留置場、拘置所、刑務所、少年鑑別所、少年院。刑事施設の違いについて解説

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弁護士 鈴木 翔太
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刑事事件を起こしたときに収容される施設には、留置場や拘置所、刑務所などの種類があります。少年(19歳以下の人)の場合には少年鑑別所や少年院に収容されるケースが多数です。

これらの刑事施設の違いはなんでしょうか?どのような場合に収容されるのか、どのくらいの期間収容されるのか、施設内での生活面はどうなのか、と観点から確認してみましょう。

今回の記事では、留置場と拘置所、刑務所、少年鑑別所、少年院(少年刑務所)といった刑事施設の違いについて解説します。

1.刑事施設について

刑事施設には大きく分けて下記の5種類があります。

  1. 留置場
  2. 拘置所
  3. 刑務所
  4. 少年鑑別所
  5. 少年院(少年刑務所)

2.留置場

まずは、留置場についてみてみましょう。

留置場は一般的な呼称であり、正式には「留置施設」と言います。今回の記事では、留置場と呼称します。

2-1.目的

留置場は、逮捕などによって身柄拘束をした被疑者が逃亡や証拠隠滅などをしないよう拘束する施設です。

留置場に収容されている期間は、被疑者は自宅に戻ったり会社や学校へ通ったりすることはできません。留置場で生活をすることとなります。

また、捜査官によって取り調べなどの捜査を受けることになります。

2-2.収容対象

留置場に収容されるのは、基本的に起訴前の被疑者です。

なお、刑罰が確定していない被疑者・被告人については、後述する拘置所に収容されるのですが、拘置所のキャパシティの問題で全員を収容することができません。そのため、代用刑事施設として留置場にて本来は拘置所で収容すべき被疑者も収容しています。

2-3.所在地

留置場は、全国の警察署内に設置されております。そのため、全国に多数存在します。

2-4.収容される期間

逮捕された被疑者が留置場に収容される期間は、最長で23日程度です。留置場で拘束されるのは起訴前の逮捕・勾留期間に限るというのが原則だからです。

被疑者が逮捕されると、最長で3日間逮捕され、その後最長で20日間勾留されます。23日を過ぎて被疑者勾留し続けることができないので、検察官はこの23日を満了日として起訴するか不起訴にするかを決定します。

起訴後は身柄が拘置所へ移送されるので、留置場に収容される期間は最大でも23日程度となるのです。

なお、別件で逮捕されて被疑者としての取り調べが続く場合などには、23日を超えて収容されることもあります。

2-5.面会

逮捕期間中は家族との面会もできませんが、勾留決定後は面会できるようになります。

ただし、家族など外部者との面会時間は10~20分程度で捜査官の立会もあります。自由に話せるわけではありません。

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また、接見禁止がついてい場合は、勾留に切り替わっても面会ができません。

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なお、弁護人による接見であれば、時間・回数などの制限が適用されず、何時間でも何回でも接見できます。接見禁止がついていても弁護人であれば接見可能です。

不当な取り扱いを受けた場合には弁護士を通じてクレームを出すこともできるので、留置場内で困ったことがあれば弁護人に相談すると良いでしょう。

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2-6.その他

留置場への収容は刑罰ではない

逮捕されて留置場に勾留されると、刑罰を受けているかのように感じる方もいるでしょう。しかし留置場での収容は刑罰ではありません。

留置場で拘束されるのは主に被疑者段階であり、刑事裁判より前です。有罪判決が確定しているわけではないので、収容されるのは刑罰ではありません。

留置場へ収容する目的はあくまで頭部や証拠隠滅などの不正行為を防止するためです。

なお、留置場では身体的な自由を奪われたうえで厳しい取り調べなどを受けなければならないので、実質的には刑罰に近いという批判もあります。

留置場での生活

逮捕された被疑者であっても人権は保障されるので、食事や睡眠時間はとらせてもらえます。入浴や休養などもある程度は認められます。

また、留置場内の生活は規則正しいものとなります。外で不規則・不健康的な生活を送っていた方の場合、留置場に収容されてかえって健康的になった、という場合もあります。

留置場は全国の警察署内にあり、その運用方法もまちまちですが、一般的なスケジュールは定まっております。以下、標準的な留置場内での1日の過ごし方をみてみましょう。

午前6時半:起床、清掃
午前7時半:朝食、運動
午前9時~:取り調べや実況見分立会、面会など
午後0時 :昼食
午後1時~:取り調べや実況見分立会、面会など
午後6時 :夕食
午後9時 :就寝

