加害者から示談を申し入れられたときの対応ポイント

監修者
弁護士 鈴木 翔太
弁護士 鈴木 翔太
弁護士法人鈴木総合法律事務所、代表弁護士の鈴木翔太です。
弊所では、99.21%の方から弁護士の応対についてご満足の声を頂いており、98.81%の方からお知り合いに紹介したいとの声を頂いております。
まずはお気軽にお問い合わせください。

暴行や痴漢、ストーカーなどの被害に遭うと、加害者から「示談」を申し入れられるケースがよくあります。

突然加害者の弁護士から示談の申し入れ書が送られてきて、戸惑ってしまう被害者の方も少なくありません。

示談には必ずしも応じる必要はなく、断ってもかまいません。ただ断るより示談するメリットが大きい状況も考えられます。

今回は刑事事件の被害者が加害者からの示談申し入れに対応するときのポイントを弁護士がお伝えいたします。

1.示談とは

示談とは、被害者と加害者が話し合って損害賠償の方法を決めることです。
刑事事件は一種の不法行為なので、加害者は被害者へ損害賠償金を払わねばなりません。
たとえば傷害罪でけがをさせたら治療費や慰謝料などを払わねばなりませんし、窃盗罪の場合には盗んだものを弁償する必要があります。痴漢や盗撮事件でも慰謝料が発生します。
それらの賠償金額や支払い方法を決めるのが、示談交渉です。

示談が成立すると、加害者は被害者へ決まった示談金を支払い、民事的な損害賠償問題が解決されます。

2.被害者は示談に応じる義務はない

加害者からの示談申し入れがあっても、被害者としては受け入れる義務はありません。
・ 加害者と一切かかわりたくない
・ どうしても加害者を許せない
・ 加害者からお金を受け取りたくない

上記のような場合、無理に示談する必要はありません。

3.示談する際の注意点

示談するかしないか決める前に、必ず知っておかねばならないことがあります。
それは、被害者が示談に応じると「加害者への刑事処分が軽くなる可能性が高い」ことです。
示談が成立すると、加害者の刑事事件には以下のような効果が及ぶ可能性が強まります。

・ 逮捕前に示談が成立すると、逮捕されず立件されない
暴行罪や痴漢などで加害者が逮捕される前に被害者との示談が成立すると、捜査機関が「解決済み」と判断して加害者が逮捕されず、刑事事件にならないケースがよくあります。

・ 逮捕後起訴前に示談が成立すると、不起訴になる
すでに加害者が逮捕勾留されて刑事事件になっていても、被害者との示談が成立すると不起訴になり、事件が終了するケースが多々あります。この場合、加害者には前科がつきません。

・ 裁判中に示談が成立すると、刑罰が軽くなる
加害者の刑事裁判が始まってから示談が成立すると、相場よりも刑罰が軽くなる可能性が高くなります。たとえば実刑が相当なケースでも執行猶予となる可能性が高まりますし、懲役刑や禁固刑の期間が短縮される可能性もあります。

示談すると賠償金を受け取れますが、反面「加害者の処分が軽くなってしまう」ため、被害者の立場としては慎重に判断しましょう。「加害者に重い刑罰を与えてほしい」なら、安易に示談すべきではありません。

4.示談のメリット

被害者にとって、示談すると以下のようなメリットがあります。

4-1.示談金を受け取れる

示談が成立すると、約束した示談金を受け取れるので、経済的にはメリットとなります。

4-2.訴訟を起こす必要がない

示談できない場合、相手に賠償金を払わせるには訴訟などで追及するしかなく、多大な手間と時間、費用がかかります。
示談で解決してスムーズに支払いを受けられるのはメリットとなるでしょう。

4-3.二度と接触しない約束をしてもらえる

刑事事件で被害者と加害者が示談するときには、通常「二度と接触しない」約束をしてもらいます。
刑事事件で多大な迷惑をかけられた被害者としては、加害者とは一切関わりたくないものです。示談によって相手に自主的に「二度と関わらない」と誓約させることができるのは、大きなメリットといえるでしょう。

相談無料
そのお悩み、弁護士に相談してみませんか?
・ご相談者の満足度99.21%
・知り合いにも紹介したい方98.81%

5.示談のデメリット

示談には以下のデメリットもあります。

5-1.相手の刑事処分が軽くなってしまう

示談すると、加害者の処分が軽くなる可能性が高くなります。
被害届や刑事告訴状を提出している場合、取り下げるよう求められるのが一般的です。

5-2.相手と関わる必要がある

加害者と示談するには、相手と話し合いをしなければなりません。
確かに多くの場合「加害者の刑事弁護人」が連絡してくるので、加害者本人と話し合う必要はありません。それでも被害者にしてみれば大きなプレッシャーを感じ、ストレスとなってしまうケースが多数です。特に性犯罪や傷害罪など、相手に強い恐怖感や嫌悪感を抱いている犯罪では、示談が被害者にとって苦痛となってしまうでしょう。

