- 貸したお金を返済してもらえない
- 売掛金が支払われない
- 家賃の入金を確認できない
- 督促しても無視される
- 別の債権者も請求している様子がある
- 取引相手が破産しそう
回収できていない債権をそのまま放置してしまうことにメリットは一切なくデメリットしかありません。下記の理由で回収する手立てがなくなってしまうからです。
- 他の債権者が、先に相手の保有資産から回収をしてしまう
- 破産等の債務整理手続きで処理されてしまう
- 時効により消滅する
回収する手立てがなくなってしまえば経済的損失を受け入れることとなってしまうので、債権回収は放置せずにしっかりと対応しておきましょう。
今回の記事では債権回収の方法について解説します。
債権回収の重要性
01.債権とは
債権とは「特定の人に特定の行為や給付を請求することを内容とする権利」です。「他者から自分に対してお金を払ってもらう権利」が債権となります。
たとえば、知人にお金を貸している場合は「知人に対して貸したお金を返してもらう」という債権を有していることになります。また、取引先から支払われていない売掛金があるのであれば「取引先に売掛金を支払ってもらう」という債権を有していることになります。
なお、債権を行使する相手方を債務者と言います。先の例でいえば「お金を貸している知人」「売掛金を支払わない取引先」が債務者に該当します。
02.債権回収の重要性
- 知人が貸したお金をいつまでたっても返してくれない
- 取引先が支払期日を過ぎても売掛金を支払ってくれない
- 督促しても無視される
債務者がお金を支払わない(債権を履行しない)ケースのほとんどで、債務者は資金面で窮地に陥っている可能性が高いです。
このような場合、債権者は自ら債権の取立に動くべきです。放置してしまうと以下の理由で債権を回収することが出来なってしまいます。
- 他の債権者に回収されてしまう
- 債務者が破産してしまう
①についてですが、債権回収は基本的に早い者勝ちのシステムとなっております。仮に債務者が資産を有している場合、債権回収に積極的に動いた人は優先してその資産から債権を回収することができます。たとえば、債務者の資産を換価して回収したり土地などに担保権を設定するなどです。
後で債権回収を図ろうと動き始めても、そのときには回収可能な資産が残っていないということも往々にしてあります。
また、②についてですが、債務者が破産手続きに入ってしまうと債務者が有する財産に手出しをすることが出来なくなります。また、破産手続きが終わってしまえば法的に一切の請求が出来なくな回収不可能となってしまいます。
なお、破産手続きにおいては配当が出る可能性がありますが、ほとんどのケースでは0%、仮に配当が出る場合でも2~3%が関の山です。債権をみたすに十分なものではありません。
以上の理由から、債務者が滞納した時点で早めに債権回収に取り組んでおいた方が良いといえます。


債権回収の方法

具体的な債権回収の方法を確認していきましょう。
01.口頭で確認する
相手が必要な入金をしない場合、まずは電話などの通信手段を用いて督促しましょう。相手の手違い等を理由に入金されていないだけであれば、この時点で問題が解決します。
事情があって入金されていないのであれば支払いをするように督促し、いつまでに支払いができるのかを確認します。1~2週間以内などの近いうちに支払いをするというのであればそれまで待ってあげるのも良いでしょう。
支払い時期が相当先になるケースやいつ支払えるかが明らかにならない場合には、次の手立てを行ないましょう。
02.内容証明郵便で督促する
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電話で督促しても相手が応じない場合やいつ支払えるのかを明らかにしない場合などには、内容証明郵便を使って未払金を督促しましょう。
内容証明で督促することにより相手にプレッシャーがかかり、支払いに応じてくる可能性があります。なお、弁護士名で内容証明郵便を送るとより強いプレッシャーを与えることができ、支払いが行われる可能性が高まるので効果的といえます。
また、内容証明郵便を使うことで「督促をした」という証拠を残すことが出来ます。後に裁判をするときなどにも請求をした事実を証明することができますので非常に有用です。
内容証明送付後に相手と交渉し、支払い方法等の約束(合意)をして合意書を作成できれば最良です。
03.少額訴訟を起こす
相手が支払いをしないときは、債権額が60万円以下であれば少額訴訟を利用すると効果的に債権回収できる可能性があります。
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少額訴訟は、簡易裁判所に申立を行ないます。少額訴訟は、判決までの手続きを1日で終えることができてスピーディに解決できますし、さほど難しい手続きではないので弁護士に代理を依頼しなくても進めることが可能です。

04.支払督促を申し立てる
支払督促も有効な方法です。

支払督促も、少額訴訟同様、簡易裁判所に申立を行ないます。裁判所から送達された支払督促に対し2週間以内に相手が異議を出さない場合、相手の資産に対して強制執行する権利が認められます。相手の預貯金や不動産などの資産内容を把握している場合には有効な対処方法となり得ます。
05.仮差押を申し立てる
債権額が大きい場合や支払督促をしても相手が異議を出してくる場合には、通常訴訟をしなければ解決できません。
とはいえ訴訟には非常に長い時間がかかります。その間に相手が資産隠しする可能性も否めません。
そのため、通常訴訟で解決を図ろうとする場合は、事前に仮差押の手続をとり相手が資産を処分できないようにしておきましょう。
仮差押は専門的な手続きです。また、相手に資産隠しの猶予を与えないようスピーディに行う必要があります。仮差押を検討されるのであれば専門家である弁護士に相談することを推奨いたします。

06.通常訴訟をする
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他の方法では債権回収が困難なケースでは、通常訴訟によって相手に支払いを求めるほかありません。
なお、訴訟では主張する事実を証明しなければなりません。そのため、債権の存在と期限の到来を示す証拠が必要となります。
きちんと法的な根拠を示して主張立証ができれば、裁判所が相手に対して支払い命令の判決を下します。相手が判決を無視して支払いをしない場合、相手の資産を差し押さえることも可能となります。
法的な根拠をしっかりと示して主張立証することが必要であること、仮差押えとワンセットであることを考えると、専門家である弁護士に対応してもらうのがベストです。訴訟を検討しているということであれば弁護士に相談することを推奨いたします。
さいごに
債権回収は自身で対応することもできなくはないですが、効率的に手際よく回収するためには専門家に対応してもらった方が良いといえます。特に訴訟対応とする場合には、専門家である弁護士に一任した方が間違いがありません。
東京・恵比寿にある弁護士法人鈴木総合法律事務所では、債権回収に注力しております。債務者の滞納でお困りの方は、是非一度当事務所までご相談下さい。


