覚せい剤取締法違反で逮捕されたときの対処方法

監修者
弁護士 鈴木 翔太
弁護士 鈴木 翔太
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覚せい剤取締法違反で逮捕されたときの対処方法

覚せい剤を所持していたり使用したりすると「覚せい剤取締法違反」という犯罪が成立します。覚せい剤は依存性が強く、蔓延すると社会的な害悪となりますので、規制も厳しく処罰は重くなります。

覚せい剤取締法違反になるのはどのようなケースで、具体的にはどのくらいの刑罰が適用されるのでしょうか?

今回は、覚せい剤取締法違反で刑事事件になるケースや逮捕されたときの対処方法を東京・恵比寿の弁護士がご説明します。

1.覚せい剤取締法違反になるケース

1-1.覚せい剤取締法違反で禁止される行為

覚せい剤取締法では、覚せい剤の所持や使用などの各種の行為が禁止されています。

覚せい剤というのは、「フエニルアミノプロパン」「フエニルメチルアミノプロパン」などの物質です。

これらを含む薬剤を腕に注射したりあぶって吸引したり錠剤で摂取したりすると、覚せい剤の「使用罪」として処罰されます。

また、覚せい剤は「所持」しているだけでも処罰の対象です。「持っていただけで使っていなかった」という弁解は通用しません。

覚せい剤に関して処罰対象となっているのは、以下の行為です。

  • 所持
  • 使用
  • 輸出、輸入
  • 製造
  • 譲渡、譲受

1-2.覚せい剤の「故意」について

覚せい剤取締法違反は故意犯なので、自分の使ったものや服用した薬物が覚せい剤であることを知らなかったのであれば、犯罪にはなりません。

そこで多くの人は、覚せい剤取締法違反で逮捕されると、「覚せい剤とは気づかなかった、知らなかった」と主張します。

しかし、はっきりと覚せい剤であると認識していなくても「もしかして、覚せい剤かもしれない」「正体不明の何らかの違法薬物」という程度の認識があれば、覚せい剤取締法違反の故意が認められます。

医師から処方された薬物や薬局で薬剤師に相談して処方された薬物に覚せい剤が含まれていたなどの場合には故意が認められない可能性が高いですが、知り合いにもらった薬や知らない人から購入した薬が覚せい剤だった場合、「知らなかった」という弁解が認められることはほとんどありません。

2.覚せい剤取締法違反の罰則

覚せい剤取締法違反が成立すると、どの程度の罰則が適用されるのか、みてみましょう。
覚せい剤などの薬物犯罪では、営利目的があるかないかで罰則の内容が異なります。

  • 所持や使用の場合の罰則

営利目的がない場合、10年以下の懲役刑

営利目的がある場合、1年以上の有期懲役刑・500万円以下の罰金の併科

  • 輸出輸入製造の場合

営利目的がない場合、1年以上の有期懲役刑

営利目的がある場合、無期または3年以上の有期懲役刑・100万円以下の罰金の併科

営利目的で輸出輸入や製造をすると、無期懲役を含む非常に重い罪が適用されます。

単純な所持や使用でも10年以下の懲役刑なので、重罪です。所持も使用も同じ罰則なので、使用していないことを理由に軽い罪にしてもらうことはできません。

また、覚せい剤は、他の薬物と比べて依存性や危険性が高いので、薬物犯罪の中でも刑罰が重く設定されています。

3.覚せい剤取締法違反の量刑の相場

覚せい剤取締法違反で逮捕されたとき、どの程度の刑罰が適用されることが多いのでしょうか?

営利目的のない単純な覚せい剤の所持や使用の場合、初犯であれば執行猶予がつく可能性が高くなります。だいたい懲役1年6か月、執行猶予3年などとなります。

しかし薬物前科、特に覚せい剤前科があると、執行猶予がつきにくくなります。

覚せい剤取締法違反(所持、使用)で量刑が重くなるのは以下のような場合です。

  • 使用の回数や頻度が多い
  • 反省していない
  • 薬物に手を出しやすい環境にある
  • 監督する人がいない
  • 薬物依存状態が酷い

量刑が軽くなるのは、以下のような場合です。

  • 使用の回数や頻度が少ない
  • 反省している
  • 家族による監督が期待される
  • 定職に就いている
  • 犯行動機は「魔が差しただけ」などであり、依存度が低い

4.覚せい剤取締法違反で逮捕されたときの対処方法

覚せい剤取締法違反で逮捕されたとき、なるべく処分を軽くしてもらうには以下のような対応が必要です。

4-1.反省の態度を示す

まずは反省の態度を示すことが重要です。薬物犯罪では被害者が存在しないので、被害者と示談することによって情状をよくすることはできません。本人がしっかりと自分の弱さを見つめ直し、再犯に及ばないと誓うことにより、軽い処分につなげやすくなります。

4-2.家族や職場による監督を期待できると示す

社会に戻ったときの環境も重要です。

具体的には、家族や職場などによる監督を期待できる場合には、執行猶予をつけてもらいやすいです。

反対に、単身者や定職に就いていない人、悪友との縁を切りにくい人の場合、執行猶予をつけると再犯に及ぶ可能性が高いので、実刑になりやすいです。

既婚であれば配偶者、未婚であれば親などに情状証人として出廷してもらうべきですし、勤務先の社長などに嘆願書や身元引受書を作成してもらうことも効果的です。

覚せい剤取締法違反は重罪なので、逮捕されると実刑になる可能性もあります。不利益をなるべく小さくするため、早急に弁護士までご相談ください。

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