6.示談するときの3つのポイント

刑事事件で加害者と示談するとき、重要なポイントは以下の3つです。
・ 示談のタイミング
・ 示談書のチェック
・ 示談金と支払い方法

それぞれについて説明します。

7.示談のタイミング

加害者と示談するときには「いつ示談するか」が重要です。
たとえば逮捕前に示談すると加害者が逮捕されない可能性が高くなりますが、起訴後の示談であれば相手は何らかの処罰を受ける可能性が高くなります。

刑事裁判が終了した後の示談であれば、相手の刑事罰に影響はありません。裁判後に示談をしても、相手の刑罰は軽くならないのです。

どうしても加害者を処罰してほしい、加害者の罪を重くしてもらいたいのであれば、刑事裁判が終了した後に示談するのが得策といえます。

7-1.刑事裁判後に示談するときの問題点

ただし刑事裁判後の示談は簡単ではありません。刑事裁判が終了してしまったら、示談しても加害者の刑事処分が軽くならず、加害者にとって示談するメリットがほとんどなくなってしまうからです。
被害者が賠償金を請求しても拒否される可能性が高くなり、訴訟を起こさねば賠償金を受け取れないケースもよくあります。

7-2.示談のタイミングについての選択肢

以上を踏まえると、示談のタイミングとして被害者は以下の2つから選択する必要があります。
お金を優先する方法
刑事事件が終了する前に示談し、確実に示談金を受け取る方法です。ただし相手の処分は軽くなります。
相手の処罰を優先する方法
刑事事件が終了するまで示談せず、その後に賠償問題を解決する方法です。相手の処分は重くなりますが、示談金の受け取りが難しくなるケースが多数です。

どちらの方法がよいか判断しにくい場合、弁護士へ相談してみましょう。適切なアドバイスをもらえて状況や気持ちを整理でき、方向性を固められます。

相談無料
そのお悩み、弁護士に相談してみませんか?
・ご相談者の満足度99.21%
・知り合いにも紹介したい方98.81%

8.示談書でチェックすべき項目

示談するときには「示談書」」を作成しなければなりません。示談書とは示談内容をまとめた契約書です。
示談書を作成するときには、以下の内容をしっかりチェックしましょう。

・謝罪
通常、刑事事件の示談書には「加害者から被害者への謝罪の文言」が記載されます。
これで加害者が被害者へ謝罪した扱いとなります。
ただし被害者が希望すれば、別途謝罪文を書かせて提出させるなどの交渉も可能です。

・今後一切関わらないこと
示談するときには、通常「加害者は今後一切被害者とかかわらない」という接触禁止条項を入れます。面会、電話、メール、SNSその他一切の方法で接触しないことを約束してもらいましょう。親や子どもなどの親族にも接触してもらいたくないときには、その旨も記載しておく必要があります。
約束をより確実に守らせるため、「違約金条項」を入れるよう要求してもかまいません。
違約金とは、約束を破ったときにペナルティとして払わなければならないお金です。

・宥恕、嘆願
刑事事件の示談書には、たいてい「宥恕」や「嘆願」の条項が含まれます。
宥恕とは「被害者が加害者を許すこと」です。示談書に「宥恕します」という条文があると、「被害者が加害者を許した」扱いになり、加害者への刑事処分が軽くなります。

嘆願とは「被害者が加害者の罪を軽くしてほしいとお願いすること」です。
「被害を受けたけれども、その被害者自身が加害者の処分を軽くしてもらいたい」と望んでいるので、刑事処分をさらに軽くする効果があります。

示談書に「宥恕」のみ記載するか「嘆願」まで含めるかはケースバイケースです。
加害者の刑罰を軽くするよう嘆願するのに抵抗のある方は「宥恕」のみに応じるとよいでしょう。

・秘密の厳守(守秘義務)
刑事事件で示談するとき「秘密厳守」の約束をするケースもよくあります。事件の内容をお互いに一切口外しないと定める守秘義務条項です。
痴漢や盗撮、ストーカーや暴行などの刑事事件は、通常被害者にとっては触れたくないものでしょう。
周囲に漏洩されるといろいろな噂が立ったり事件を思い出して不快な思いをしたり名誉を既存されたりしてデメリットが大きいためです。そこでお互いに秘密にする約束をします。

