ブラックリストは存在するの?信用情報って何?

監修者
弁護士 鈴木 翔太
弁護士 鈴木 翔太
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クレジットカードの返済を滞納するとブラックリストに載ってしまう、とお考えになっている方が多数いらっしゃるようですが、実はブラックリストなるものは存在しません。

これに代わるものとして信用情報機関が管理する信用情報というものがあります。信用情報には、どの債権者から借りているのか、残債はいくらなのか、信用を毀棄するような事故情報の有無、といった情報が記載されています。

今回の記事では、信用情報とは何か、どのような情報が掲載されているのか、事故情報はいつまで掲載され続けるのか、等について解説します。

ブラックリストは存在しない

世間一般においては、ブラックリストは以下のようなものとされております。

貸金取引やクレジット取引において、延滞や破産といった契約に反した行動を取ってしまうとブラックリストに名前や生年月日等の個人情報が登録されてしまい、以後クレジットカードを作成したり住宅ローンを組むことが(半永久的に)できなくなってしまう。

実はこの認識は誤りです。実際にはブラックリストなるものは存在しません。

各個人のクレジット契約状況や支払い状況等は、信用情報として信用情報機関に登録され債権者に共有されています。延滞や破産等の情報についても「事故情報(異動情報)」として共有されます。

この信用情報や事故情報が上述のブラックリストと混同されて認識されているものと考えられます。

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弁護士 鈴木 翔太

信用情報機関とは

信用情報機関とは、個人の信用情報を収集・保有している機関です。

すべての貸金業者(消費者金融業者)やクレジット会社、銀行などの金融機関は信用情報機関に加盟しており、各個人の情報を登録し、新規契約時の与信審査の場面においてこれらの情報を参照します。

各業者が、それぞれ有している情報(取引情報等)を信用情報機関にアップロードし(登録 ・共有)、他の業者がアップロードされた情報をもとに自社での与信審査等を行なうといったシステムをイメージしていただければ結構です。

01.信用情報機関

信用情報機関には下記のものがあります。

株式会社シー・アイ・シー(CIC)

  • クレジット事業を行なう企業が主の会員
  • 割賦販売法に基づく貸出を行なう企業はCICに登録
  • クレジット会社のみならず携帯電話会社も参加
  • URL:https://www.cic.co.jp/

株式会社日本信用情報機構(JICC)

  • 貸金業を行なう企業が主の会員
  • 現金の貸付を行なう企業はJICCに登録
  • URL:https://www.jicc.co.jp/

全国銀行個人信用情報センター(KSC 一般社団法人全国銀行協会)

  • 主に銀行・信用金庫・労働金庫等が主の会員
  • 銀行からの融資(自動車ローン、住宅ローン等)を登録
  • URL:https://www.zenginkyo.or.jp/

02.信用情報機関間の情報共有

上述の信用機関3機関はそれぞれ独立してはおりますが、CRINという信用情報購入ネットワークを構築し、主に契約者の支払能力に関する調査を目的として情報を共有しております。

具体的には「契約者本人を特定するための情報」「契約内容に関する情報」「支払い状況に関する情報」等を交換し、過剰貸付や多重債務者の発生防止などに助力しております。

信用情報とは

信用情報とは、信用情報機関に登録される各個人の情報です。

登録される情報は信用情報機関によって若干の差異はありますが、大まかに下記の3種に分類されます。

  1. 名前、住所、電話番号、家族構成、勤務先、免許証番号等の個人に関する情報
  2. 契約会社、契約日、契約額等の契約内容に関する情報
  3. 残債、入金履歴、事故情報(異動情報)等の支払い状況に関する情報(いわゆるクレジットヒストリー)

上記の情報のうち、②及び③については債権者によって信用情報機関に登録がなされます。

例えばX氏が、信販会社であるA社と貸金業者であるB社の2社と取引をしているものとします。

A社は、X氏とA社との間の契約内容や支払い状況に関する情報を信用情報として登録します。また、B社は、X氏のB社の間の契約内容や支払い状況に関する情報を信用情報として登録します。

信用情報機関には、X氏個人に関する情報と各債権者が登録した情報が紐づけられて管理され、信用情報機関の会員となっている企業は登録された信用情報を自由に閲覧することが出来るのです。

たとえばC社がX氏に関する与信審査をする際には、X氏とA社との間の取引状況を参照することができますし、X氏とB社との間の取引状況も参照することもできます。

事故情報(異動情報)とは

支払の遅延(滞納)や破産等、貸付を行なっている会社側から見てネガティブな情報については、事故情報(異動情報)として信用情報に登録されます。

事故情報・異動情報として登録されるものとしては主に下記のものが挙げられます(信用情報機関によって差異あり)。

  • 延滞・遅延:約定の返済日を過ぎても入金がなされていない
  • 債務整理:任意整理や破産、特定調停等を行なった場合
  • 強制解約:返済能力が喪失したと判断し、強制解約に至った場合
  • 官報掲載:官報に掲載された事件情報(全国銀行個人信用情報センターのみ)
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弁護士 奥野

事故情報の登録期間について

貸金業者や信販会社、金融機関が、ある人と融資やローン契約を締結する前には与信審査を行ないます。

与信審査の一つに「各信用情報機関に登録されている情報を確認する」というものがあります。信用情報としてネガティブな情報が登録されている場合は、この人からはちゃんとした返済が見込めないのではないと判断され与信審査が通りません。

そのため、信用情報にネガティブな事故情報が登録されている限りは、新たにカードを作ることが出来ない、住宅ローンを組むことが出来ない、携帯端末の分割契約ができないといったことになります。

01.事故情報の掲載期間

それでは、事故情報はいつまで登録されるのでしょうか?信用情報機関ごとに若干の際はありますが、信用情報機関の登録期間は大まかには下記のとおりです。

  • 延滞・遅延:契約期間中及び契約終了後5年
  • 任意整理:任意整理による返済を終えてから5年
  • 破産:免責決定から5年
  • 個人再生:再生計画案に基づく返済を終えてから5年
  • 強制解約:解約による契約失効から5年
  • 官報掲載:官報に掲載された日から10年(KSCのみ)

原則は、契約期間中と契約終了後から5年経過するまでの期間は登録されます。

02.現在滞納している負債の掲載期間

現在滞納している負債について、債権者側が自発的に滞納情報を消すことはありません。そのため、下記のいずれかを行わない限りは半永久的に事故情報として掲載され続けることとなります。

  • 相当額の支払を行い、債務を消滅させる
  • 時効の援用を行なうことで時効を成立させる
  • 免責を得る(自己破産)
  • 再生計画案に基づく弁済を行なう(個人再生)
  • 和解に従った弁済を行なう(任意整理等)

03.個人再生や任意整理の場合の事故情報掲載期間

任意整理や個人再生といった長期にわたって弁済をする解決方針の場合、弁済が完了したときから5年経ってようやく掲載期間が満了することとなります。そのため、事故情報が消えるまでにはかなりの時間を要することとなります。

04.官報情報(KSCのみ)

KSCは、官報に掲載された情報を10年間保持します。

そのため、破産で免責を得てから5年後に『銀行系』の住宅ローンについて与信審査の申し込んだとしても、KSCには破産で免責を得たという官報情報が掲載されているので、与信審査は否決される可能性が高いでしょう。

さいごに

この記事を読まれている方の多くは、債務や返済について何かしらのトラブルや心配事を抱えているかと思われます。

東京・恵比寿にある弁護士法人鈴木総合法律事務所では、借金トラブルの解決に注力しております。債務や返済に関するトラブルでお困りの方はお早めにご相談下さい。

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