交通事故を起こしてしまったらどうすればいいの?

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弁護士 鈴木 翔太
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交通事故の加害者になってしまった場合の対処方法

交通事故を起こしてしまったら…。気が動転してしまい、冷静な判断、適切な対処を取ることができなくなってしまう方は多くことでしょう。

しかし、起こしてしまった事故に対し適切な対処をしなかった場合、後にトラブルが発生する可能性が高いです。

また、現場から逃げてしまう方もいらっしゃいます。特に対人事故の場合、飲酒や「ながら運転」等の落ち度があるようであれば、事故や犯罪等の発覚を恐れ逃げてしまう傾向が強いです。

もちろん事故現場で何らのの対応をせず逃げてしまった場合はトラブルが大きくなることは避けられません。罪が重くなることも想定されます。

このように事故を起こした加害者が事故現場で適切な対処を取らなかった(取れなかった)場合、被害やトラブルは拡大してしまいます。事故を起こしてしまった場合は、事故現場から立ち去ることはせずに適切な対応・処理を行いましょう。

今回の記事では、交通事故を起こしてしまった場合の適切な対処方法を弁護士の視点から解説します。

事故現場で対応すべきこと

交通事故を起こしてしまったら、加害者として事故現場で適切な対応を取らなければなりません。対応すべき事項についてみていきましょう。

なお、やらなくてはならない対処を怠った場合、違法となり重い刑罰を科される可能性がありますのでご注意ください。。

01.すぐに被害者を救護する

対人事故、人身事故を起こしてしまった場合、焦ってその場を走り去ってしまう人は少なくありません。飲酒や「ながら運転」等の落ち度がある場合はなおさらです。

しかしこれは絶対に行なってはならない行動です。

道路交通法で救護義務が定められており、被害者がいる事故の場合(対人事故の場合)、交通事故を起こした人(交通事故加害者)は直ちにけが人を救護しなければなりません。

人身事故を起こしてしまったら、速やかに車を降りて被害者の救護をしましょう。けがに応じて応急処置を行い、必要に応じて救急車を手配してください。

なお、被害者を救護しなかった場合は救護義務違反(「ひき逃げ」)となり刑罰が適用されることとなります。救護義務違反の刑罰は10年以下の懲役または100万円以下の罰金刑であり非常に重い刑罰となっているので注意しましょう。

02.現場周辺の危険防止措置をする

交通事故を起こした人は、事故現場周辺の危険防止措置を取らなければなりません。

事故現場に散乱している破片などを片付けましょう。また、発煙筒をたいたり三角表示板を置いたりすることで後続車に事故を知らせ二次被害を防ぐことも重要です。

03.警察へ報告する

交通事故の加害者には警察への報告義務も課されます。この義務を怠ると道路交通法違反となってしまうので注意しましょう。

被害者の救護と事故現場の片付けを終えたら、速やかに110番し警察に事故の状況を知らせましょう。当然ですが警察による実況見分(現場検証)が終わるまでは立ち去ってはなりません。

交通事故を起こしてしまうとどんな責任を負うことになるの!?交通事故を起こしてしまった加害者はどのような責任を負うこととなるのでしょうか? 今回の記事では、交通事故の加害者が負う責任等について弁護士が解説します。 交通事故の加害者が負う責任 交通事故...
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事故現場でとっておいた方が良い行動

事故現場で行なっておいた方が良い行動についてみていきましょう。

01.被害者と連絡先等を交換する

事故の被害者と連絡先等の情報を交換しておきましょう。

氏名、住所、電話番号、メールアドレス、加入している保険会社名等をを確認しておいてください。後で保険会社にこれらの情報を伝える必要があります。

02.現場の状況を保存する

事故現場の写真を撮る、事故の状況をメモする等して事故の状況について証拠を残しておきましょう。後に被害者との間で過失割合が問題となったとき現場の証拠が活きてくるケースがあります。

03.保険会社に連絡する

警察による実況見分が終わったら自分の加入している任意保険会社へ連絡しましょう。対人・対物賠償責任保険に入っていれば、その後の対応は保険会社が行ってくれます。

なお、保険会社に報告をしなかった場合(報告を怠った場合)、保険を適用してもらえなくなる可能性もあります。速やかに連絡しましょう。

04.病院へ行く

一通りの対応が終わったら病院に行きましょう。交通事故を起こしてしまった側であっても、事故の衝撃によりむち打ちなどのダメージを受けている可能性があるためです。

加害者側もけがを負ってる場合、加害者側の過失割合が100%でないのであれば被害者側へ賠償金を請求できるのが通常です。

病院へ行かないとけがの程度が判明しません。けがの程度が不明のままだと本来請求できるはずの治療費や慰謝料を請求できなくなってしまうリスクが発生します。かならず病院で診てもらうようにしましょう。

