離婚時に定めておきたい6つのポイント

監修者
弁護士 鈴木 翔太
弁護士 鈴木 翔太
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法律上,離婚を成立させるには,夫婦が離婚に合意し,離婚届を作成・提出するだけで足ります(夫婦の間に子どもがいれば,親権者を決める必要があります)。

しかし、財産分与などをどうするか,といったことを取り決めておかないと、離婚が成立しても,後々,トラブルが発生するリスクが残ります。

今回は,離婚時に取り決めておきたい6つのポイントについて、弁護士が解説します。

離婚時に定めておくべき6つのポイントとは

離婚時に夫婦が話し合って取り決めておくべき事項は以下の6つです。

  • 財産分与
  • 慰謝料
  • 親権
  • 養育費
  • 年金分割
  • 面会交流

以下でそれぞれについてどのように決めれば良いのか、解説していきます。

1.財産分与

財産分与は夫婦が婚姻中に形成した共有財産を清算する手続きです。

婚姻生活の中でお互いが助け合って形成した財産を離婚時に分け合います。以下のようなものが財産分与の対象となります。

  • 預貯金
  • 生命保険
  • 株式
  • 投資信託
  • ゴルフ会員権
  • 不動産
  • 退職金
  • 絵画、時計、宝石など

退職金については必ず財産分与の対象になるとは限らず、対象外となる場合もあります。

また、独身時代から持っていた財産や、婚姻中に親や親族から相続したり贈与されたりしたものは財産分与の対象になりません。

財産分与の割合は、基本的に2分の1ずつです。夫の方が高収入、妻が専業主婦でも公平に2分の1ずつです。

離婚時に財産分与の取り決めをしなかった場合、離婚後2年以内に家庭裁判所で「財産分与調停」を申し立てれば,財産分与を求めることができます。

2.慰謝料

離婚時に一方当事者に「有責性」があれば慰謝料が発生します。有責性とは,「婚姻関係を破綻させた責任」です。たとえば、不倫や暴力、モラハラがあった場合や、生活費を支払わなかったり,家出して相手を見捨てた場合などに慰謝料が発生します。

慰謝料の金額はケースバイケースです。たとえば、不倫の場合、婚姻年数に応じて100~300万円程度の慰謝料が認めらることが多いです。

離婚時に慰謝料請求をするには,慰謝料の発生原因についての「証拠」が必要です。たとえば、相手が不倫をしていた場合、不倫の証拠がないと慰謝料請求が認められない可能性が高くなります。証拠の集め方や相場の金額がわからない場合には弁護士までご相談下さい。

離婚時に慰謝料について取り決めをしなかった場合、離婚後3年間であれば元のパートナーに慰謝料を請求できます。また、不倫相手に対しては「不倫の事実と不倫相手が誰かわかったとき」から3年間、慰謝料請求が可能です。相手方が支払わない場合には訴訟を起こして責任を追及することができます。

3.親権

未成年の子どもがいる夫婦の場合には、離婚時に親権者を決めなければなりません。

離婚後は父又は母のどちらかにしか親権が認められないので、
どちらも親権を希望する場合、熾烈な争いが発生するケースも少なくありません。

裁判所が親権者を決める基準は以下のようなものです。

  • これまでの養育実績
  • 現在の子どもとの関係
  • 現在の子どもとの同居の有無
  • 子どもの年齢
  • 今後,子どもと長い時間を共に過ごせるか
  • 面会交流への積極性
  • 健康状態
  • 居住環境
  • 経済状態

特に重要なのは「子どもの年齢」「現在の子どもとの同居の有無」という部分です。

離婚時に子どもと離れて暮らしている場合、親権を取得するのはかなり難しくなるため、親権を取得したいのであれば、別居時に子どもと離れてはいけません。

また、離婚後、できるだけ子どもと一緒に過ごすことができるような生活を整えるべきで

す。
離婚後、親権者の変更が認められるケースも中にはありますが、よほどの事情がない限り親権者は変更されません。子どもと一緒に暮らしたいなら、離婚時に親権を取得しておく必要があります。

