盗撮とは
盗撮とは、対象者(被写体)の承諾や了承を得ずに、対象者を羞恥させたり不安感等を与えるような写真を撮影する行為をいいます。電車内でスカートの中を隠し撮りしたり更衣室で着替えているところを隠し撮りしたりする行為がこれに該当します。
盗撮被害にあったら慰謝料を請求できる
慰謝料とは、精神的な被害に対してその償いのために支払われるお金のことです。民法をはじめとして様々な法律が慰謝料について定めています。
盗撮被害に遭った人も精神的にショックを受ける(傷つく)と解されておりますので、盗撮の被害に遭った人は盗撮犯に対し慰謝料を請求することが可能です。
01.慰謝料の相場
盗撮事件の慰謝料の相場は10万円~50万円とされています。
02.慰謝料の増減要因
以下のような事情がある場合、慰謝料は変動します。
- 盗撮行為そのものが悪質な場合
- 被害者の処罰感情(被害者が盗撮犯をどれだけ許せるのか)
- 盗撮した人の経済事情
盗撮行為そのものが悪質であると認められる場合、盗撮した人に科される刑事罰も比較的重いものになりまので、慰謝料の額は高額になる傾向にあります。また、被害者の方の処罰感情(犯人を許すことができるか)という点も重要なファクターの一つと言えます。
他方で相手の経済事情も慰謝料の額に少なからぬ影響を与えます。犯人側が経済的に困窮sている・経済的に厳しい状態にある場合、現実的に回収できる額は低くなってしまうといえるでしょう。
03.刑事手続きでは慰謝料を請求することはできない
民事手続きとは個人間の争い・請求等を解決するための流れ手続き、刑事手続きとは、警察や検察、裁判所等の機関が犯人を逮捕したり刑罰を科したりする手続きとお考え下さい。
慰謝料請求は民事手続きの範疇であり、刑事手続きにおいては慰謝料請求と流れは出てきません。そのため、警察は慰謝料のやり取りには関与しませんし、刑事罰で支払われた罰金の一部が慰謝料として被害者に支払われるということはありません。
慰謝料を受け取るためには、自身が動く必要があります。
慰謝料をもらう流れ
盗撮の被害にあった人が慰謝料をもらう流れとしては、大きく分けてふたつあります。
01.相手と示談するときに慰謝料をもらう
ひとつは、盗撮をした人もしくはその代理人弁護士が、示談をしたい旨の連絡をしてくるパターンです。盗撮被害者と盗撮した側双方で慰謝料の金額について協議し、お互いがこれを了承したときには慰謝料を受け取ることができます。
注意点
盗撮犯側から被害者に対し示談に関してのアプローチが必ずなされるとは限りません。連絡がないことも往々にしてあります。また、納得のできる金額で示談が成立するとも限りません。
そのような場合は、民事訴訟などの手続をとる必要があります。
02.民事事件として相手を訴え慰謝料をもらう
慰謝料をもらう流れの2つ目としては、民事裁判を起こして相手(盗撮犯)に自身で直接請求する方法が挙げられます。
前述のような加害者側からのアプローチがなかった場合や、提示された金額で示談しなかった(できなかった)場合には、民事裁判を起こすことで慰謝料を請求することとなります。
注意点
民事裁判を起こす場合、申立の費用や訴状の作成、裁判所に出向くといった負担・労力がかかることとなります。また、裁判が終わるまでに時間を要しますし、実際に慰謝料をすんなりと回収できるとも限りません。慰謝料の相場を考慮すると負担の方が大きいと言わざるを得ません。
さいごに
盗撮被害に遭われた場合、被害に遭った精神的ショックを含め、いろいろと心配になってしまうものです。
東京・恵比寿に事務所を構える弁護士法人鈴木総合法律事務所では、盗撮被害に遭われた方からの相談を広く受け付けております。不安や心配事がある方は是非一度ご相談ください。