子どもの認知とは?強制認知させる手順を弁護士が解説

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弁護士 鈴木 翔太
弁護士 鈴木 翔太
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未婚のまま子どもが生まれたら、法律上、子どもの父親は「不明」な状態です。

そのままでは養育費も請求できず、子どもは父親が死亡したときの遺産相続もできません。

婚姻していない父母から生まれた子どもと父親の親子関係を明らかにするには「認知」を成立させる必要があります。

認知にはいくつか方法があり、父親が拒否する場合でも強制認知させることができます。

今回は「子どもの認知」とはなにか、どういった場合に認知が必要になるのか、強制認知の方法も含めて解説します。

未婚で妊娠、出産された方や事実婚でお子様が生まれた方はぜひ参考にしてみてください。

1.子どもの認知とは

子どもの認知とは、父母が未婚の状態で生まれた子どもと父親の親子関係を法律的に明らかにする手続きです。

父母が婚姻中に生まれた子どもは、当然に「父母の子ども」と推定されます。これを「嫡出推定(ちゃくしゅつすいてい)」といい、嫡出推定される子どもを「嫡出子(ちゃくしゅつし)」といいます。婚姻中に子どもが生まれた場合、何の手続きも要せず子どもの戸籍に父親の名前が記載されます。

一方、父母が婚姻していない状態で子どもが生まれると「嫡出推定」がはたらきません。

母親は出産した本人なので生物学的に当然に明らかになりますが、父親は明らかでないので戸籍には父親の名前が記載されません。そのままでは「父親不明」の状態になってしまいます。

そこで父子関係を明らかにする手続きが「子どもの認知」です。

認知が成立すると、父母が未婚で生まれた子どもであっても戸籍に父親の名前が記載され、法律上も父子として扱われるようになります。

2.認知が必要なケース

嫡出推定がはたらかず、認知が必要なケースは以下のような場合です。

  • 父母が結婚しないまま子どもを出産した

交際中に女性が妊娠し、結婚しないまま出産したら認知しないと子どもは「父がいない」状態になります。

  • 内縁関係で子どもが生まれた

内縁関係(事実婚)で子どもが生まれた場合も嫡出推定ははたらかず、法律上の父子関係が明らかになりません。戸籍に記載されるのは母親のみであり、親権者も母親1人です。

法律上の父子関係を作るには、認知しなければなりません。

なお認知しても父親は子どもの親権者にならず、親権者は母親1人のままです。

認知が不要なケース

以下のような場合、認知は不要です。

  • 婚姻中の父母に子どもが生まれたが、離婚した

婚姻中に子どもが生まれた場合、その時点で嫡出推定がはたらいて父子関係が確認されます。その後離婚しても嫡出推定は消えないので、わざわざ認知する必要はありません。

  • 離婚後300日以内に子どもが生まれた

離婚後300日以内に子どもが生まれた場合、前夫との関係で嫡出推定が及びます。父母が婚姻していない状態であっても、生まれた子どもは「元夫の子ども」として戸籍に記載されるため、認知の必要はありません。

ただし前夫の子どもでない場合には、別途「嫡出否認の訴え」などの手続きをとる必要があります。

3.認知の効果

認知すると法律上、以下のような効果が発生します。

3-1.養育費の権利義務が発生

父子関係が明らかになっていない状態では父親は子どもの養育費を払う義務を負わず、家庭裁判所へ養育費調停を申し立てても受け付けてもらえません。

認知が成立すると、父親は子どもの養育費を払わねばならないので、母親は父親へ養育費を請求できる状態になります。

ただし認知しなくても当事者間の協議によって合意すれば、養育費の取り決めは可能です。

たとえば既婚の有名人が愛人に子どもを産ませてしまい、認知すると世間体が悪くなる場合などに稀にそういった例がみられます。

一般的には「認知させないと養育費を請求できない」と考えてよいでしょう。

3-2.遺産相続権が発生

認知されないまま父親が死亡すると、子どもは父親の遺産を相続できません。

たとえば内縁関係で認知しないまま夫が死亡すると、妻に遺産相続権が認められないばかりか子どもも遺産を相続できず、遺された家族は困ってしまうでしょう。内縁関係の夫婦は必ず遺言書を作成して配偶者へ遺産を遺贈するとともに、生前に子どもの認知をしておくべきです。

