交通事故では事故被害者が死亡してしまうことがあります。死亡に至らなくても遷延性意識障害(植物状態)や全身麻痺など重大な後遺障害が残ってしまうケースもあります。
大切な夫や妻、子どもや親に突然の不幸が発生したとき、ご家族の胸中は察するにあまりあるものです。悲嘆に暮れて事故対応をする気持ちになれなかったりどうすれば良いかわからず混乱状態に陥ったりするのも当然です。
今回の記事では、ご家族が死亡事故や重大事故に巻き込まれた場合の対応方法等について解説します。
損害賠償請求を進める必要性
ご家族が死亡事故や重大事故の被害に遭った場合、「事故のことを思い出したくない」「関わりたくない」と考える方も少なくありません。
しかし交通事故被害についての損害賠償請求はしておくべきです。加害者側に賠償金を払わせることが被害者の正当な権利を実現することにつながるからです。
交通事故の加害者には刑事罰が科されますが、それだけでは被害者本人の元には何も報いはありません。被害者本人には慰謝料や逸失利益などの損害が発生しているのですから、それらを加害者にきちんと支払わせてこそ本人の無念に報いられたといえます。
賠償金を請求しないことは泣き寝入りしてしまうのとほぼ同じであり、ご本人の無念な思いもさらに深くなってしまうことでしょう。
自身で交通事故対応を進めるのは辛いということであれば、弁護士がサポート・代行いたします。まずは一歩足を踏み出してみて下さい。
弁護士に依頼するメリット
死亡事故や重大事故被害の対処を弁護士に依頼すると、以下のメリットを享受できます。
01.適切な対処方法を確認できる
交通事故で大切なご家族を失ったり傷つけられたりしたとき、どのように対応して良いかわからなくなる方が多数です。死亡事故で複数のご遺族がおられる場合には、相手の保険会社から「遺族の代表者を決めるように」などと言われて対応が止まってしまうケースがよくあります。
また、被害者本人が植物状態になって介護を要する場合には、どこの施設に入所すれば良いか、どのような方法で誰に介護してもらうのが良いかなどで悩まれる方もいらっしゃいます。
このような場合、弁護士に相談することで状況に応じた適切なアドバイスを受けられます。
たとえば遺族の代表者を決められない場合には、全員が弁護士に手続きを委任すればスムーズに示談交渉を進めることが可能となります。介護が必要な場合、自宅で介護するか施設で介護するかによって賠償金額が変わってきますので、賠償金との兼ね合いも考慮しながら最良の介護方法について提案することも可能です。
早い段階で適切な対処方法を確認しておけば、後に不利益を被る可能性を減らすことが出来ます。
02.精神的に落ち着く
死亡事故や重大事故で家族を失われた場合、ご家族は精神的に大きく傷ついているものです。交通事故のことを思い出したくない方もおられるでしょう。
弁護士に手続きを依頼すれば、事故に関する対応、特に加害者側の対応、やり取りについての一切を任せることが出来ます。自身で対応する必要がなくなりますので、精神的に落ち着くことが出来るでしょう。法律の専門家が味方になっているということで安心感を得、前に進んでいく気持ちになるご家族もいらっしゃいます。
03.示談交渉を任せられる
死亡事故や重大事故では、被害者本人が対応できないのはもちろんのことご家族が対応するのも困難なことがあります。
そもそも示談する気持ちになれない方も多数いらっしゃいますし、遺族の代表者を決められない場合もあります。被害者本人が植物状態の場合には、家庭裁判所で「成年後見人」の選任を申し立てなければ示談を始められません。
また、保険会社からは慰謝料を大きく減額されたり被害者側の過失割合を高く見積もられたりして納得できない思いを抱えるケースも多々あります。
弁護士に示談交渉を任せれば必要な対応をすべて弁護士が代理で進められます。法的な観点から最大限有利になるように交渉するので、安心して日常生活や仕事に専念していただくことが可能です。
04.被害者の権利を最大限に実現できる
交通事故によって支払われる賠償金額は、被害者の家族が示談交渉する場合と弁護士が示談交渉する場合とで大きく異なります。
ご家族が対応する場合には低額な自賠責基準・保険会社基準が適用されるので、本来認められる賠償金額よりも大きく減額されます。死亡慰謝料については法的基準より1000万円以上減額される可能性がありますし、後遺障害慰謝料についても2分の1や3分の1程度にされてしまいます。
弁護士が対応する場合は、裁判基準という正当な基準をもって手続きを進めることが出来ますので、被害者の権利を最大限に実現し高額な慰謝料その他の賠償金を獲得することが可能となります。
交通事故に適用される時効について
ご家族が死亡事故や重大事故に遭われた場合、示談交渉などに対応する気持ちになれず放置してしまう方もおられます。放置してしまうと時効の問題が生じるため注意が必要です。
賠償金請求権は、以下の期間が経過すると時効によって消滅し行使できなくなります。
- 死亡事故の場合、死亡の翌日から3年間
- 後遺障害の場合、症状固定日の翌日から3年間
事故後のさまざまな対応に追われて示談交渉をしないまま上記の期間が過ぎると、何千万円という賠償金が発生していても一切請求できなくなってしまう可能性が高くなります。
なお、時効成立直前になっていても、時効を止めることが可能です。内容証明郵便で請求書を送れば6か月間時効を延長できますし、相手に債務承認させることによって時効を中断させる方法もあります。最終的には裁判をすれば時効を10年間延ばせますので諦める必要はありません。
さいごに
東京・恵比寿に事務所を構える弁護士法人鈴木総合法律事務所では、死亡事故や重大事故の被害者弁護に力を入れております。親身になってご相談に対応しますので、ご家族を交通事故で傷つけられたり失われたりした方はご相談下さい。