【これってDVかもと思ったら…】離婚し、生活費や慰謝料を請求する方法

監修者
弁護士 鈴木 翔太
弁護士 鈴木 翔太
弁護士法人鈴木総合法律事務所、代表弁護士の鈴木翔太です。
弊所では、弁護士の応対に対して99.02%の方からご満足の声を頂いており、98.53%の方から、お知り合いに紹介したいとの声を頂いております。
まずはお気軽にお問い合わせください。
【これってDVかもと思ったら…】離婚し、生活費や慰謝料を請求する方法

DV(ドメスティック・バイオレンス)と聞くと、ほとんどの方は殴る・蹴るなどの身体的暴力を思い浮かべるでしょう。しかし、DVにはさまざまな種類があります。本記事ではDVにはどのような種類があるのかを紹介しながら、DVを理由に離婚する方法も解説します。

配偶者から別居中の生活費を受け取る方法や、DVによる慰謝料の相場もお伝えするので、ぜひ参考にしてください。

【この記事がおすすめな方】

  • 配偶者からDVを受けている方
  • DVを受けているとまでは思わないが、家にいるのが何となく辛い方
  • DVが原因で離婚したいが、その後の生活への不安で行動を起こせない方

一般的にDVというと、身体的な暴力を思い浮かべる方が多いでしょう。しかし、身体的暴力のほかにも、DVにはさまざまな種類があります。かなり酷いDVを受けながらも、自分がDVを受けていると自覚できない方も多いです。

仮にDVを受けていると自覚できても、その後の生活や子どものことを考えて、離婚や別居に踏み切れない方もいるでしょう。

そこで今回はDVを理由に離婚する方法や、別居中の生活費を相手から受け取る方法、DVによる慰謝料の相場などを解説します。

DVは配偶者や子どもの人権を侵害し、自分の思い通りに相手を動かそうとする卑劣な行為です。DVのある家庭に居続けると、自分自身、そして子どもの将来にも大きな影を落とすことになるでしょう。本記事がDVを受けている方の役に立ち、日本からDVを減らす一助になれば幸いです。

 

「モラハラ夫」への対処方法を弁護士が解説【離婚・慰謝料請求】
「モラハラ夫」への対処方法を弁護士が解説【離婚・慰謝料請求】夫がモラハラ行為を繰り返すと、妻は精神的に追い詰められてしまうものです。日常的に侮辱され続けたために妻が無感情となり「夫婦関係が異常にな...
弁護士相談はこちら
弁護士法人鈴木総合法律事務所では、初回無料相談を受け付けております。
まずはお気軽にお問い合わせください。

そもそもDV(ドメスティックバイオレンス)とは?

DV(ドメスティック・バイオレンス)とは、配偶者もしくは事実婚のパートナーによるあらゆる暴力・支配のことです。

一般的には殴る・蹴るなどの暴力がDVとされていますが、暴力はあくまでも相手を自分の思い通りに動かす(支配する)ための手段にすぎません。たとえ身体的な暴力がなくても、家庭内での「モラハラ」があれば、それはDVです。

なお、事実婚を含めた婚姻関係にないDVは「デートDV」と呼ばれています。本記事では婚姻関係にあるDVで慰謝料を請求し、離婚する方法を解説しますが、デートDVでも慰謝料を請求することは可能です。

「自分はデートDVを受けているかも」と思ったら、地域の相談窓口や、男女問題に強い弁護士に相談することをおすすめします。

DVは刑事罰に問われる犯罪

まず、DVは罰則を伴うれっきとした犯罪であることを知ってください。2007年7月に公布された「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(DV防止法)」では、DVの加害者は1年以下の懲役または100万円以下の罰金刑に処される可能性があります。

また、DVは暴行罪や傷害罪、強制性交等罪などのさまざまな犯罪を伴うものです。DVを受けているということは、DV防止法違反をはじめとするさまざまな犯罪の被害に遭っているということでもあるのです。

DVは法律上の離婚原因として認められている

DVは相手の人格を無視した行為であり、法律にも問われる犯罪行為です。もちろん、法律上の離婚原因としても認められていて、民法が定める「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」に該当します。

DVで離婚した場合の慰謝料相場

DVが原因で離婚した場合、被害者は加害者に対して慰謝料を請求できます。慰謝料の金額はDVの内容や期間にもよりますが、50万~200万円ほどが相場です。

なお、不貞行為もDVやモラハラの一種として考えられているものです。離婚せずにDVの慰謝料を請求することは難しいですが、不貞行為があった場合は離婚せずとも慰謝料を請求できる可能性があります。

