駐車場内の交通事故に道路交通法が適用される?対処方法と過失割合を弁護士が解説

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弁護士 鈴木 翔太
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駐車場内で交通事故に巻き込まれたら、すぐに警察に通報すべきです。
「私有地だから警察に届け出る必要はないのでは?」と考える方もいますが、必ずしもそうともいえません。

また駐車場内の事故であっても損害賠償の話し合いをしなければなりませんし、刑事事件になる可能性もあります。

今回は駐車場内の交通事故に道路交通法が適用されるのか、事故に遭った場合の対処方法や過失割合について弁護士が解説します。

1.駐車場に道路交通法の適用はある?

駐車場内で交通事故が発生すると「道路交通法の適用があるかどうか」が問題となります。
道路交通法が適用されたら、警察へ通報しなければなりませんし被害者の救護義務や危険防止措置をとる義務も発生します。

一方、道路交通法の適用がなければそういった義務は発生しません。(ただし被害者を放置して逃げると不法行為責任が重くなる可能性はあります)

◆道路交通法が適用される交通事故とは
道路交通法が適用されるのは「道路法や道路運送法、自動車道や一般交通の用に供される場所で、車両や列車によって引き起こされた事故」です(道路交通法2条1項1号参照)。

「公道」で生じた事故は交通事故になりますが、純然たる私有地は対象外となる可能性があります。ただし私有地であっても「一般交通の用に供される場所」で事故が起こったら、交通事故になります。一般交通の用に供される、というのは「不特定多数の人が通行する」という意味です。

駐車場であっても、ショッピングセンターや飲食店、さまざまな車が出入りする立体駐車場やコインパーキングなどの場所には不特定多数の人が往来するので、道路交通法が適用される可能性が高いといえるでしょう。

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2.道路交通法が適用される場合の義務

道路交通法が適用される場合、車両の運転者や同乗者には以下のような義務が課されます。

2-1.警察への通報義務

事故を起こした当事者は、必ず警察へ報告しなければなりません(道路交通法72条1項後段)。人身事故だけではなく物損事故でも報告義務があり、報告しなかった場合には3ヶ月かの懲役または5万円以下の罰金刑が適用されます(道路交通法119条10号)。

2-2.被害者の救護義務、危険防止措置義務

事故現場にけが人がいたら、車両の運転者や同乗者は救護しなければなりません。
安全な場所へ移して応急処置をとり、必要に応じて救急車を呼びましょう。
また事故現場に散らかった金属片やガラスの破片などを片付けたり、車を脇に寄せたり後続車へ危険を知らせたりして、危険を回避すべき義務も負います(道路交通法72条1項前段)。

加害者(運転者)が救護義務等に違反して被害者を放置した場合、10年以下の懲役または100万円以下の罰金刑が科されます(道路交通法117条2項)。同乗者の場合は5年以下の懲役または50万円以下の罰金刑となります(道路交通法117条1項)。

物損事故で危険防止措置をとらなかった場合、1年以下の懲役または10万円以下の罰金刑が適用されます(道路交通法117条の5の1号)。

交通事故を起こしたとき、道路交通法に定められる義務を無視すると重大な刑罰を適用される可能性があるので、決して怠ってはなりません。

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3.駐車場内の交通事故に遭った場合の対処方法

駐車場内の交通事故に遭った場合、具体的にどのように対応すべきか流れを説明します。

3-1.必ず警察へ通報する

駐車場には道路交通法が適用される場所と適用されない場所があり、一般往来のない閉じられた私有地の駐車場には道路交通法が適用されません。
その場合、道路交通法による警察への通報義務はありません。

しかし実際に事故に遭ったら、どのような駐車場であっても警察へ通報するようおすすめします。
道路交通法が適用されるかどうかは個別的な判断が必要で、現場で簡単に判断できないからです。
「私有地だから通報しなくて良いだろう」と考えていても、実際には道路交通法が適用されて後に法律違反で処罰されてしまうリスクがあるのです。

自己判断で「通報は不要」と考えず、早めに110番通報しましょう。

3-2.緊急措置義務を果たす

被害者がケガをしていたら、必ず救護しましょう。
道路交通法が適用されるケースではもちろん、適用されない場合でも自分がケガをさせたなら救護すべきです。
放置すると刑事罰が重くなったり賠償金が高額になったりする可能性が高まります。
事故現場の危険防止措置もとりましょう。
被害者になった場合
自分が被害者となってケガをしてしまった場合には、相手や周囲の人に助けを求めましょう。誰も通報や救急車の要請をしてくれない場合、自分で連絡してもかまいません。

