痴漢をしたことが会社に発覚したら、解雇されるのか?不利益を避ける方法を弁護士が解説

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弁護士 鈴木 翔太
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痴漢をしたことが会社に発覚したら、解雇されるのか?不利益を避ける方法を弁護士が解説

痴漢をして逮捕されたとき、そのことが会社に発覚したら解雇されてしまうのでしょうか?

会社員の方にとって、解雇されるか否かは死活問題です。

法律上は痴漢で逮捕された従業員をすぐに解雇できないことがほとんどですが、会社に痴漢を知られると解雇以外にもさまざまな不利益が及ぶリスクが高まります。

今回は痴漢をしたことが会社に発覚してしまったら解雇されるのか、解雇以外にどういったリスクがあるのか、不利益を回避するにはどうしたらいいのか弁護士が解説します。

痴漢で刑事事件になってしまった方やそのご家族の方はぜひ参考にしてみてください。

 

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1.痴漢で逮捕されただけでは解雇理由にならない

通勤電車の中などでついつい痴漢行為に及び、現行犯逮捕されてしまう会社員の方は少なくありません。

逮捕の事実を会社に知られたら「解雇されるのでは?」と心配になるでしょう。

法律上、痴漢で逮捕されただけでは解雇されません。逮捕された状態では「有罪」が確定していないからです。逮捕されてもその後「不起訴」になったら罪に問われません。起訴されても裁判で無罪になる可能性があります。

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2.痴漢で解雇されるパターン

ただし痴漢行為が原因で解雇されてしまう場合もあります。具体的にどういった状況になると解雇されるのか、みてみましょう。

2-1.長期の無断欠勤

多くの会社の就業規則では、「長期間にわたる無断欠勤」を懲戒事由と定めています。

およそ14日以上欠勤が続いて連絡をとれない場合には、懲戒解雇される可能性が高くなるでしょう。

痴漢で逮捕されるとその後20日以上、警察の留置場で身体拘束される可能性があります。

その間、会社に何の連絡も入れずに無断欠勤し続けると懲戒解雇されるリスクが高まるので、注意しなければなりません。

逮捕後すぐに釈放してもらえない場合、無断欠勤を避けるために家族や弁護士を通じて必ず会社と連絡をとりましょう。

2-2.有罪が確定して会社の信用を大きく毀損

痴漢で逮捕されただけでは罪を犯したことになりませんが、その後起訴されて有罪判決が出たら罪が確定してしまいます。

その場合、会社の懲戒規定によって解雇される可能性があります。多くの会社では「刑事事件で有罪判決を受けた」ことが懲戒事由と定められているためです。

ただし痴漢で有罪判決を受けたからといって必ずしも懲戒解雇が有効になるとは限りません。業務と全く関係のないプライベートな犯罪行為で会社にほとんど何の影響も及ぼさない場合、懲戒する理由がないからです。

以下のような場合であれば、懲戒解雇が無効になる可能性があります。

  • 中小企業の一般従業員が痴漢で有罪となった
  • 痴漢事件は特に報道もされず会社の信用にほぼ影響を及ぼさなかった

一方、以下のような事情があると痴漢による懲戒解雇が有効となる可能性があります。

  • 上場企業の管理職が痴漢事件を起こして大々的に報道され、会社の信用が大きく毀損された
  • 従業員の痴漢行為が周囲に広まり会社の取引や売上に悪影響が及んだ

痴漢によって有罪が確定しても必ず解雇できるわけではないので、もしも解雇を通告された場合には早めに弁護士に相談してみましょう。

3.痴漢で逮捕…解雇を無効にできる?

痴漢で逮捕されると、会社によっては罪が確定していなくても勇み足で解雇に踏み切ってしまう場合があります。事件による影響が小さく会社の信用が毀損されなかったのに懲戒解雇されたら「処分が重すぎる」として争える可能性もあるでしょう。

このように、会社が「解雇事由がないのに解雇すること」を一般に「不当解雇」といいます。

3-1.会社が従業員を懲戒解雇できる条件

会社が従業員を懲戒解雇するには、以下の条件を満たさねばなりません。

  • 就業規則に懲戒規定を定めている

そもそも就業規則に懲戒規定をもうけていなければ、解雇はできません。懲戒規定に定められている事由に該当しなければ解雇は無効になります。

  • 懲戒解雇に合理的な理由と相当性がある

懲戒解雇には合理的な理由と手段の相当性が求められます。痴漢行為にもとづく解雇が合理的かつ相当といえなければ懲戒解雇は無効になります。

  • 問題行動に対して解雇処分が重すぎない

会社には従業員を懲戒解雇する権利がありますが、その行使方法には制限があります。従業員の起こした問題行動に対し、懲戒処分が重すぎると解雇は無効になると考えましょう。

会社による解雇が上記の条件を満たしていなければ、懲戒解雇は不当解雇として無効になります。

3-2.不当解雇されたときの対処方法

不当解雇されてしまったら、以下の手順で対処しましょう。

解雇の無効を主張して従業員の地位を争う

不当解雇は無効です。会社から解雇通知が届いても、解雇が無効であれば「従業員としての立場」が維持されます。解雇に納得できないなら解雇の無効を主張して争いましょう。

労働審判や訴訟などによって「不当解雇」であると認められれば、従来通り勤務を続け給料やボーナスを受け取れます。

未払い賃金を要求する

解雇されると通常、その後の賃金は支払われません。

しかし不当解雇であれば本来賃金を払わねばならないので、「賃金不払い」の状態が発生します。

そこで不当解雇を主張して争う場合には、「解雇通知後の未払い賃金」をまとめて請求できます。

会社に不当解雇を主張する手順

会社に「不当解雇」を主張して争うには、交渉しなければなりません。

会社が納得しない場合には、労働審判や労働訴訟などの法的な対応が必要となります。

しかし痴漢容疑をかけられた状態で、自分で会社との交渉や労働審判を行うのは極めて大きな負担となるでしょう。

痴漢事件の被疑者となったときに会社に不当解雇を主張するなら、早めに弁護士に相談されるようお勧めします。弁護士に刑事弁護と労働関係の対応の両方を任せれば、被疑者ご本人の負担は大きく軽減されます。精神的にも落ち着いて生活しやすくなるでしょう。