不貞行為があった場合は慰謝料が高くなりやすく、300万円を超えることもあります。

日本はDVへの認識が甘い国

お伝えしたようにDVはれっきとした犯罪行為であり、加害者が逮捕される可能性もあれば、被害者は慰謝料を請求することもできます。

しかし、日本はDV防止法こそあれど、DVへの認識が甘い国だと言わざるを得ません。

例えば、DVに対して最も先進的な国であるアメリカではDV行為が明らかになれば、まず通報されるでしょう。加害者はそのまま逮捕され、裁判にかけられます。

裁判では罰金や禁固刑のほか、加害者に対して保護命令が言い渡されたり、DV加害者更生プログラム(加害者が2度とDVをしないように訓練する、全52回のプログラム)への参加が義務付けられたりします。

一方、日本ではDVで逮捕されたとしても、拘留期間はせいぜい3日ほどです。保護命令や更生プログラムへの参加を言い渡されることはほぼなく、戻ってきた加害者が逆上し、DVが悪化するケースも後を経ちません。

また、「自分はDVを受けているのではないか?」と思った被害者が周りに相談したとしても、「どの家もそんなものだ」「重くとらえすぎじゃない?」などと取り合ってもらえないケースがほとんどです。

DVを受けているかもと思ったら、まずはきちんとした知識のある、地域の相談窓口に連絡してください。

DVには6つの種類がある

多くの人は、DVは「家庭内で起こる身体的暴力」のことだと思っているでしょう。しかし、DVには身体的暴力のほかにもさまざまな種類があります。かなり巧妙に行われるDVもあり、被害者が「自分はDVを受けている」と自覚できないケースも多いです。

次からは、主なDVを6種類紹介します。配偶者の態度や行動に漠然とした違和感がある方は、身体的暴力以外のDVを受けているかもしれません。当てはまるものがないかチェックしながら、読み進めてみてください。

身体的DV

日本でDVと聞いて、一般的に思い浮かべられるのが身体的DVでしょう。殴る蹴るなどの暴行、物を投げつけてケガをさせたり、髪の毛を引っ張ったり首を絞めたりするなどが当てはまります。

ほかにも、「包丁を突きつけて脅す」「ケガをしているのに病院に行かせない」などの行為も身体的DVです。

精神的DV

精神的DVは無視をしたり、大声で怒鳴ったりするような行為です。ほかにもあからさまに不機嫌になってみせる、物に当たるなどの行為があります。いわゆる「いじめ」のようなものだと考えると、わかりやすいかもしれません。

なお、精神的DVによりPTSD(心的外傷後ストレス障害)をはじめとする精神障害を発症した場合、加害者を傷害罪に問うこともできます。

性的DV

いわゆる性的暴力もDVの一種です。簡単に言えば、夫婦間であっても性行為を強要したら、それは性的DVです。ほかにも、中絶の強要や避妊に協力しないこと、ポルノを見ることを強要するなどがあります。

なお、不貞行為をしている人が、ほかの異性との関係を配偶者に認めさせるのも性的DVにあたります。

経済的DV

配偶者を経済的に困らせる行為もDVにあたります。具体的には(収入はたくさんあるのに)十分な生活費を渡さなかったり、家計を必要以上に厳しく管理したり、配偶者のお金に手を付けたりなどの行為が経済的DVです。

経済的DVでは、相手に仕事を辞めさせたり、働かせないようにしたりすることもあります。これらは相手から収入源(=生活力)を奪い、自分の下から逃げられないようにする卑劣な行為です。

社会的DV

社会的DVは、配偶者の交友関係や家族関係を監視したり、制限したりする行為です。相手の社会的なつながりを断ち、孤立させることで、逃げ場をなくしていきます。

日本では「恋人や夫婦は互いのことを最優先にするもの」「相手を独占したいと考えるのは愛が深いからだ」などの考え方が蔓延しており、そのような内容の歌や映画が流行ることも多いです。日本において、社会的DVは特に根深い問題かもしれません。

子どもを使ったDV

DVの中で最も卑劣といっても過言ではないのが、子どもを使ったDVです。子どもに配偶者の悪口を吹き込んだり、育児や教育に関わらせなかったりするケースがよく見られ、DVであると気付かないことも多いです。

このケースでは子どもに暴力が及ぶこともあります。仮にそうならなくとも、子どもにDVを見せたり巻き込んだりするのは、れっきとした虐待です。子どもを使ったDVは配偶者だけでなく、子どもの心にも深刻な傷を残します。現に、DV加害者の約7割が、DVのある家庭で育ったこともわかっています。