3-3.相手の連絡先や保険会社を確認

事故現場では、相手の連絡先と保険会社を確認すべきです。
特に駐車場の事故で道路交通法が適用されない場合、後に交通事故証明書が発行されない可能性があります。
交通事故証明書がないと相手の氏名、住所、連絡先や保険会社がわからなくなるおそれがあるので、必ずその場で情報交換しておきましょう。

3-4.実況見分に立ち会う

人身事故で警察が到着したら、事故現場で実況見分が開始されます。
実況見分の結果が記録された「実況見分調書」は、後に交通事故現場の状況を表す重要な証拠となるケースも多々あります。
実況見分に立ち会うときには、事故の状況を警察官へ正確に伝えましょう。

3-5.現場の状況を保存

事故現場の保存も行うべきです。
後に事故の相手方が自分の都合のいいように虚偽の主張をする可能性もありますし、駐車場内の事故では過失割合についての争いが生じるケースも多々あります。

車両や道路の写真、現場の全体写真などを撮影し、メモも残しておきましょう。

3-6.保険会社へ連絡

事故現場での対応が一段落したら、保険会社へ事故の報告をしてください。
駐車場の事故であっても保険会社は対応してくれます。保険金を受け取るためにも、保険会社への連絡は必須です。

3-7.通院

事故に遭ったらケガをしてしまうケースも多々あります。
現場では痛みなどの自覚症状がなくても、後に痛みやしびれなどの症状が強まってくる可能性があるので、早めに整形外科などの適切な診療科のクリニックへ行き、検査を受けましょう。

4.駐車場の交通事故に適用される保険

駐車場内で交通事故が起こると、「私有地だから」といって警察が対応してくれなかったり交通事故証明書も発行されなかったりするので「保険も適用されないのでは?」と不安を感じる方が少なくありません。
しかし駐車場内の事故にも自動車保険は適用されます。道路交通法が適用されるかどうかと保険の適用条件は無関係だからです。

相手の自賠責保険や任意保険会社へ保険金を請求できますし、自分の加入している保険会社の人身傷害補償保険や搭乗者傷害保険などの請求も可能です。

駐車場内の事故で交通事故証明書を用意できないのであれば、保険会社へその旨説明しましょう。
弁護士費用特約をつけている場合には弁護士に費用負担なしで相談や依頼ができるので、ぜひ活用してください。

5.駐車場内の交通事故の過失割合

駐車場内で交通事故が起こった場合、お互いの過失割合について争いが生じるケースがよくあります。
交通事故の適正な過失割合については、法的な基準があります。駐車場内の事故においても状況ごとの過失割合が定められているので、みてみましょう。

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5-1.通路が交差する場所での出会い頭接触事故

駐車場内の交差点やT字状の交差点で、車と車が出会い頭で接触した場合の交通事故の過失割合は、以下の通りです。直進や右左折などの向きは関係ありません。

基本の過失割合…50%:50%

ただし一方が明らかに狭い道路の場合、一時停止義務違反、通行方向標識を無視した場合などには、狭路車や違反車の過失割合が加算されます。

5-2.通路を進行する車と駐車区画から出ようとした車の接触事故

駐車場内の通路を進行している車と、駐車区画から出ようとした車が接触した場合の交通事故の過失割合は以下の通りです。

基本の過失割合…通路走行車:駐車区画から出ようとした車=30%:70%

ただし一方に酒気帯び運転や著しく不適切なハンドブレーキ操作、スマホをみながらの運転などの著しい過失や、酒酔い運転、無免許運転などの重過失があれば、過失のある過失割合が加算されます。

5-3.通路を進行する車と通路から駐車区画に入ろうとする車の接触事故

駐車場内の通路を走行している車と、通路から駐車区画内に入ろうとする車が接触した場合の過失割合は以下の通りです。

基本の過失割合…通路走行車:駐車区画内に入ろうとした車=80%:20%

ただし通路走行車が徐行しなかった場合、一方当事者に著しい過失や重過失があった場合には、過失割合が加算されます。

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5-4.駐車区画内にいた歩行者と車の接触事故

駐車区画内に歩行者がいて、駐車しようとした車に接触した場合の交通事故の過失割合を示します。

基本の過失割合…自動車:歩行者=90%:10%
ただし隣接区画で人の乗降があった場合、歩行者が子どもや高齢者、障害者だった場合、車に著しい過失や重過失があった場合には車の過失割合が加算されます。