示談書を作成するときには、守秘義務条項が入っているかどうかもチェックしましょう。

・清算条項
清算条項とは「この示談書に定めた以外にお互いに債権債務関係がない」と確認するための条項です。今後加害者と一切関係を持たないためにも、清算条項を入れておきましょう。
ただし「今回の示談金が一部」であり、残金は後日請求したい場合には清算条項を入れてはなりません。清算条項を入れると、後日請求ができなくなってしまいます。

9.示談金の金額と支払方法、時期

9-1.示談金額

示談するときには「示談金」の金額も重要です。実際、多くの被害者の方が「いくらで示談すべきか」で悩んでしまいます。
示談金の相当額は刑事事件の内容によって異なるので、一概に「いくらにすべき」とはいえません。一般的に以下のような事情があると、示談金の金額が上がります。

・ 加害者の行為が悪質
被害者が死ぬかも知れないような危険な行為をした、高額なものを盗んだ、しつこくつきまとって強い恐怖感を与えた、用意周到な犯罪、何度も繰り返し同じ被害者を盗撮、痴漢行為をしたなど、悪質な場合には金額が上がります。

・ 被害者の受けた損害が大きい
被害者が大怪我をした、精神病になった、仕事をやめてしまったなど、被害者が受けた損害が大きければ示談金額は高額になります。

・ 加害者の社会的地位が高い、公職に就いている
加害者が大学教授や政治家、有名な会社の社長、医師や警察官、公務員などの場合、一般の人より示談金額が高額になるケースが多数あります。

・ 加害者の資産や収入が高い
加害者の収入が高いと少額の賠償金ではペナルティにならないので、慰謝料的な意味合いで示談金額が上がる可能性があります。

実際にどのくらいの示談金額が相当かはケースによって異なります。適正な示談金額がわからないときには弁護士へ相談してみてください。

9-2.支払い方法と支払時期

示談金を定めるときには「支払い方法」と「支払時期」も重要です。

・分割払いのリスク
示談金額を定めても、相手に一括払いできる資力があるとは限りません。手持ち資金がなければ「分割払い」を求められるケースがよくあります。
しかし分割払いにすると、本当に最後まできちんと払ってもらえるとは限りません。刑事裁判が終わったらまったく払わなくなり、音信不通になってしまう加害者も多数います。

相手によほどの信用がない限り、刑事事件の示談で分割払いはおすすめできません。どうしても分割払いにする場合、相手の家族などに連帯保証人になってもらいましょう。

・現金か銀行振込か
また示談金は「現金」で払うケースと「銀行振込」にするケースがあります。現金ならその場で受け取ってすべて解決できますが、銀行振込の場合入金確認が必要となります。約束通りに支払われないなら、取り立てをしなければなりません。

・入金時期について
示談金の入金時期は可能な限り早めにすべきです。遅くなると払われなくなるリスクが高くなるからです。特に支払時期を刑事事件終了後にすると払われないリスクが大きくなるので、注意しましょう。

10.自分で示談するのは負担が重い方へ

刑事事件の被害者が自分で示談交渉を行うと負担が大きくなります。
・ 事件を思い出すだけでも苦痛
・ 相手の弁護士とのやり取りが苦痛
・ 示談金をいくらにしたらいいのかわからない
・ 相手の刑罰が軽くなるのは嫌だから示談に応じてよいかわからない

そんなときには被害者側の弁護士へご相談ください。
弁護士に示談交渉を任せれば、やり取りはすべて弁護士が行います。自分で対応する必要がなくなり、ストレスも大きく軽減できます。示談に応じるべきかどうかわからない、示談金をいくらにすればよいかわからない場合も、弁護士が状況に応じて最善と考えられる方法をアドバイスいたします。接触禁止条項や守秘義務条項など、被害者にとって重要な約束もきちんと盛り込めるので、示談後のトラブルも起こりません。
示談に関するお困り事があれば、刑事事件や被害者救済に力を入れている弁護士に依頼するのが最善です。

恵比寿の鈴木総合法律事務所は刑事事件の解決実績が高く、被害者側の代理人活動にも積極的に取り組んでいます。加害者や弁護士から示談の申入書が送られてきてお困りの被害者さまがおられましたら、お気軽にご相談ください。

 

相談無料
そのお悩み、弁護士に相談してみませんか?
・ご相談者の満足度99.21%
・知り合いにも紹介したい方98.81%
監修者
弁護士 鈴木 翔太
弁護士 鈴木 翔太
弁護士法人鈴木総合法律事務所、代表弁護士の鈴木翔太です。
弊所では、99.21%の方から弁護士の応対についてご満足の声を頂いており、98.81%の方からお知り合いに紹介したいとの声を頂いております。
まずはお気軽にお問い合わせください。