4.養育費

子どもが未成年の場合、養育費についてもきちんと取り決めておきましょう。

養育費の金額は、家庭裁判所の定める「養育費の算定表」をもとに決めると良いでしょう。

裁判官が養育費を決めるときに採用している基準であり、夫婦それぞれの収入状況に応じて養育費の金額を算定できるようになっています。

※ 養育費・婚姻費用算定表について(説明)
(表1)養育費・子1人表(子0~14歳)
(表2)養育費・子1人表(子15歳以上)
(表3)養育費・子2人表(第1子及び第2子0~14歳)
(表4)養育費・子2人表(第1子15歳以上,第2子0~14歳)
(表5)養育費・子2人表(第1子及び第2子15歳以上)
(表6)養育費・子3人表(第1子,第2子及び第3子0~14歳)
(表7)養育費・子3人表(第1子15歳以上,第2子及び第3子0~14歳)
(表8)養育費・子3人表(第1子及び第2子15歳以上,第3子0~14歳)
(表9)養育費・子3人表(第1子,第2子及び第3子15歳以上)
(表10)婚姻費用・夫婦のみの表
(表11)婚姻費用・子1人表(子0~14歳)
(表12)婚姻費用・子1人表(子15歳以上)
(表13)婚姻費用・子2人表(第1子及び第2子0~14歳)
(表14)婚姻費用・子2人表(第1子15歳以上,第2子0~14歳)
(表15)婚姻費用・子2人表(第1子及び第2子15歳以上)
(表16)婚姻費用・子3人表(第1子,第2子及び第3子0~14歳)
(表17)婚姻費用・子3人表(第1子15歳以上,第2子及び第3子0~14歳)
(表18)婚姻費用・子3人表(第1子及び第2子15歳以上,第3子0~14歳)
(表19)婚姻費用・子3人表(第1子,第2子及び第3子15歳以上)

離婚時に養育費を取り決めなかった場合、子どもが成人するまでの間であればいつでも養育費を請求することができます。ただし,請求時からしか払ってもらえないので、未払いがあるのであれば,早めに養育費の請求をしましょう。

相手が任意に支払わない場合、家庭裁判所で養育費調停を申し立てましょう。

5.面会交流
面会交流は、子どもと一緒に暮らしていない親が,子どもと会うことです。たとえ一緒に暮らしていなくても,親には子どもと会って交流する権利が認められます。

ただし、離婚時に面会交流の約束をしておかないと,離婚後に子どもと会えない期間が長く続いてしまう可能性が高くなるので、他の離婚条件と共にきちんと定めておきましょう。

離婚時に決めることができなかった場合、子どもが成人するまでの間であれば家庭裁判所に面会交流調停を申し立てることが可能です。

 

6.年金分割

夫婦の双方またはどちらか一方が「会社員」や「公務員」の場合,「年金分割」ができます。

年金分割とは、婚姻中の保険料納付記録を夫婦が分け合う手続きです。年金が半額ずつになるわけではありません。

年金分割には「合意分割」と「3号分割」の2種類があります。

3号分割は、平成20年4月1日以降に,夫婦の一方が専業主婦などの「3号被保険者」であった婚姻期間についての年金分割です。相手の合意がなくても離婚後当事者が一人で申請可能で、割合は2分の1となります。

合意分割は,3号分割が認められる期間以外の期間についての年金分割です。合意分割の場合、相手の同意がないと年金分割ができず、割合も自由に決めることができます。ただし、離婚時に年金分割について決めなかった場合、離婚後に家庭裁判所で「年金分割調停」を申し立てることが可能です。調停が成立しなかった場合には,裁判所が2分の1の割合で審判を下すことが多いので、相手が合意しない場合でも,2分の1の年金分割を受けることができる可能性が高いです。

協議離婚でも適切に対応しておかないと後々のトラブルにつながります。対応に迷われたらお気軽に弁護士へご相談下さい。

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