【5ステップ】DVによる離婚を進める方法

お伝えしたように、DVは法律上の離婚原因として認められていますし、相手に慰謝料を請求することも可能です。

しかし、DVを受け続けた多くの方は、心身ともに疲れ切っているでしょう。そんな中で、離婚や慰謝料請求の手続きを進めるのは大変です。配偶者が怖くて、最初の一歩を踏み出せない方もいるでしょう。

次からは、DVによる離婚を進める方法を、5つのステップに分けて解説します。これ以上、配偶者に自分や子どもの人権を侵害させてはいけません。心を奮い立たせて、なるべく早めに行動を起こしてください。

Step1.加害者から逃げる

DVで離婚する・しないの前に、まずは一刻も早く加害者から逃げてください。話し合いをしても、相手のDVは止まりません。一時的には収まるかもしれませんが、少し時間が経てば、ほぼ確実に再びDVが始まります。

「お金がなくて逃げられない」という方は、実家や友人を頼れるなら彼らの家へ、頼れる人がいないなら「DVシェルター」を活用してください。

DVシェルターとは、DVの被害者を加害者から隔離するための保護施設です。加害者に自分の居場所が知られることなく、子どもも一緒に匿ってもらえます。

まずは「DVシェルター」「DV 〇〇県」などと検索し、地域の相談窓口に電話をしてみましょう。ただし、検索や電話の履歴は残らないようにするか削除して、調べたり電話したりしたことを相手に悟られないようにしてください。

なお、逃げるときに警察を頼るのはおすすめできません。たとえ警察官でも、DVへの認識がしっかりしている人はそういません。諭されて家に帰されるだけならまだマシで、配偶者に逃げ出してきたことを話されては、DVはより酷くなるでしょう。

Step2.証拠を集める

離婚調停をしたり、慰謝料を請求したりするためには、DVの証拠を集めなければなりません。また、離婚するときの財産分与に関する証拠も集められるのがベストです。

DVや財産の証拠としては、次のようなものが挙げられます。

【DVの証拠】

DVを受けているときの録音
手書きのメモや送られてきたメール、LINE
今まで受けてきたDVの内容とだいたいの日時 など

【財産の証拠】

配偶者名義の通帳
給与明細や確定申告書
不動産登記簿(不動産を所有している場合)
証券口座の明細
保険証券 など

「今すぐ逃げたいけど、DVの十分な証拠を集められていない」という場合も、なるべく早く逃げ出してください。メールやLINEのメッセージはスマートフォンがあれば確認できます。今まで受けてきたDVの内容とだいたいの日時を箇条書きにするだけでも、数が揃えば十分な証拠となります。

DVを受けているときの録音は、たしかに証拠として強力ですが、録音していることが相手にバレるリスクもあるでしょう。もしも録音をするなら、絶対にバレないよう、慎重に行ってください。

財産の証拠は、先述の書類をコピーしたり、写真に撮ったりして手早く集めましょう。相手が仕事などに行っている間に証拠を集め、触ったものは元の位置に戻して、相手に悟られないようにします。なかなか見つけられないなら、もう少しだけ家に留まり、数日に分けて探してみるのもいいでしょう。

なお、財産の証拠となる書類がどこにあるのか相手に聞いたり、離婚を考えているのを伝えたりするのは避けてください。財産を隠すことはそこまで難しくありません。財産を隠したことが後からわかっても、相手を刑事罰に問うことはできませんし、離婚成立から2年が経過すると、再度の財産分与請求はできなくなります。

Step3.婚姻費用と離婚の調停を申し立てる

加害者の下から逃げて、生活が落ち着いてきたら、「婚姻費用分担調停」と「離婚調停」を申し立てましょう。

婚姻費用分担調停とは、別居した相手に対して、月々の生活費を支払うように求める調停です。そもそも、家族の生活費は夫婦で負担しあう義務があります。別居した場合は、夫婦のうち収入が高い方が、収入の低い方に生活費を支払わなければなりません。

とはいえ、DV加害者が自らの意思で婚姻費用を払ってくれる可能性は低いです。そのため、調停で金額を決め、法的に有効な証拠を残したうえで請求することをおすすめします。

離婚調停とは、調停委員を交えて離婚の話し合いをすることです。調停で話し合いを進めれば、加害者と直接交渉せずに済むので、言いたいことをハッキリと伝えられるでしょう。

婚姻費用についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事もぜひお読みください。具体的な請求方法や、パターン別の受け取れる金額などを解説しています。

婚姻費用とは?配偶者のDVや虐待、不貞で別居を考えている方へ配偶者によるDVや虐待があり、一刻も早く家から逃げなければと考えている方。不貞行為により傷付き、相手と離れて頭を冷す時間が必要だと感じて...