認知が成立すると子どもは父親の遺産相続権を取得します。

なお子どもが先に死亡したら、父親が子どもの遺産を相続する可能性もあります。

3-3.扶養義務が発生

親族は、互いに扶養義務を負います。

扶養義務とは、自力による生活が苦しい親族がいる場合に経済的な援助をすべき義務です。

親子は当然に扶養義務を負うので、父親の生活が苦しければ子どもは仕送りなどの支援をしなければなりませんし、子どもの生活が苦しくなったら親が子どもを助けなければなりません(民法877条1項)。

認知されていない場合、子どもと父親は相互に扶養義務を負いませんが認知が成立すると扶養義務が発生します。

認知すると将来、父親が生活に困窮した際には子どもへ扶養を求められる可能性があるといえます。

4.子どもの認知を成立させるべき?しない方がいい?

未婚のまま子どもが生まれたとき、認知を成立させるのとしないのとどちらが良いのでしょうか?

基本的には認知するようおすすめします。養育費を請求できない不利益もありますし、戸籍上子どもの父親が不明な状態では子どもがある程度大きくなったときに疑問を抱いたり「父に捨てられた」と受け止めたりする可能性があるからです。

内縁関係の場合など、父親が死亡しても子どもが遺産を相続できずに困ってしまうリスクも高まります。

父親が既婚者である場合などにはタイミングを伺うべきケースもありますが、基本的には早めに認知させましょう。

5.認知の種類

認知方法にはいくつかの種類があります。

父親の態度や認知のタイミングによってとるべき対応が異なるので、それぞれみていきましょう。

5-1.任意認知

任意認知は、父親が自ら子どもとの父子関係を認める認知方法です。

父親が役所へ行って「認知届」を提出すれば任意認知が成立します。

父親が自由意思で行う必要があるので、母親が希望しても父親が認知届を提出しなければ任意認知はできません。

妊娠中であっても任意認知は可能ですが、母親の承諾が必要です。これを胎児認知といいます。

子どもの成人後に任意認知する場合には、子ども本人の承諾が必要です。

5-2.強制認知

強制認知は、父親が任意に認知しないときに子どもの側から強制的に認知させる方法です。

子どもが未成年の場合、親権者である母親が代わりに認知請求を行います。

強制認知するには、家庭裁判所で「認知調停」や「認知の訴え」を申し立てなければなりません。

5-3.遺言認知

遺言認知とは、父親が遺言によって認知する方法です。

よくあるのは既婚者が妻以外の女性との子どもを作った場合です。生前に認知すると家族との間でトラブルになる可能性が高くなるので、死後に認知の効果を発生させるため遺言で認知します。

遺言認知するには、必ず「遺言執行者」を選任しなければなりません。

遺言書で遺言執行者が指定されていれば、その人が認知届けを提出して認知します。

遺言書で選任されていなければ相続人などの利害関係者の申立によって遺言執行者を選任し、認知手続きを行う必要があります。

5-4.死後の強制認知(死後認知)

