病院や歯科医院、クリニックの未払い診療報酬回収について

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弁護士 鈴木 翔太
弁護士 鈴木 翔太
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病院や歯科医院、クリニックの未払い診療報酬回収について

病院や歯科医院では、治療を受けたにもかかわらず診療費を払わない患者さんがおり、未払い診療報酬が発生するケースが多々あります。

大きな病院でも小さなクリニックでも歯科医院でも、未払い診療報酬額が増えると経営が圧迫されてしまうでしょう。

今回は病院やクリニック、歯科医院にお伝えしたい未払い診療報酬への対策方法と回収方法を恵比寿の弁護士が解説します。

 

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1.診療報酬の未払いが起こりやすい背景

病院やクリニック、歯科医院などの医療機関で診療報酬の未払いが発生しやすい理由は以下の通りです。

1-1.応召義務

医師には「応召義務」があります。応召義務とは医師は正当な理由がない限り、患者からの治療要請を断ることができないとするものです。医師法によって規定されています。

応召義務があるので、病院側は簡単に患者への治療を断ることができません。「この人は払ってくれないのではないか?」などと感じても、無下に治療を断ると医師法違反になってしまう可能性があります。

結果として不払いの危険性の高い患者も受け入れざるを得ず、未払い診療報酬が発生しやすくなっています。

1-2.患者側の認識

未払い診療報酬が発生する背景には、患者側の認識も影響しています。

通常、コンビニで万引きしたり飲食店で食い逃げしたりすることには多くの人が高い抵抗感を抱くものです。こういった行為をすると犯罪になるからです。

ところが病院で治療を受けて診療費を支払わないことには、そこまでの高い抵抗感はありません。「病気になったのだから助けてもらえるのは当然」「お金がないから申し訳ないけれど支払えない」などと考えてそのまま未払いにしてしまうのです。

実際、必要な治療を受けると入院費用や手術費用などが予想外に高額になりどうしても払えなくなってしまうケースはよくあります。

以上のように、病院やクリニックなどでは未払い診療報酬が発生しやすくなっているので、対策が必要です。

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2.未払い診療報酬を発生させないための予防方法

未払い診療報酬を発生させないための予防方法をご紹介します。

2-1.初診の際、問診票に患者の住所や連絡先を書かせる

初診の際には患者さんに問診票を書いてもらう医院が多いでしょう。その際、必ず住所と連絡がつきやすい電話番号、可能ならメールアドレスも記載させましょう。

電話番号が判明していると、不払いが起こったときにすぐに電話で督促できます。病院から督促の電話がかかってきたら、焦って支払う人も少なくありません。

自宅だけではなく携帯電話番号も記載してもらいましょう。

2-2.入院や高額な手術などの場合、連帯保証人をつける

入院する場合、高額な手術を行う場合などには同意書をもらうときに連帯保証人をつけてもらうと有効です。連帯保証人がいれば、本人が支払わないときに連帯保証人に請求して医療費を回収できます。

適切な連帯保証人を用意できないからといって治療を拒絶するのは難しいかもしれませんが、とりあえず連帯保証人を要求しましょう。

3.未払い診療報酬が発生したときの回収方法

未払い診療報酬が発生したら、以下のようにして回収を試みてください。

 

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3-1.何度も督促する

まずは電話や手紙などで何度も督促しましょう。病院やクリニックで事務職員などが債権回収を担当している場合、どうしても請求作業が後回しになって未払いの患者に一切督促しないケースもみられます。それでは支払いは期待できません。一回電話するだけで支払う人もいるので、まずは督促が重要です。

手紙で請求する場合、期限を区切って振込先の口座を記載すると支払われる可能性が高まります。

一回で支払われない場合には何度も連絡を入れましょう。

3-2.内容証明郵便を送る

電話や普通郵便による督促では支払われない場合、内容証明郵便を使って請求書を送付しましょう。内容証明郵便を受け取ると、多くの人がプレッシャーを感じて支払いに応じるものです。

弁護士が顧問になっている場合、弁護士名で内容証明郵便を送ることができるのでより効果的に督促作業を行えます。

3-3.少額訴訟や支払い督促を利用する

内容証明郵便を使っても相手が支払いに応じないケースでは、支払督促や少額訴訟を検討しましょう。

支払督促を申し立てると、一定期間内に相手が異議を出さないときには相手の資産や給料等を差し押さえられます。

少額訴訟は簡単な裁判手続きであり、1日で審理を終えて判決を出してもらえます。

ただし、これらの裁判手続きには手間もかかるので、高額な手術費用や入院費用が未払いになったケースなどで利用すると良いでしょう。

 

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4.弁護士に依頼するメリット

医療機関の債権回収は弁護士に依頼するとメリットが大きくなります。

4-1.手間が省けて本業に専念できる

病院の事務職員などが未払い債権回収にあたると、病院に大きな負担がかかります。そもそも債権回収のために雇った方ではないので債権回収をスムーズに進めにくいですし、本来の事務作業に割ける時間が減ってしまいます。職員のモチベーション低下にもつながるでしょう。

弁護士に未払い債権回収を任せれば、弁護士がすべて担当するので病院側の手間が省けますし、それぞれの職員がご自身の本来の職務に専念できます。

4-2.効果的に債権回収できる

素人の方が債権回収しようとしてもスムーズに進められないケースが多数です。手間ばかりがかかって肝心の回収額が少なくなり、時間や労力を考えると損失が拡大してしまいます。結果的に債権回収をあきらめてしまう病院もあるかと思います。

弁護士は債権回収のプロなので、状況や債権の種類、金額等に応じて最適な方法で対処を進めます。効率的に債権回収ができて病院側の損失を防ぎ、売上の増額にも貢献できます。

4-3.弁護士報酬について

債権回収を弁護士に任せると、弁護士費用が発生するのでマイナスになるのでは?と懸念される病院もあるでしょう。

確かに未払い診療報酬はそれぞれが少額なケースも多いので、1つ1つについて弁護士に別途料金で依頼すると足が出る可能性も高くなります。

そのような場合、弁護士にまとめて未払い債権回収を依頼し回収できた分の数十%を報酬額に設定する完全成功報酬制を適用すれば解決できます。
この方法なら病院側に損失が出るリスクはありません。

当事務所では、病院やクリニック、歯科医院への法律的アドバイスやサポートに積極的に取り組んでいます。

未払い債権回収でお困りの医師や病院経営者の方、病院運営に強い顧問弁護士をお探しの方などがいらっしゃいましたら、お気軽にご連絡ください。

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