5-5.通路上にいた歩行者と車の接触事故

通路上に人がいて、通路を走行してきた車と接触した場合の交通事故の過失割合は以下の通りです。

基本の過失割合…自動車:歩行者=90%:10%

ただし歩行者が急に飛び出した場合、歩行者の過失割合が加算されます。
一方、歩行者用の通路表示があった場合、歩行者が子どもや高齢者、障害者だった場合、車の側に著しい過失や重過失があった場合には車の過失割合が加算されます。

5-6.保険会社が50:50を提示してきた場合の対処方法

駐車場で交通事故が発生すると、保険会社が「駐車場内の事故の過失割合は50%:50%になります」といって、お互いに50%ずつとする案を提示してくるケースが多々あります。
ただ、上記でご紹介したように、駐車場内の事故だからといって必ずしも50%:50%になるとは限りません。
車同士の事故でも一方が駐車区画にいた場合には基本の過失割合が変わりますし、出会い頭の接触事故であっても、修正要素が適用されて数値が変わる可能性があります。

保険会社からの提案を鵜呑みにせず、適正な過失割合を確認すべきです。

5-7.正しい過失割合をあてはめる方法

駐車場内の交通事故で正しい過失割合をあてはめるには、まずは「適正な過失割合がどのくらいになるのか」調べなければなりません。
自分で確認するなら判例タイムズなどの本を買って調べる方法がありますが、素人の方では個別事情を適正に評価するのが難しくなりがちです。
弁護士であれば事故現場状況を適切に把握して、妥当な過失割合をあてはめられるので、迷ったときには相談してみてください。

6.駐車場の交通事故を弁護士に相談するメリット

6-1.道路交通法が適用されない場合でも適正に対処できる

駐車場内で事故が起こると、道路交通法が適用されないケースもあり、警察が対応してくれず交通事故証明書も発行されないため、困惑してしまう方が少なくありません。
そんなときでも弁護士に依頼すれば、相手の保険会社との示談交渉や後遺障害認定、自分が加入している保険会社の保険金請求などに適切に対応できます。

6-2.過失割合を適正にできる

駐車場内の事故に自分で対応すると、保険会社から「50%:50%」の過失割合を提示されてそのまま受諾してしまうケースが多数です。すぐには納得できず争っても、受け入れてもらえないので結局は妥協せざるを得ない方も少なくありません。
弁護士がつけば、適正に状況分析して修正要素をあてはめて、妥当な過失割合を適用できます。相手が嘘をついていても、ドライブレコーダーの画像を分析したり監視カメラを確認したりして、過失割合を適正なものにできる可能性があります。

6-3.賠償金額が上がる

弁護士が示談交渉を行う場合、被害者が自分で交渉するよりも大幅に賠償金がアップするケースが多々あります。
被害者が保険会社と交渉すると低額な保険会社基準で賠償金が計算されますが、弁護士の場合には高額な弁護士基準が適用されるからです。
特に後遺障害慰謝料は、弁護士基準で計算すると2~3倍になるケースが多く、弁護士基準と保険会社基準の差額が大きくなります。
被害者が自分で交渉すると損をしてしまう可能性があるので、適正かつ高額な賠償金を獲得するためにも弁護士へ依頼しましょう。

6-4.労力、ストレスがかからない

交通事故の示談交渉には多大な労力がかかりますし、知識を得るために調べ物をしたり保険会社とやり取りしたりすると膨大な時間もとられてしまいます。
保険会社から威圧的な態度をとられたり納得できない提示をされたりして、強いストレスを感じる方が少なくありません。

弁護士に依頼すると、弁護士が全面的に交渉を担当するので被害者には労力やストレスがかからないメリットがあります。大船に乗った気持ちで任せていれば賠償問題を解決できます。

東京・恵比寿の鈴木総合法律事務所は交通事故の被害者支援に力を入れております。弁護士費用特約を利用したご相談・受任も可能です。駐車場内の事故に遭われてお困りの方がおられましたら、まずはお気軽にご相談ください。

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弁護士 鈴木 翔太
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弁護士法人鈴木総合法律事務所、代表弁護士の鈴木翔太です。
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