SNSで誹謗中傷された!ブログが炎上した!訴える方法を弁護士が解説!

監修者
弁護士 鈴木 翔太
弁護士 鈴木 翔太
弁護士法人鈴木総合法律事務所、代表弁護士の鈴木翔太です。
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TwitterやInstagram等のSNS(Social Networking Service)、ブログ等では、自分の意見を世界に向けて自由に発信することができます。しかしながら自由に発信できるからといって他人を攻撃してよいというものではありません。

しかしながらSNSでは、個人に対する暴言、誹謗中傷、人格を攻撃したり名誉を傷つける言動を行なう方が多くいらっしゃいます。

もしSNS上で誹謗中傷されたり投稿したブログ記事が炎上したりしたらどのように対応すれば良いのでしょうか?

今回の記事では、SNSやブログにおいて誹謗中傷された場合の対応方法や相手方を訴える方法について弁護士が解説します。日頃TwitterやInstagram、TikTok、YouTubeなどを頻繁に利用されている方はぜひ頭に入れておいてください。

誹謗中傷とは

誹謗中傷とは、根拠のない悪口等を言いふらして他人を傷つける行為のことを言います。

誹謗中傷に該当する言動には、どのようなものがあるか見てみましょう。

01.容姿や外見を否定する言動

対象者の容姿や外見、身なり、年齢等を否定する言動は誹謗中傷に該当します。「チビ」「ブサイク」「(洋服が)似合ってない、貧乏くさい」「ジジィ」等の発言は該当するものと考えて良いでしょう

02.性格や信条、考え方を馬鹿にする言動

対象者の性格や考え方等を馬鹿にする言動も誹謗中傷に該当します。「ネクラ」「キモい」「馬鹿の考え」等の発言は誹謗中傷に該当するものと考えて良いでしょう。

なお、批判や批評、議論や説明の形での対立発言などについては、誹謗中傷には該当しないこともあります。この線引きは非常に難しいものとなっております。

03.脅し文句

「死ね」「殺す」等の発言も誹謗中傷に該当します。

04.私生活に関する情報(特に不利益な情報)を暴露する言動

対象者の私生活に関する情報、特に不利益な情報(炎上の元となるような情報)を開示することも誹謗中傷に該当するといえるでしょう。その投稿内容が真実であっても事実を明かされた側は大きな精神的苦痛を受けますし、社会における信用も失ってしまうことになるからです。

対象者の不倫や前科などの不利益な情報をリークする行為は誹謗中傷に該当することに注意しましょう。

05.犯していない犯罪の犯罪者扱いする言動

対象者に対し事実ではない犯罪のレッテルを貼るのも誹謗中傷です。個人に対し「詐欺師」や「泥棒」等との言動がこれにあたります。

特に犯罪のレッテル張りは炎上した際に事態の悪化要因となりますので注意が必要です。

06.悪評を広める言動

対象者の悪評を広める言動も誹謗中傷に該当するケースがほとんどです。誹謗中傷を受けた側は社会的信用が低下して大きなダメージを受けることになりますしのちの炎上原因ともなり得ます。

特定の企業に対し「ブラック企業」や「悪徳業者」とレッテル張りしたり、「あそこが販売する商品は壊れやすい」などと発信することは誹謗中傷に該当することが多いといってよいでしょう。

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炎上とは

炎上とは、SNSやブログ等での投稿内容に対し批判的コメントが集中することを言います。

何気ないひと言が悪意をもって受け止められ、炎上してしまうケースが少なくありません。男女差別、人種差別と受け止められるような発言、政治的な発言などは特に危険です。

いったん炎上してしまうと、不特定多数の人から集中的にアクセスされ膨大な量の攻撃的なコメントやDMが届きます。これらは誹謗中傷を伴っていることがほとんどです。

また、氏名や住所、家族構成や勤務先などの個人情報を特定されてしまうこともあります。ときには自宅に押し掛けられたり嫌がらせの手紙や郵便物を送られたりするケースもあります。被害者が精神的に追い詰められ自殺してしまう最悪の事態もあり得ます。

炎上が発生するきっかけは様々ですが、誹謗中傷投稿がSNS上で拡散されることがきっかけとなったケースも多くあります。一旦炎上してしまうと非常に不利益を受けることとなりますので炎上しそうな事案については早めに対処しておく必要があるといえるでしょう。

SNSの誹謗中傷で成立する犯罪

SNS上で誹謗中傷を受けた場合、相手方(誹謗中傷の発信者)には以下の犯罪が成立する可能性があります。

01.名誉毀損罪

名誉毀損罪は、公然と事実の摘示によって相手の社会的評価を低下させる言動をしたときに成立する犯罪です。

投稿内容が真実であっても社会的評価を下げる内容であれば原則的に名誉毀損罪が成立します。

「不倫している」「前科がある」などの情報をSNS上に投稿した場合、その真偽に関わらず投稿者に名誉毀損罪が成立すると考えてよいでしょう。

名誉毀損罪の刑罰は3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金刑です(刑法230条)。

02.侮辱罪

侮辱罪は、事実の摘示以外の方法で公然と相手の社会的評価を低下させる言動をしたときに成立する犯罪です。

「バカ野郎」「クズ」などと罵倒されたときなどに侮辱罪が成立すると考えましょう。

SNS上の誹謗中傷においては、名誉毀損罪が認定されなくても侮辱罪が認定されるケースが少なくありません。

侮辱罪の刑罰は「拘留または科料」です(刑法231条)。

03.脅迫罪

脅迫罪は、相手に害悪を告知したときに成立する犯罪です。具体的には相手や相手の親族の生命、身体、自由、財産、名誉に対して危害を加えると通知したらその時点で脅迫罪が成立します。たとえば「殺すぞ」「家に火を付けてやる」「子どもやペットをさらう」などと脅した場合です。公開の投稿だけではなくDM送付でも脅迫罪は成立します。

