促しましょう。
メールアドレスがわかっていたらメールを送信し、合わせて普通郵便で督促状を送ります。電話による督促も行うとよいでしょう。

重要なのは「すぐに」連絡することです。
滞納後、時間があくと借主としても「払わなくても文句を言われないのだ」と安心して、滞納が常態化してしまう可能性があります。
また、単なる払い忘れであれば、確認の連絡さえすればすぐに払われるケースが多数です。

毎月の入金状況をしっかり確認し、1日でも遅れたらすぐにメールや郵便、電話で督促してみてください。

STEP2 内容証明郵便で督促

電話や普通郵便、メールなどの方法で督促しても借主が賃料を払わない場合、内容証明郵便を使って督促状を送りましょう。内容証明郵便とは、郵便局や差出人のもとに控えが残るタイプの郵便です。特殊な書式になっていて「手渡し式」になるため、相手に強いプレッシャーを与える効果も期待できます。

内容証明郵便には、以下の事項を書き入れましょう。
① 滞納している金額
滞納期間中の賃料と合計額を書き、その金額を請求する旨記載します。
② 支払期限
いつまでに支払う必要があるのか、期限を明確にしましょう。通常、1週間~10日もあれば十分です。
③ 期限までに支払わない場合、訴訟などの法的措置を行うこと
支払期限までに入金を確認できない場合には、訴訟や差し押さえなどの強硬な法的措置をとることを付記しましょう。
④ 賃貸借契約解除の可能性があること
このまま賃料が支払われない場合、賃貸借契約を解除して退去請求する可能性もあると書き入れます。
⑤ 振込先
振込先の銀行口座を記す必要があります。銀行名、支店名、預金の種類、口座番号と名義人を、間違えずに記載しましょう。

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内容証明郵便を発送するときには「配達証明」のサービスも利用するようおすすめします。
配達証明とは、相手に郵便が届いた事実を郵便局が証明してくれるサービスです。
配達証明をつけておけば、相手がいつ受け取ったのかわかるので、相手が「請求されていない」と言い訳できなくなります。

■受け取り拒否された場合
内容証明郵便は手渡し式で、ポスト投函型ではありません。
相手が受け取らなければ、持戻されてしまいます。
もしも受け取り拒否されたら、同じ内容の文書を普通郵便で発送しましょう。

■弁護士に依頼する場合
内容証明郵便の発送や交渉を弁護士に任せると、相手も真剣に対応するケースが多く、回収できる可能性が高くなります。
弁護士に依頼する場合、内容証明郵便の名義人は弁護士になり、交渉も弁護士が行うので、ご本人が対応する必要はありません。
大家業で忙しい方や、確実に家賃を回収したい方は早期の段階で弁護士に依頼するとよいでしょう。

STEP3 訪問する

相手が賃料を払わない場合、現地を訪問して取り立てる方法も有効です。
大家が訪ねてきたら仕方なく払う人もいるので、相手が在宅していそうな時間を狙って訪ねてみてください。

STEP4 3ヶ月以上滞納したら、内容証明郵便で賃料請求と解除通知

賃料を3ヶ月分以上滞納されたら、賃貸借契約の解除も検討すべきです。
3ヶ月分以上滞納されたら賃貸借契約を解除できる
法律上、賃料をおおむね3ヶ月分以上滞納された場合には、債務不履行によって大家から解除できると考えられています。
また、3ヶ月も滞納する借主は今後も払う見込みが小さいといえますし、今回払われたとしても同様の滞納トラブルを繰り返すおそれが高いでしょう。
相手が不良な賃借人であれば、賃貸借契約を解除して退去させ、別の賃借人を入れた方が、大家にとってメリットも大きくなります。

賃貸借契約を解除するときには、内容証明郵便で「解除通知書」を送りましょう。解除通知書内で、滞納賃料の支払いを求めることも可能ですので、以下のような内容を記載してください。

①滞納賃料額を請求することと支払期限
これまでの滞納賃料額の合計と支払い期限を記載して、期限までに支払いを請求しましょう。

②期限までに支払いがない場合、契約を解除すること
期限までに支払いがない場合には、賃貸借契約を解除することを申し伝えます。

③支払いがない場合、訴訟を起こして立ち退きを求めること
賃貸借契約の解除後も任意に賃料を払わず立ち退きをしない場合、訴訟をおこして強制的に立ち退かせる可能性があること、滞納賃料については差し押さえを行うことを伝えましょう。

④入金先の口座
入金先の口座も忘れずに記載する必要があります。

■契約を解除しない場合
賃料を3ヶ月以上滞納されても、賃貸借契約を継続は可能です。
「もう少し様子をみたい」などの事情があれば、解除通知は送らず支払いの督促だけを行いましょう。

STEP5 裁判を起こす

内容証明郵便で請求しても相手が賃料を払わないときには、訴訟を起こしましょう。
賃料のみを請求するのか、賃貸借契約解除にもとづき明け渡しまで行うのかで、訴訟の種類が異なります。

