自転車事故に遭ったときの対処方法

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弁護士 鈴木 翔太
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自転車事故に遭ったときの対処方法

最近ではウーバーイーツ(Uber eats)の利用者が増えている影響もあり、都内を始めとして自転車事故に巻き込まれる可能性が高くなっている状況です。

自転車事故を起こしたときや被害者になったときに備えて、正しい対処方法を押さえておきましょう。

今回は自転車で事故に遭った場合の対処方法を、加害者側と被害者側にわけて解説します。自転車を頻繁に利用する方は、是非参考にしてみてください。

 

1.ウーバーイーツ(Uber eats)で自転車事故が増えている!

ウーバーイーツ(Uber eats)の利用者が増えるに従って、自転車事故も増加傾向がみられます。

都内でも自転車の配達員による交通事故や交通違反が目立っており、大学生の配達員が自転車事故で死亡したり男性配達員が頭を骨折したりする事故が相次いでいます。

反対に配達員が加害者になるケースも多く、自転車に乗った配達員が歩行者と衝突し、ケガをさせる事故も全国で発生しています。

大阪では、ウーバーイーツの自転車配達員に衝突された女性(66)が、配達員とウーバーイーツの運営会社「ウーバー・ジャパン」に対し、「使用者責任」を主張して合計約250万円の損害賠償を求める裁判を起こしました。

ウーバーイーツは確かに便利です。しかし一方で、自転車事故の被害者や加害者になる危険性が増大しているといえるでしょう。

自転車事故の対処方法に関する知識は、これまで以上に重要になっているといえます。

参考サイト

 

2.自転車事故の被害者となった場合の対処方法

まずは自転車事故に衝突されて「被害者」となった場合の対処方法からみていきましょう。

自転車事故の場合でも、基本的にすべきことは自動車事故の場合と同じです。

 

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2-1.警察を呼ぶ

道を歩いていて自転車に衝突された場合、必ず警察を呼びましょう。加害者が通報しない場合には被害者の立場であっても110番通報してください。

2-2.相手や自転車の特徴を把握

次に、相手や相手の自転車の特徴を把握しましょう。色や形、大きさ、防犯登録番号などを記録してください。特に加害者が走り去ってしまった場合、警察に捜査してもらうには加害者の特徴を詳細に伝える必要があります。現場に目撃者がいたら、連絡先を聞いておきましょう。

2-3.加害者が自転車保険に入っているか確認

加害者が現場にいるなら、自転車保険に入っているかどうかを確認しましょう。入っているなら、どこの保険会社なのかも聞いてメモをとってください。

相手が自転車保険に入っていれば、治療費や慰謝料などの賠償金を保険会社が払ってくれます。補償を受けられないリスクはほとんどなくなるでしょう。示談交渉の相手も保険会社になるケースが多数です。

一方、自転車保険に入っていなければ、相手本人と示談交渉を進めなければなりません。きちんと支払ってもらえないリスクも高まります。

2-4.相手の連絡先を確認

相手の氏名、住所、連絡先をしっかり確認しましょう。特に相手が自転車保険に入っておらず本人と示談しなければならない場合、相手の連絡先がわからないと賠償請求できなくなってしまう可能性があります。

2-5.病院へ行く

救急搬送されない程度のケガであっても、必ずすぐに病院へ行ってください。病院で治療を受けないと、治療費や慰謝料を請求できないからです。

事故当時は思ってもみなかった後遺症が残るケースもあるので、軽く考えてはいけません。受傷内容に応じて、整形外科などのクリニックを受診してください。

2-6.治療を継続する

ケガが完治するか症状固定するまで、病院で治療を継続しましょう。

2-7.示談交渉をする

治療が終わったら、加害者と示談交渉を進めます。加害者が「示談代行サービス」つきの自転車保険に入っていれば、示談交渉の相手は自転車保険の担当者となります。

加害者が自転車保険に入っていない場合には、相手本人と話し合わなければなりません。その場合、示談の話を持ちかけても無視されたり「払えない」と開き直られたりして誠実に対応してもらえないケースが多々あります。1人で対処が難しければ弁護士に相談しましょう。

2-8.合意して賠償金の支払いを受ける

合意ができたら「示談書」を作成し、賠償金の支払いを受けましょう。

相手が自転車保険会社の場合、示談書が完成すると、速やかに賠償金が入金されます。

一方、相手が本人の場合、約束しても支払をしないケースが少なくありません。期日までに入金されるか、口座をチェックしましょう。入金されなかったらすぐに督促する必要があります。

3.自転車事故における示談交渉の注意点

自転車事故で示談交渉するときには、以下のようなトラブルが発生しやすいので注意が必要です。

3-1.相手が無視する

相手に賠償金を請求しても、無視して対応してもらえないケースや連絡がつかないパターンです。

そんなときには、まずは内容証明郵便で請求書を送付し、プレッシャーをかけましょう。それでも対応しない場合には、簡易裁判所や地方裁判所で「損害賠償請求訴訟」を提起するようお勧めします。損害が60万円以下なら少額訴訟を利用する方法もあります。

3-2.相手が「払えない」と開き直る

相手が「お金がないから払えない」と開き直るケースもあります。また「自分は悪くないから支払義務がない」と主張する人もいます。

相手とどうしても意見が一致しない場合には、やはり裁判するしかありません。弁護士に依頼して損害賠償請求訴訟を起こしましょう。

ただ、相手に本当に支払能力がない場合には、裁判をしても取り立てができない可能性もあります。事前に「裁判するメリットとデメリット」について、弁護士の意見をよく聞いてから決めると良いでしょう。