食事について

留置場内では朝食、昼食、夕食の1日3回の食事が提供されます。食事は警察が用意します。費用(食費)はかかりません。自費でお菓子などを購入することもできます。

3.拘置所

次に拘置所についてみてみましょう。

3-1.目的、収容対象

拘置所は、未決拘禁者(みけつこうきんしゃ)を収容するための施設です。

未決拘禁者とは、裁判が確定していない状態で身柄拘束を受けている人を意味します。具体的には被疑者や被告人が該当します。

拘置所には死刑囚もいる

死刑囚は拘置所に収容されます。死刑囚は、死刑が執行されるまでは刑罰を受けることにはならないためです。そのため、刑務所ではなく拘置所に収容されることとなります。

3-2.場所

拘置所は全国に8か所あります(東京、立川、大阪、京都、名古屋、神戸、広島、福岡)。

拘置所よりも規模の小さい拘置支所は、100か所ほど設置されています。拘置支所の多くは刑務所や少年刑務所の敷地内に存在します。

また、本来は、逮捕や起訴されて刑事裁判の判決が出ていない立場の人全員が拘置所に収容されなければならないのですが、拘置所や拘置支所の数が少ないため、被疑者や被告人全員を収容するのは困難となっているのが実情です。そのため、警察署内の留置場を拘置所の代わりに利用することもあります。

なお、起訴されて被告人の立場になった場合は、優先的に拘置所へ移送するのが原則的な取り扱いとなっています。

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3-3.収容される期間

拘置所に収容されるのは、起訴されてから刑事裁判が確定するまでの間です。

刑事裁判には2~3ヶ月はかかるケースが多いので、その期間は拘置所で過ごすことになるとお考え下さい。否認事件などの場合は、1年以上拘置所暮らしとなることもあります。

また、保釈された場合は、拘置所から出て外で生活することができます。起訴後すぐに保釈されれば、ほとんど拘置所で過ごさずに済むこととなります。

3-4.拘置所での生活

拘置所での生活は、留置場と同様に規則正しいものとなっています。食事や運動、入浴などの時間も用意されております。被告人だからといって不当な扱いを受けるわけではありません。

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4.刑務所とは

刑務所について確認してみましょう。

4-1.目的、収容対象、収容期間

刑務所は、刑事裁判で刑罰が確定した人が刑罰を受けるために収容される施設です。

自由刑とよばれる以下の刑罰が下されると、刑務所へ収監されます。自由刑には下記の3種類があります。

  • 懲役刑:30日以上身柄拘束され、強制労働をさせられる刑罰
  • 禁錮刑:30日以上身柄拘束される刑罰(強制労働は課せられない)
  • 拘留:29日以下の期間、身柄拘束される刑罰(強制労働は課せられない)

留置場や拘置所には、刑罰が確定していない未決拘禁者が収容されますが、刑務所の場合には刑罰の確定した人が収容されるので、この点が大きく異なります。

強制労働について

懲役刑を受けた人は強制労働を課されます。

禁固や拘留となった人には強制労働は課されませんが、希望すれば刑務作業として労働をしてもかまいません。

なお、未決拘禁者が収容される留置場や拘置所には、強制労働がそもそもありません。

4-2.場所

刑務所は全国に分散して設けられております。

4-3.刑務所内での生活

刑務所内での生活も非常に規則正しいものとなります。

留置場との違いは、取り調べ等を受けないことです。その代わり、懲役刑の場合には強制労働が課されます。禁固や拘留の場合は強制労働は課されませんが、時間を持て余すこととなるので労働を希望する方が多いようです。

5.少年鑑別所

少年鑑別所や少年院は、19歳以下の少年が犯罪行為をした場合や犯罪行為をしたと疑われる場合に収容される施設です。非行少年の場合にもこれらの施設に収容される可能性があります。

少年は可塑性が高く、適切な教育を受ければ成長とともに更生していける可能性が高いと考えられています。そこで、成人のように刑罰を与えて罰するのではなく、鑑別を行い更生に向けた支援の手を差し伸べるのが少年鑑別所及び少年院の役割です。

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まずは少年鑑別所について説明します。

5-1.目的

少年鑑別所は主に少年審判を受ける前の少年が収容される施設であり、少年の性格や社会的背景、非行に走った理由などの鑑別を行うための施設となります。

そのため、少年に矯正教育を施す少年院(後述)とは、その目的が大きく異なります。

5-2.場所

全国に52庁が設置されていて、法務省が管轄しています。

5-3.業務内容

少年鑑別所の業務は主に以下の3つです。

  • 専門知識と技術にもとづいて収容少年の鑑別を行う
  • 収容少年の情操の保護に配慮して、本人の特性に応じた観護を行う
  • 地域社会において非行や犯罪防止のための援助を行う