父親が生前認知せず遺言認知もしなかった場合、死後に子どもの方から認知請求できます。

死後認知請求は強制認知の一種ですが、調停前置主義が適用されません。

父親は既に死亡していて話し合いができないからです。

死後認知請求をするときには、検察官を相手に認知の訴えを提起する必要があります。

DNA鑑定などによって父子関係が明らかになれば裁判所が認知の決定を出してくれて死後認知が成立します。すると、子どもは父親の遺産を相続できる状態になります。

6.父親が拒否する場合に認知させる手順と父子関係を証明する証拠

父親に子どもの認知をさせるには、以下の手順で進めましょう。それぞれのステップで必要な証拠についてもご説明します。

6-1.父親に任意認知するよう求める

まずは子どもの父親に連絡を入れて、任意認知するよう求めましょう。

相手を説得して認知届を提出させられたら、認知が成立します。

子どもが生まれる前でもかまいません。妊娠中の場合、母親が承諾すれば認知届を受け付けてもらえます。

この場合、特に父子関係の証拠は必要ありません。

6-2.認知調停を申し立てる

父親が認知に協力しない場合には、家庭裁判所で「認知調停」を申し立てましょう。

認知調停では、調停委員を介して父親と認知について話し合います。

DNA鑑定などを行って父子関係が確認され、相手が納得すれば審判によって認知が成立します。

審判書と確定証明書を役所へ持参すれば、相手が認知届を提出しなくても戸籍に父親名を書き込んでもらえて父子関係を明らかにできます。

認知調停の申立方法、必要書類、費用

認知調停は、父親の住所地の家庭裁判所へ申し立てます。

必要書類は子どもの戸籍謄本と父親の戸籍謄本です。

費用としては、収入印紙1200円分と連絡用の郵便切手を用意する必要があります。

調停前置主義について

認知の訴えには「調停前置主義」が適用されます。調停前置主義とは、「いきなり裁判はできず、まずは調停で話し合わねばならない」という決まりです。

父親が調停で合意しそうにない場合でも、まずは認知調停を申し立てなければなりません。

認知の訴えは調停が不成立になった後にしか提起できないので注意しましょう。

調停が不成立になる場合

認知調停が成立するには、相手の合意が必要です。相手が納得しないと調停は不成立となり、父子関係は確認されません。

また家庭裁判所から呼び出しをしても父親が連続して不出頭になる場合にも、調停では解決が難しく不成立になります。

6-3.認知の訴えを提起する

認知調停が不成立になってしまった場合には、家庭裁判所で認知の訴えを提起しましょう。

認知の訴えは訴訟の一種であり、父子関係を証明できれば裁判所が判決で認知を認めてくれます。

父子関係を証明する証拠

裁判所に認知を認めてもらうには、父子関係を証明しなければなりません。

一般的には父子のDNA鑑定を行い、鑑定結果にもとづいて父子関係が判断されます。

父親がDNA鑑定に協力すれば、証明は難しくありません。

子どもを妊娠した当時の父母の交際状況など、補足できる資料もあれば提出しましょう。

一方、父親がDNA鑑定に協力しないケースでは、鑑定書を用意できません。

父親側の親族(兄弟姉妹や親など)の協力を得られるなら、親族と子どものDNA鑑定を行って父子関係を認定できる可能性があります。

また母親の陳述書や母親への尋問、父母の交際状況がわかる資料の提出などによって父子関係を証明する方法もあります。

父親がDNA鑑定に協力しなくても諦める必要はないので、弁護士までご相談ください。

7.認知の期限

父親の生前であれば、認知に期限はありません。

父親の死後に子どもの側から死後認知請求する場合には「死後3年間」の期間制限が及びます。死後3年が経過してしまったら、もはや認知を成立させられず子どもは遺産相続できないままになってしまうリスクが高くなるので、早めに対応しましょう。

8.子どもの認知に関するお悩みは弁護士へご相談ください

  •  未婚のまま子どもが生まれた
  •  内縁関係で子どもができて父親が認知してくれない

そのまま放置していると養育費も受け取れず、遺産相続もできません。不利益が大きくなってしまうので、できるだけ早めに認知請求を行って法律上の父子関係を明らかにすべきです。

母親が認知請求すると無視する父親でも、弁護士が代理人となって認知を求めると認知届の提出に応じるケースが少なくありません。それでも無視や拒否をされる場合、弁護士が認知調停や認知の訴えを代理で進めます。

弁護士に認知手続きを依頼するとご自身で対応するよりスムーズに認知を実現できますし、ストレスも低減できるでしょう。

子どもの認知についてのお悩みがありましたら、まずはお気軽に恵比寿の鈴木総合法律事務所までご相談ください。

 

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