脅迫罪の刑罰は2年以下の懲役または30万円以下の罰金刑です(刑法222条)。

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04.業務妨害罪

業務妨害罪は、営業妨害を受けたときに成立する犯罪です。

「あの店は産地偽装している」など虚偽の噂を流された場合は「偽計業務妨害罪」となります。

「爆弾をしかけるぞ」「騒ぎを起こすぞ」など強い威勢を示されて業務を妨害されたら「威力業務妨害罪」が成立します。

業務妨害罪の刑罰は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金刑です(刑法233条、234条)。

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誹謗中傷者の本人特定

SNS上での誹謗中傷事案において相手を刑事・民事に訴えるためには、その相手方本人を特定しなければなりません。SNS上での投稿は、ほとんどのケースで匿名(ハンドルネーム)にて行なわれるからです。相手が特定できない状態では刑事告訴も損害賠償請求も困難となります。

匿名の相手を特定するには以下の手順で進めましょう。

01.SNSの運営会社へ情報開示請求する

まずはSNSの運営会社へ情報開示請求をしましょう。

一般的なSNSでは個人情報を開示しないことがほとんどなので、裁判所に「仮処分の申立」を行う必要があります。仮処分が認められれば運営会社から投稿者の「IPアドレス」の開示を受けられます。

02.プロバイダに対し発信者情報開示請求を行う

IPアドレスが判明したら相手の経由プロバイダを特定し、プロバイダに対し投稿者の情報開示を求めます。これを「発信者情報開示請求」といいます。

プロバイダが任意に開示してくれればこの時点で氏名や住所を把握できます。

開示を拒絶された場合は、プロバイダを相手方として訴訟を起こし裁判所からプロバイダに対し発信者情報開示命令を出してもらわねばなりません。裁判所の判決が出ればプロバイダは命令に従わざるを得ないので、投稿者の氏名や住所、メールアドレスや電話番号などを得ることができます。

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SNSで誹謗中傷されたときの対応方法

SNSで誹謗中傷された際は、以下のように対応しましょう。

01.証拠を残す

まず、誹謗中傷された証拠を保存しておきましょう。後に相手へ損害賠償請求や刑事告訴をする際にも証拠がないとこちらの主張が認められません。

相手方が誹謗中傷の投稿を消してしまうことも考えられます。スクリーンショットの撮影や誹謗中傷投稿をプリントアウトすることで証拠保存をしておきましょう。

02.削除請求する

証拠を確保し終えたら相手方に対し誹謗中傷の投稿を削除するよう要求しましょう。

誹謗中傷の投稿が残ったままになっているとその投稿を目にする人が増えて被害が大きくなってしまいます。拡散され炎上するリスクも高まります。

また、相手方が応じない場合に備えて、SNSの運営会社に問題の投稿を通報しておきましょう。SNS運営会社では削除依頼の専用フォームがもうけられていることがほとんどです。削除請求する際は事前にサイト利用規約を確認し、規約違反を指摘したうえで該当の投稿の削除を求めましょう。

03.仮処分による削除を申し立てる

投稿者もSNSの運営会社も削除に応じてくれなかった場合は、裁判所に対し「仮処分」を行いましょう。名誉毀損やプライバシー権侵害などの明確な権利侵害があれば裁判所がSNS運営会社へ削除命令を出してくれます。

Twitter社などの外国企業でも日本の裁判所による命令に従うので不安に思う必要はありません。拡散してしまう前に早めに手続きを行いましょう。

04.本人を特定する

誹謗中傷投稿の削除を終えたらもしくはこれと並行して本人特定の手続きを進めましょう。本人特定の手順は第4章を参照してください。

05.損害賠償請求をする

相手の氏名や住所が判明したら民事上の慰謝料請求、損害賠償請求を行いましょう。

名誉毀損や侮辱を受けたなら慰謝料を請求できますし業務妨害されて売上げ低下などの損害が発生したら実損についての賠償金を請求できます。

また、相手が二度と嫌がらせをしないように誓約させることも忘れてはなりません。「もう二度と〇〇さん(〇〇社)に関する投稿はしない」と約束させましょう。その際、違反時の違約金を定めておくと効果的です。

状況によっては名誉回復措置を求めましょう。相手がフォロワーの多いインフルエンサーの場合、謝罪をさせることによって名誉を回復できる可能性があります。

06.刑事事件の手続きを進める

刑事上の手続き、すなわち名誉毀損罪や脅迫罪などにもとづく刑事告訴や被害届提出もできます。

なお、刑事告訴は「相手に対する処罰を積極的に求める意思表示」、被害届は「被害を報告する届出」であり、両者の効果は異なります。より強い処罰意思を示したければ、刑事告訴をしましょう。

名誉毀損罪と侮辱罪は親告罪なので、刑事告訴しなければ相手を処罰してもらえません。一方脅迫罪や業務妨害罪は親告罪ではないので、被害届を提出するだけで処罰してもらえる可能性があります。

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なお、必ずしも刑事告訴が有効とは限りません。刑事告訴をしてもお金が返ってくるわけではありませんし謝ってもらえるわけでもないからです。どういった対処法が最適なのかは、専門家である弁護士と相談のうえで決めることをお勧めします。

東京・恵比寿にある弁護士法人鈴木総合法律事務所では刑事事件に注力しております。犯罪の被害を受けてしまった方は是非一度ご相談ください。

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