5-4.鑑別の種類

少年鑑別所の鑑別には、下記の4種類があります。

① 収容鑑別

少年鑑別所に少年の身柄を収容して行う鑑別です。家庭裁判所の審判を受ける可能性があり、少年鑑別所での観護が決定された少年に適用される鑑別方法です。

② 在宅鑑別

少年鑑別所で収容されず、在宅のまま行われる鑑別です。少年を少年鑑別所に来させて実施します。

③ 依頼鑑別

少年院や保護観察所、刑務所などからの依頼を受けて行われる鑑別です。

④ 一般鑑別

一般の市民や団体などから依頼があって行われる鑑別です。非行に関する調査だけではなく、性格やしつけ、生活指導なども行われるケースがあります。

5-5.収容される期間

少年が少年鑑別所で収容されるのは、家庭裁判所が観護措置を決定した場合です。

少年鑑別所に収容される期間は、基本的に2週間とされます。ただし収容期間は1回のみ更新可能であるので、最長で4週間(2週間と更新後の2週間)収容される可能性があります。

また、死刑や懲役、禁錮のある重大事件に及んだケースや、非行事実の認定のために証人尋問や精神鑑定などを行わねばならないケースでは、さらに2回の特別更新が可能とされています。

勾留に代わる観護措置

少年の場合、成人と違って勾留場所が少年鑑別所となるケースもあります。

勾留に代わって少年鑑別所に収容されることを「勾留に代わる観護措置」といいます。

勾留に代わる観護措置による少年鑑別所への収容期間は10日間です。成人の勾留と異なり、延長はできません。

5-6.生活

少年鑑別所内ではどういった生活になるのでしょうか?

少年鑑別所は罰を与える施設ではなく、少年を保護するための施設です。一般に思い浮かべるような厳しい処遇を受けるわけではありません。

少年鑑別所内では「単独室」という個室と、「集団室」という相部屋の2種類が用意されています。入所の際のオリエンテーションに応じて、各少年に部屋の割り振りが行われます。

また少年鑑別所内は、ジャージなどの施設側が用意した衣類を身につけるルールになっていて、私服では過ごしません。

食事は朝・昼・晩の3食が規則正しく提供され、起床や就寝時間も決められて規則正しい生活を送ることになります。

少年鑑別所内では、鑑別技官によって面接や心理検査、知能テストなどが実施されます。

それ以外の時間は勉強や読書などをしながら過ごす人が多数です。学校の勉強を熱心に行う少年も珍しくありません。

5-7.面会

少年鑑別所に収容されている場合、外部の人と自由に面会できるわけではありません。面会が認められるのは、以下のように一部の近い立場の人の身です。

  • 親や兄弟、祖父母や兄弟姉妹などの親族
  • 学校の教師や職場の雇用主など

面会できるのは、少年鑑別所が開いている平日の日中のみです。土日祝祭日や夜間には面会ができません。

また、1回の面会時間は15分程度に制限され、鑑別書の職員が立ち会います。なお、警察署の留置場や拘置所のように仕切板はなく、同じ空間で話ができます。

弁護士による面会

弁護士は「付添人」としての少年鑑別所内の少年と面会できます。

付添人による面会の場合、平日の日中に限らず閉庁時間であっても面会が認められます。また1回の面会の時間制限もなく、鑑別書職員の立ち会いもありません。

「少年と長い時間話したい」「安心感を与えたい」「少年審判の準備をしたい」といったケースでは弁護士を付添人に選任すると良いでしょう。

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6.少年院(少年刑務所)

さいごに少年院について確認しましょう。

6-1.目的、収容対象

少年院とは、家庭裁判所で少年審判が行われて「少年に矯正教育が必要」と認定されたときに少年を収容するための施設です。

少年院に来るのは、少年審判によって犯罪行為を行ったり非行を行ったりしたことが確定した少年です。

少年鑑別所に入っていても、後の少年審判で保護観察処分や不処分などとなった場合は少年院に行く必要はありません。

6-2.場所

少年院は全国に分散して設けられております。

6-3.収容期間

少年院に収容される期間は、少年審判において裁判所が決定します。事案によってさまざまですが、半年程度の場合もあれば2年近くの長期に及ぶ場合もあります。

6-4.生活

少年院でも非常に規則正しい生活が維持されます。起床や就寝の時刻は決められていて、食事も3回、定刻に支給されます。

少年院と刑務所との違い

少年院で行われるのは矯正のための教育です。また、少年院への収容は少年を保護するために行われるのであって、少年に刑罰を与えることを目的とするものではありません。

そのため、刑務所のように強制労働を課されることはありません。

7.まとめ

今回の記事では、留置場、拘置所、刑務所、少年鑑別所、少年院といった刑事施設について解説しました。

刑事事件になったとき、有罪を回避したりなるべく刑罰を軽くしたりして不利益を小さくするには、刑事弁護人の活動が重要です。少年事件の場合であれば、弁護士が付添人としてサポートすることができます。

自身や身内の刑事事件(加害者側)でお困りの場合にはお早めに恵比寿の鈴木総合法律事務所までご相談ください。

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