4.痴漢が会社に発覚したとき、解雇以外に考えられる不利益

痴漢が会社に発覚すると、解雇以外にも以下のような不利益が及ぶ可能性があります。

4-1.減給、降格などの懲戒処分

懲戒事由には解雇以外にもいくつかの種類があります。

  • 減給

給料を減らされる処分です。

  • 出勤停止

一定期間、会社の出勤を禁止される処分です。

  • 降格

現在の地位から降格される処分です。

  • 戒告

厳重注意される処分です。

痴漢で有罪判決を受けると、解雇まではされなくても給料を減らされたり降格されたりする可能性があります。なお「逮捕されただけ(有罪判決が確定していない段階)」では上記のような懲戒処分はできません。

4-2.異動

痴漢が発覚すると、望まない人事異動をされる可能性もあります。

4-3.昇進や昇格、昇給の見送り

今後昇進、昇格や昇給する予定のあった方でも、痴漢事件が発覚すると見送られる可能性が高くなるでしょう。

4-4.噂になって居心地が悪くなる

痴漢事件を会社に知られると、同僚をはじめとする他の社員に広まっていろいろと噂される可能性があります。居心地が悪くなり、事実上退職せざるを得ない事態に追い込まれるケースも考えられます。

会社に痴漢事件が発覚すると、いろいろな不利益が及ぶリスクが発生します。なるべく知られないように対処するのが得策です。

5.痴漢で逮捕され会社に知られるパターン

痴漢で逮捕されたら、どういった経緯で会社に知られる可能性があるのでしょうか?

5-1.警察から通知される場合

「痴漢で逮捕されると、警察から会社へ通知されるのでは?」

と心配になる方が多いでしょう。

しかし現実には警察がわざわざ勤務先へ痴漢事件を報告するケースはほとんどありません。

現行犯逮捕されてそのまま勾留された場合などには、会社に連絡される可能性は低いと考えましょう。

会社に通知されるのは、被疑者が逃亡したため行方を捜査しなければならず、会社に出勤状況を尋ねる必要がある場合などです。

5-2.家族が話してしまう場合

痴漢で逮捕されて長期間身柄拘束が続くと会社は本人と連絡をとろうとするため、家族が対応せざるを得ない状況となります。

家族が痴漢事件を隠そうとしても、いつまでも隠し通せるものではありません。

1週間、10日と無断欠勤が続けば、いずれは痴漢事件について言わざるを得なくなるでしょう。

このように、長期にわたる身柄拘束が続くと弁解が難しくなって会社に痴漢事件を知られるリスクが高まるので、要注意です。

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5-3.報道によって知られる場合

痴漢事件が新聞やニュース、ネットなどで報道されたら、会社の同僚や幹部、経営陣にも当然知られるでしょう。特に実名報道には要注意です。

6.痴漢で逮捕されたときに不利益を避ける方法は

痴漢で逮捕されたとき、不利益を避けるには以下のように対応しましょう。

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6-1.早期の身柄解放を目指す

逮捕後勾留されると、起訴前に20日以上も身体拘束される可能性があります。出勤できなくなって解雇の危険性も高まりますし、会社に痴漢事件を知られやすくなるでしょう。

なるべく早期に身柄解放を目指さねばなりません。

逮捕されても勾留されなければ3~4日程度で釈放してもらえます。釈放段階では刑事処分が決まることは少ないですが、それまで通りに会社に出勤できるので不利益は小さくなるでしょう。

勾留を防ぐには弁護士に依頼して、弁護士から検察官や裁判官へ申し入れを行う方法が効果的です。

逮捕されたらすぐに刑事弁護人を選任して勾留を防ぐための弁護活動を開始しましょう。

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6-2.被害者と示談交渉をする

痴漢事件を起こしたとき、有罪判決を受けると懲戒処分のリスクが高まります。

起訴されても無罪を主張すれば良いのではないかとも思われますが、日本の刑事裁判では、起訴された事件の90%以上は有罪となります。そのため、有罪判決を避けるため「不起訴処分」の獲得を目指すことが現実的な選択肢として考えられます。不起訴処分を獲得できたら、刑事裁判にならないので、会社から懲戒されるリスクも小さくなります。

痴漢で不起訴になるには被害者との示談が極めて効果的です。早期に刑事弁護人を介して被害者へ連絡し、示談交渉を進めましょう。

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6-3.弁護士に会社への対応を任せる

痴漢事件によって身体拘束が続く場合、会社へ出勤できない理由を説明しなければなりません。家族からはうまく状況を伝えにくく、理解不足の状態となった会社が解雇に踏み切ってしまう可能性もあります。

弁護士が対応すれば拙速な解雇を牽制できますし、その他の不利益も避けやすくなるメリットがあります。会社への対応を任せるためにも、早期に刑事弁護人を選任しましょう。

当事務所では恵比寿エリアを拠点として痴漢や盗撮などの性犯罪の刑事弁護に積極的に取り組んでいます。痴漢で逮捕され会社への発覚や解雇を避けたい方がおられましたら、お早めにご相談ください。

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