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■賃料のみを請求する場合
賃料のみを請求する場合、「賃料請求訴訟」という金銭請求訴訟を起こします。
請求金額が60万円以下であれば、少額訴訟も利用できます。少額訴訟であれば審理の方法が簡略化されているので当事者が1人でも対応しやすく、1日で結審するので負担が軽くなります。

また滞納金額がいくらであっても、賃料請求だけなら「支払督促」を利用できます。
支払督促を申し立てた場合、相手が2週間以内に異議を申し立てなければ相手の給料、預金や車、保険などの資産をすぐに差し押さえられます。

なお少額訴訟や支払督促を申し立てた場合、相手が異議を出せば通常訴訟に移行します。

■明け渡し請求も行う場合
滞納賃料の請求と契約解除にもとづく明渡し請求の両方を行う場合には、地方裁判所で訴訟を起こし、建物明け渡しと賃料請求を行わねばなりません。
少額訴訟や支払督促は利用できず、必ず通常訴訟になります。
裁判で相手による賃料不払いの事実を立証できれば、明け渡し命令と賃料支払い命令を下してもらえます。
途中で話し合いができれば、和解によって訴訟を終わらせられる可能性もあります。

通常訴訟は極めて専門的で当事者が1人で対応するのは困難なので、必ず弁護士へ任せましょう。

STEP6 差し押さえを行う

訴訟で判決が出たら、相手に任意に賃料支払や明け渡しに応じるよう連絡してみてください。任意に支払われて退去してくれたら、差し押さえなどの強制執行は不要です。
相手が判決に従わないなら、強制執行を行わねばなりません。

滞納賃料については、以下のような相手の資産を差し押さえて回収しましょう。
・ 給料、ボーナス
・ 預金
・ 保険
・ 車
・ 株式、投資信託、債券
・ 不動産
・ 売掛金
・ 動産類

相手の財産の調べ方
相手の給料を差し押さえるには勤務先を特定しなければなりません。
預金を差し押さえるには取引先の金融機関を調査する必要があります。
相手方の勤務先や取引金融機関が不明な場合、財産開示手続きや第三者からの情報取得手続きを利用して調べられる可能性もあります。

・ 財産開示手続き…裁判所から相手方に対し、財産内容を開示するよう求める制度。相手が出頭しない場合や虚偽を述べた場合、懲役や罰金刑が科される可能性があります。
・ 第三者からの情報取得手続き…裁判所が市区町村役場や金融機関などへ情報紹介する手続き。相手方の勤務先や預金口座、所有不動産、株式や国債などの情報を調べられます。

相手方の資産状況がわからないと差し押さえはできません。お困りの場合には早めに弁護士へご相談ください。

明け渡しの断行
退去命令が出たのに相手が任意に立ち退かない場合、明け渡し断行の強制執行を行わねばなりません。地方裁判所の執行官へ申立をして事前準備を行い、現地へ行って相手を強制的に立ち退かせる手続きです。
判決が出たからといって、大家が勝手に借主の荷物を持ち出したり処分したりすると違法になる可能性があるので、必ず強制執行の手続きを利用しましょう。

また、明け渡しを終えても賃料が払われるわけではありません。相手が支払いをしない限り、給料や預金などの差し押さえを行って回収する必要があります。

2.弁護士に賃料回収を依頼するメリット

賃料を滞納されたとき、弁護士に依頼すると以下のようなメリットがあります。

1. 相手にプレッシャーをかけて回収の可能性が高まる

弁護士が督促してきたら、多くの人は強いプレッシャーを感じるものです。
大家や不動産管理業者が督促するよりも相手が誠実に対応し、訴訟前に賃料を回収できる可能性が高まります。

2. 労力と時間を削減できる

自分で相手に督促したり内容証明郵便を送ったりすると、多大な労力と時間が消費されてしまいます。多忙でなかなか請求手続きに取りかかれない方もおられるでしょう。
弁護士に一任すれば自分で対応しなくてよいので、労力と時間のコストを大きくカットできます。

3. ストレスがかからない

賃料を滞納した賃借人との交渉は非常にストレスのかかる作業です。
・ 相手が開き直って払わない
・ 連絡がとれない
・ 期日までに払うと言ったのに実際には入金しない
・ 相手が逆切れする、感情的になって話にならない
上記のような事情から、大家が精神的に追い詰められるケースも少なくありません。
弁護士に依頼すれば自分で対応しなくて良いので、ストレスもかからず、普段の仕事や大家業などに専念できます。

4. トラブルを最小限度に抑えられる

賃料滞納トラブルが大きくなると、しょっちゅうやり取りをしなければならず最終的に裁判になって、差し押さえまで行わねばなりません。
弁護士に依頼すれば、交渉段階で早期に家賃を回収できる可能性が高くなり、トラブルを最小限度に抑えられるメリットもあります。

家賃を滞納されたら早めに弁護士へ相談しましょう。
弁護士から相手に連絡を入れると意外とすんなり回収できるケースが多々あります。手間がかかって精神的に負担の大きな交渉も、弁護士までお任せください。

恵比寿の鈴木総合法律事務所は不動産関係や債権回収業務に力を入れて取り組んでいます。
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