3-3.後遺障害認定の制度を利用できない

自転車と歩行者の事故では、「後遺障害認定」の制度を利用できません。被害者に後遺障害が残っても、「等級」をつけてもらったり「適切な賠償金の金額」を算定してもらったりできないのです。自分たちで「後遺障害慰謝料や逸失利益」の金額を決めなければなりません。

症状に応じた適切な後遺障害の賠償金を判断するには、法的な専門知識が必要です。自転車事故によって後遺症が残ってしまった場合には、早めに弁護士に相談しましょう。

 

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3-4.自賠責保険が適用されない

加害者が自動車やバイクであれば、加害者は必ず「自賠責保険」に加入しているものです。

本人が任意保険に加入しておらず支払能力が無くても、自賠責保険から「最低限の賠償金」は支払われます。治療費や休業損害、慰謝料が0円になることはありません。

しかし自転車には自賠責保険の制度がないので、加害者が支払わなければ本当に賠償金が0円になってしまうリスクがあります。

3-5.過失割合でトラブルになりやすい

自転車事故で加害者が自転車保険に入っていない場合、被害者と加害者が直接示談のやり取りを進めなければなりません。すると、お互いの過失割合について合意できず、トラブルになる可能性が高くなります。過失割合を決められない場合、裁判をして決定してもらうしかありません。

交通事故の過失割合については法的な基準があるので、適切な割合を確認したいときには弁護士に相談してみてください。

自転車事故の被害者は自動車事故以上に「泣き寝入り」のリスクが高くなるといえます。知識をもって自己防衛しましょう。

 

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4.自分の自動車保険を利用できるケースも

自転車事故の相手が自転車保険に入っておらず、賠償金の支払を受けられない場合でも、自分の保険を利用できる可能性があります。

まずは「自動車保険」の利用を検討してみてください。自動車保険の「人身傷害補償保険」は、自転車に乗車中や歩行中の事故にも適用されるケースが多くなっています。その場合、事故によって発生した治療費や休業損害、慰謝料などの支払を受けられます。

また「自転車保険」に入っている場合には、自転車保険の「傷害保険」を適用して治療費の支払を受けられる可能性があります。

さらに自転車保険以外の一般の「傷害保険」に加入していれば、そちらの保険から保険金が支給される可能性もあります。

自転車事故に遭ったら、まずは保険の加入状況を確認してみてください。

5.自転車事故の加害者となった場合の対処方法

次に自転車事故の「加害者」となってしまった場合の対処方法をみていきましょう。

5-1.必ず現場にとどまって被害者の救護をする

自転車事故であっても、加害者は自動車事故と同様の責任を負います。

必ず事故現場でけが人を救護しなければなりません(救護義務。道路交通法72条1項前段)。救護せずにその場を走り去ると、「ひき逃げ(救護義務違反)」となってします。自転車事故でもひき逃げは重い犯罪行為となってしまうので、絶対に逃げてはいけません。

はねてしまった相手に応急処置を行い、必要に応じて救急車を呼びましょう。

5-2.危険防止措置をとる

事故を起こした加害者は、事故現場の危険を防止する義務を負います(道路交通法72条1項前段)。自転車を脇に寄せて周囲に散らかったものを片付けましょう。

5-3.警察を呼ぶ

交通事故が発生したら、当事者は必ず警察に報告しなければなりません(道路交通法72条1項後段)。被害者がケガをしていない「物損事故」のケースでも警察への報告義務があります。

「たかが自転車事故」と思って警察を呼ばずに済ませてはなりません。必ず110番通報しましょう。

5-4.被害者と連絡先を交換する

被害者の氏名や住所、電話番号などを聞き、こちらの情報も同じように伝えましょう。今後示談交渉をする際などに、お互いの連絡先が必要になります。

5-5.自転車保険会社へ連絡する

自転車保険に入っている方は、必ず保険会社へ連絡を入れましょう。

保険が適用されたら、被害者への損害賠償金を保険会社が払ってくれます。示談代行サービスがついていたら、示談交渉も代わりに行ってくれるので加害者の負担が大きく軽減されるでしょう。

5-6.病院へ行く

自転車事故を起こすと、転倒などによって加害者もケガをする可能性があります。

必ず病院に行き、必要な検査や治療を受けましょう。

5-7.自転車事故の加害者へ適用される刑罰

自転車事故の加害者には、以下のような刑罰が適用される可能性があります。

過失傷害罪(刑法209条)

過失傷害罪は、通常一般の自転車事故で相手にケガをさせたときに成立する犯罪です。

刑罰は「30万円以下の罰金または科料」となっています。

親告罪なので、被害者が告訴しなければ処罰されません。

過失致死罪(刑法210条)

過失致死罪は、被害者を死亡させてしまったときに成立する犯罪です。

刑罰は「50万円以下の罰金刑」となります。

親告罪ではないので、被害者の遺族が告訴しなくても処罰される可能性があります。

重過失致死傷罪(刑法211条)

重大な過失によって人にケガをさせたり死亡させたりしたときに成立する犯罪です。飲酒運転、片手運転、暴走、ブレーキ不良、スマホを操作しながらの運転など、危険な方法で自転車を運転していたら、重過失傷害罪が成立する可能性があります。

刑罰は5年以下の懲役もしくは禁固、あるいは100万円以下の罰金刑となります。

救護義務違反(道路交通法72条1項前段)

自転車事故の加害者が事故現場で被害者を救護せずに走り去ると、救護義務違反として厳しく処罰されます。自転車事故の救護義務違反に適用される刑罰は「1年以下の懲役または10万円以下の罰金刑」です(道路交通法117条の5 第1項)。

まとめ

今の世の中、自転車事故は誰にとっても他人事ではありません。万一巻き込まれたときには、法律の専門家を頼りましょう。被害者であっても加害者であっても早めに弁護士へご相談ください。

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