なお、事故による不調はその日のうちに出てくるとは限りません。事故後数日して不調を感じるようなことがあれば再度病院で診察を受けましょう。

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やってはいけないこと

交通事故を起こした方は、以下のことをしてはなりません。

01.現場から立ち去る、現場を離れる

何らの処理もせずに現場を離れてしまうことは絶対にしてはなりません。

確かに事故を起こしてしまうと怖くなってしまい逃げてしまいたくなる心理もわかります。飲酒やスマホを見ていた等の「ながら運転」といった落ち度がある場合はなおさらです。

とはいえどのような事情があっても現場を離れる行動はNGです。仮に後で戻ってきたとしても救護義務違反、ひき逃げ、当て逃げが成立してしまいます。

事故を起こしてしまった場合は、前述の対応をとっておきましょう。

02.警察を呼ばずにその場で示談する

行なってはならない行動の2つ目は、警察を呼ばずにその場で示談してしまうことです。

  • 警察を呼んだら大事になってしまう
  • 前科がついてしまう
  • 運転免許の点数が加算されて取消になってしまう

このようなことを懸念して、被害者に対し「警察を呼ばずにこの場で示談しましょう。慰謝料はちゃんと支払います。」などと持ちかける加害者の方は多くいらっしゃいます。

ですが、交通事故現場で警察を呼ばないことは道路交通法違反(報告義務違反)にあたります。報告義務違反には罰則もあるので罰金などの刑罰を科されるリスクもあります。

また、その場で示談して解決したつもりでも、被害者が後に「後遺障害が残った」「現場ではわからなかったが大けがをしていた」などと言って追加の賠償金を求めてくるケースも少なくありません。事故をきちんと保険会社に報告しなかったことで保険が適用されない可能性もあります。このような場合、被害者とのトラブル解決を自らの対応しなければならなくなってしまいます。

このように警察を呼ばずにその場で示談した場合には、相当のデメリットを負うこととなります。

「刑罰が怖い」「免許の点数を加算されたくない」といった事情があったとしても、必ず警察を呼びましょう。

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交通事故加害者の責任

交通事故を起こした人(交通事故加害者)にはどのような責任が発生するのでしょうか?

01.自動車運転処罰法違反

人身事故を起こした場合、加害者には自動車運転処罰法違反の罪が成立します。自動車運転処罰法には、以下の2種類の罪が規定されています。

  1. 過失運転致死傷罪
  2. 危険運転致死傷罪

過失運転致死傷罪は、通常の交通事故で加害者に成立する犯罪です。前方不注視、スピード違反、ハンドルブレーキ操作不適切などによって事故を発生させたら、たいていは過失運転致死傷罪が成立すると考えましょう。過失運転致死傷罪の刑罰は、7年以下の懲役または禁錮、あるいは100万円以下の罰金です。

危険運転致死傷罪は、故意とも同視できるような重大な過失によって交通事故を起こしたときに成立する犯罪です。被害者がけがをした場合には15年以下の懲役刑、被害者が死亡した場合には1年以上20年以下の懲役刑が適用されます。

02.道路交通法違反

道路交通法違反に該当する事実があれば、上述の自動車運転処罰法違反と併せて道路交通法違反の罪も成立します。

  • ひき逃げ
  • 飲酒運転
  • 無免許運転
  • スピード違反

道路交通法違反の罪と自動車運転処罰法の罪は併合罪の関係になります。

併合罪となった場合、刑罰は重い方の刑罰の最高刑の1.5倍を限度とすることとなっております。

たとえば過失運転致死傷罪(7年)とひき逃げ(道路交通法・救護義務違反。10年)の併合罪の場合、重い方である10年を1.5倍することとなるので、最長で15年以下の懲役刑を科せられる可能性があります。

相当の不利益を受けることとなるので、くれぐれもひき逃げをはじめとした道路交通法違反の行為はしないようにしましょう。

03.免許の点数が加算される

交通事故を起こしたら免許の点数が加算されます。

誤解されている方が多いようなので説明いたしますが、免許の点数制度は減点方式(最初に所定の点数を有していて違反するごとに減る)ではありません。

違反をすることで加算(累積)され、所定の点数に達するごとに免停(免許停止)などの行政処分が科されることとなっています。

加算される点数は、被害者の受傷の程度や加害者の過失割合によって変わり、被害者のケガの程度が重ければ重いほど、加算点数も高くなります。加害者の過失割合が100%ならさらに高い点数が加算されることとなっています。

被害者のケガの程度専ら加害者の過失によって事故が発生した被害者にも過失がある
死亡20点13点
治療期間が3ヶ月以上または後遺障害が残った13点9点
治療期間が30日以上3ヶ月未満9点6点
治療期間が15日以上30日未満6点4点
治療期間が15日未満または建造物の損壊3点2点

運転免許の点数制度では、過去1年以内の行政処分累積点数が15点以上になると免許取消処分を受けます。

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弁護士 浜島

交通事故を起こしたら逮捕される?