Step4.弁護士を立てて交渉する

調停を申し立てる前に、弁護士を立てて相手と交渉することもできます。弁護士からの連絡なら、相手が真剣に対応する可能性も高くなります。わからないことや不安なことがあったときも、弁護士に相談できれば心強いでしょう。

また、弁護士に相談して「離婚公正証書」を作成するのもおすすめです。離婚後に相手が養育費を払ってもらえなくなっても、作成した公正証書に基づき、相手の給料や預貯金を差し押さえることもできます。

Step5.離婚訴訟を起こす

離婚調停が不成立になった場合、離婚訴訟を起こさなくてはなりません。

調停が成立せず、この段階まで進んでしまったら、弁護士への依頼はほぼ必須です。訴訟で離婚や慰謝料請求を認めてもらうには、DVや財産の証拠と、法律論に従った的確な主張をする必要があるからです。

どうやって証拠を集めればいいのか、どんなことを主張すればいいのかなど、弁護士と相談しながら訴訟の準備を進めましょう。

DVから逃げたいが、離婚は迷っているときの対処法

「DVからは逃げたいけど、離婚するかどうかはまだ迷っている」
「できることならDVをやめてもらって、もう一度関係をやりなおしたい」

最後に、そんな風に思っている方に向けて、離婚せずにDVのない家庭を取り戻す方法をお伝えします。ただ、DVを本当にやめさせるのは難しく、夫婦で長い茨の道を歩み続けることになるでしょう。この先は、そのことを念頭におきながら読み進めてください。

まず、現時点で離婚する意思がなかったとしても、加害者の下からは逃げてください。多くのDV被害者は洗脳状態に陥っていることと、別居せずにDVをやめさせるのはほぼ不可能なことが理由です。

長い間DVを受けていると、被害者は「自分に至らないところがあるからだ」と思うようになります。社会的DVにより世の中と隔絶され、家の中が世界のすべてになっているのならなおさらです。別居生活が続き、洗脳状態が解けてくれば、「やっぱり離婚したい」と思うかもしれません。

また、加害者は自分のDVを正当化しているので、よほどのことがなければ変わりません。話し合いで一時的に良くなっても、それは離婚や別居をされないようにするための「パフォーマンス」です。家を出ることは、相手が変わるための「精神的ショック」を与えるうえでも必要なことです。

ただ、離婚を迷っているのなら、DVをやめない限り家には戻らないことと、「DV加害者更生プログラム」の連絡先を記した置き手紙を残していきましょう。更生プログラムはDVをやめさせる、ほとんど唯一の手段です。2021年現在、日本で行われている更生プログラムの数は10未満ですが、リモート参加できるところも増えてきています。

その後は、離婚する場合と同じように、調停委員や弁護士を通して毅然とした対応を取りましょう。もちろん、婚姻費用も支払ってもらいます。更生プログラムに参加し続けることと、婚姻費用を支払い続けることは、被害者に対する責任です。加害者にとって、「DVをしない自分」に変わるための訓練にもなるでしょう。

DVを受けているならまずは逃げるか相談を!社会はあなたの味方です

DV被害者の多くは、自分がDVを受けていることを自覚できません。ニュースに取り上げられるようなDVは、被害者が亡くなったり、大きな後遺症が残ったりしたケースばかりです。ほとんどのケースでは、被害者は行動を起こす気力を奪われ、何もしないまま辛い毎日を過ごし続けることとなります。

そうならないために、まずは地域の相談窓口に連絡してみてください。公共の相談窓口なら無料で利用できますし、秘密も守られます。この先どうしていいのかわからないなら、対処方法も教えてもらいましょう。

相談し、最低限の準備を整えたら、なるべく早く加害者の下から逃げてください。離婚するかしないか、婚姻費用や慰謝料はどうするのかなどは、逃げてから考えても遅くありません。

なるほど六法を運営する「鈴木総合法律事務所」では、DVやモラハラ事案の解決サポートに積極的に取り組んでいます。初回相談は30分無料で、オンライン面談も可能なので、まずは気軽にご相談ください。

 

相談無料
そのお悩み、弁護士に相談してみませんか?
・ご相談者の満足度99.02%
・知り合いにも紹介したい方98.53%
相談しやすい雰囲気づくりを心掛け、満足度に自信ありの法律事務所です。
監修者
弁護士 鈴木 翔太
弁護士 鈴木 翔太
弁護士法人鈴木総合法律事務所、代表弁護士の鈴木翔太です。
弊所では、弁護士の応対に対して99.02%の方からご満足の声を頂いており、98.53%の方から、お知り合いに紹介したいとの声を頂いております。
まずはお気軽にお問い合わせください。