交通事故を起こしてしまうと逮捕されてしまうのでしょうか?

この答えとしては「逮捕されることもあれば逮捕されないこともある」です。

01.逮捕の要件

逮捕には法律上の要件があります。要件を満たさない限りは交通事故を起こしたとしても逮捕されることはありません。

なお、逮捕の要件は下記の通りです。

  • 罪を犯したと疑う相当な理由がある
  • 「逃亡」や「証拠隠滅」のおそれがある
  • 通常逮捕の場合、「逮捕状」が発布されている

02.2種類の逮捕

逮捕には、通常逮捕と現行犯逮捕の2種類があります。

常逮捕とはあらかじめ警察が逮捕状を用意して行う逮捕のことです。

現行犯逮捕とは事件現場で行なう逮捕のことです。現行犯逮捕の場合、逮捕状は不要です。

交通事故の場合、以下のような状況であれば現行犯逮捕される可能性が高いといえます。

  • 被害者が死亡した(死亡事故)等、事故の結果が重大
  • 危険運転致死傷罪が成立する場合
  • 飲酒運転していた場合

なお、事故現場から立ち去った場合(ひき逃げした場合)は、後日の警察に捜査によって居場所等を突き止められ、通常逮捕されることとなります。

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どんな場合に懲役刑になる?

交通事故を起こした場合には懲役刑や禁錮刑が科せられる可能性があります。

懲役刑は刑務所で拘束され強制労働させられる刑罰、禁錮刑は強制労働なしに刑務所で身柄拘束される刑罰です。

懲役刑や禁錮刑を科せられた場合、数ヶ月~数年の間刑務所に行かなければならないので通常の社会生活を送ることはできません。失職や離婚などの不利益を受ける可能性も高いです。

なお、執行猶予がついた場合はすぐに刑務所に行く必要はありません。猶予された期間に問題を起こさなければ刑務所に行かずに済みます。

執行猶予とは?刑罰の種類と併せて解説!!「懲役1年、執行猶予3年」というように、刑事事件の判決においては執行猶予が付される場合があります。 この執行猶予とはどういう制度なのでしょうか?執行猶予が付くとどうなるのでしょうか? 今回...

それではどの程度の交通事故を起こした場合に懲役刑や禁錮刑が科せられてしまうのでしょうか?以下見ていきましょう。

01.不起訴になるケース

交通事故を起こすと必ず起訴されるとは限りません。以下のような場合は、不起訴となる可能性があります。

  • 被害者が軽傷な場合
  • 被害者と早期に示談できた場合

不起訴となった場合は刑事裁判とならないので何の刑罰も適用されません。前科もつかないので加害者にとってはもっとも有利な解決方法といえるでしょう。

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02.罰金刑になる可能性

起訴されても罰金刑で済む可能性があります。

罰金刑が適用された場合は言い渡された罰金を払えば刑罰を受けたことになりますので、刑務所へ行く必要はありません。なお、罰金を支払わずに放置し続けると最終的に「労役場」で強制労働をさせられる可能性があります。

また、罰金刑であっても刑罰は刑罰なので前科はつくこととなります。

03.懲役刑・禁固刑になるケース

以下のような場合は懲役刑や禁錮刑となる可能性が高いです。

  • 被害者が死亡した
  • 危険運転による事故
  • 反省していない

こういった事情に当てはまる場合、懲役刑や禁錮刑を科せられる可能性が非常に高く、結果大きな不利益を被る可能性があります。

「煽り運転(あおりうんてん)」で成立する犯罪とは?逮捕された時の対処方法
あおり運転(煽り運転)で成立する犯罪について解説!!近年、あおり運転(煽り運転)が社会問題となっております。あおり運転とは、前の車と車間距離を詰めたり幅寄せしたり追い立てたりといった危険な運転方法です。 あおり運転は交通事故を引き起こす可能性が高...

さいごに

交通事故を起こしてしまったら適切な対応が必要です。とはいえ事故を起こしてしまったショックから冷静に適切に対処することは難しいかもしれません。

なお、一人では対応が難しい場合であっても専門家に相談することで問題を適切に解決することができることがあります。対応に迷ったときには早めに弁護士へ相談するようにしましょう。

東京・恵比寿にある弁護士法人鈴木総合法律事務所では、交通事故問題に注力しており、交通事故加害者の刑事・民事上の弁護活動についても広く受け付けております。

交通事故を起こしてしまいお困りの方は、是非一度当事務所までお問い合わせください。

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